『あり金は全部使え』(堀江貴文)(◯)
「アリとキリギリス」は、長く洗脳されている「貯金信仰」の象徴的な話。「アリとキリギリス」の世界は遠い過去。食べ物がなくなる冬などもう存在しない。1円残らず使い切りボロボロの貧乏人になるのではなく、あり金を使うつもりでやるべきことをやろう。そうすればお金に使われ続けるマインドから脱出できる。そんな著者のお金に対する考え方を自身の経験もふんだんに交えて語られた一冊です。好き嫌いは置いておいて、尖った一冊なので思考が動きます。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯銀行預金は「不安の貯金」
・銀行などの機関に預けているお金は、銀行に対する債権。多ければ多いほどそれだけ誰かにお金を貸して、あなたの人生の幅を狭めているのと同じ。
◯リスクに飛び込め
・ビジネスや遊びなど行動に関しては、いつまでも3歳児でいてほしい。イノベーションを起こした人たちのほとんどは、行動の欲求レベルが幼稚だ。だからこそ、大胆な革新的技術を発明でき、面倒を見てくれる優秀な人たちが手助けしてくれる。
◯組織に頼るな
・組織に依存を続けていると「みんなのため」という自己犠牲が正義を持ち、個人の意思や意見が押しつぶされ、成長が阻害されることに、鈍感になってしまう。
◯家を買うな
・持ち家=幸せという価値観は過去のもの。快適な住まいが欲しいなら、フレキシブルに移動していこう。ライフスタイルに応じて、賃貸住宅を次々に変えていくのがいちばんの方法。
◯小遣い制は絶対やめろ
・断じて言う。妻が夫のお金を管理する小遣い制は、普通ではない!お金の管理の雨量が高い方が、お金を自由に使うのが普通なのだ。小遣い制は、やりたいことを制限される人生を正しいとする、間違った思想に根ざしている。
◯没頭しろ
・僕が問題だと思うのは、動き出したはいいけれど、何も身を結んでいない場合。自分への問い合わせを終えて動き出せば、必ず実になるまで、没頭できるはず。それができていないのは、考えた「つもり」で、思考の掘削が浅い。
・自分を没頭に追い込むいいルールは「己の決めたルールで動く」こと。趣味でも恋愛でもビジネスでも、自らプランを立て、自分のやり方で実行する。他人は色々忠告や意見を言ってくるかもしれないが、完全無視。「己ルール」を定めて、その通りに気持ちのままに動いていこう。
◯ブレーキを壊せ
・儲けられるかもしれないという下心で、遊びを始めても意味がない。お金儲けが先に立てば、辛いことが多すぎる。また運良く儲けられれば、そこで興味は尽きる。どっちにしても長続きしない。徹底的に、好きなことを好きなだけ、何も考えず、遊び尽くすこと。そうすれば遊びの向こうに、もっと興奮できる何かを見つけられる。
◯田舎を出ろ
・親への愛を否定するつもりはない。しかし実の親は、チャンスを得るための有用なアドバイスを得る相手としては、まったく信用できないと認識してほしい。大人になったら、なるべく距離を置き、やりたいことをやろう。田舎は、「遠きにありて思うもの」だ。距離をとって暮らすのが、程よい助け合いを維持する秘訣だ。
◯人に任せろ
・ビジネスの成功者はみんな、人使いが巧み。プライドを捨て、できない自分をさらけ出し、人の手を平気で借りられる。そして周囲に、優れた人がどんどん集まってくる。
・人の手を借りられないという人には、2パターンある。一つは自分でやったほうがうまくいくと思い込んでいる人。もう一つは、他人と手柄をシェアしたくない欲張りだ。どちらも間違ったこだわりだ。
◯思考の筋トレを怠るな
・読書をしていれば、思考の筋肉をキープできる。分厚い小説や専門書を読まなくても、しっかりした取材に基づいて描かれた漫画でもいい。物語を丁寧に読むことで、思考の筋肉は鍛えられる。思考の筋肉は物事を深掘りして本質を見極めるのに重要。その深掘りにスピード感が掛け合わせられれば最強。大人になっても思考の筋肉は鍛えられるので、ものを読み続けることを推奨したい。
◯手柄は人にやれ
・手柄を立てたい、褒められたいという動機で、行動してはいけない。お金と同様、手柄も幻想。
・手柄なんか持っていても、煩わしい。己の芯がぶれるだけ。手柄に惹かれた変な人が近寄ってきたり、意外といいことはない。手柄など、贈り物のように上げてしまった方が、むしろ周りの人に感謝され、出会う人や集まる情報の質は上がっていくだろう。
・得た手柄のシェアが上手い人には、ポジティブな縁が巡る。それもお金と声質が似ている。
◯バランスを外せ
・「肩書きを3つ持てば100万人に1人の存在になれる」。100万人に1人の存在になるためには、アンバランスな行動力と、行動を支える時間と資金を投資しよう。ハマったことに、惜しみなく資金を投下しよう。
・バランスの外れた経験は、リスクを避けるのが常識とされている社会で、お金よりはるかに大きな価値を持つ。
タイトルを見て「えっ?」。中身を読んで「えっ?」。「えっ?」って思ったら、自分が常識か何かに囚われていないか考えてみよう。その価値観本当?周りの人に合わせてない?自分の思考や価値観が狭い世界に固まっていないか考えるのにもいい機会になりました。あり金全部使ったらどうなるんだろう??