「行動経済学」人生相談室(ダン・アリエリー)
『「行動経済学」人生相談室』(ダン・アリエリー)
著者は、ユニークな実験によりイグ・ノーベル賞を受賞しているデューク大学教授。行動経済学を学び直してみたくなり、著者の書籍を4冊買ってきた中の2冊目です。本書は、著者に寄せられた相談に回答していくという内容で、人生にまつわる悩みや「どうしてそうなってしまうのか?」という疑問について知ることができ、日常に役立つ一冊です。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯人に頼まれると断れない
・ずっと先、例えば一月後に何かをして欲しいという頼まれごと。まだスカスカのカレンダーを見て、自分にこう言い聞かせる。「一月後なら予定がガラ空きだし、断れるわけないじゃない?」。でもそれは間違っている。実は予定が空いているんじゃない、細かい予定がまだ決まっていないだけ。そしてその日が来るとお願い事の負担がなかったとしても、やるべきことがあり過ぎて手一杯の状態。そのときはじめて、引き受けるんじゃなかったと後悔する。
・望ましい優先順位を守るための3つの方法
①「来週だったらどうするか?」
②予定表を見てその日に動かせない予定が入っていた(例:出張)と想像してみる
③「キャンセル・エレーション」。つまり何かがキャンセルされた時に感じる高揚感。いったん頼みごとを引き受けた後で、それがキャンセルになったと想像するだけ。喜びを感じるなら、それがキャンセル・エレーション。
◯転職したら幸せ?
・不満の根っこは何か?不満の原因が自分にあるのか、それとも今の仕事にあるのか?仕事が不満の原因なら、転職すればより良い未来に近づける。自分にあるなら「どこに行っても君は君」。転職しても無駄。
◯愚痴
・人が愚痴を言う理由は、①惨めな状況にいる人には親近感が湧く(同調しやすい)、②安心したい(世の中そう言うものだから大丈夫と言って欲しい)
◯口説き文句って効果あり?
・人は褒め言葉を言われるのが大好き(それは当然)
・褒め言葉を言ってくれる人には好感を持つ(ちょっとおもしろい結果)
・褒め言葉が本心でないことを知っていても好意を抱く(これが一番意外で興味深い発見)
◯謝罪
・謝罪には、たとえ本心からでなくても相手の心を和らげる効果がある。
・興味深いことに本心でないことを相手が知っていても効果がある。
1つ目のテーマの「人に頼まれると断れない」はよくある話。後になって「やっぱり入れなきゃよかったな」と思うことってあるなと思います。「まだ予定が見えないので考えさせてください」といったん保留にすることも大切だなと感じました。これはすぐ取り入れられそうです。