『シュガーマンのマーケティング30の法則』(ジョセフ・ジュガーマン)(◯)
本書は、消費者がモノを買ってしまう心理的トリガー(引き金)を30の切り口からまとめた一冊。著者は、ダイレクト・マーケティング・マン・オブ・ザ・イヤー(1979年)、業界最高峰のマクスウェル・サックハイム賞受賞(1991年)するなど、アメリカ伝説のマーケッター。その手法のほとんどが現在でも利用されているようです。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯30の心理的トリガー
①一貫性の原理
一旦購買決定をした顧客は「ついで買い」をするなど最初の購買行動と一致した行動を取り続けようとする。
②適切なアピールポイント
商品特性を認知し、顧客との接点を見つける。
③顧客の特徴
あなたの商品を買う感情的・合理的理由を知る。
④欠点の告知
致命的な欠点があるのであれば、商品の欠点や難点を真っ先に伝える。
⑤抵抗感の克服
克服なしには、顧客は買うべきではない理由を強く持ったままになる。
⑥巻き込みとオーナーシップ
顧客に話しかける時は、あたかも相手があなたの商品を所有しているかのように話す。
⑦誠実さ
言行一致はすべてにおいて重要。
⑧ストーリー
人は皆物語が好き。物語はセールスに人間味を与え、あなたと顧客をつなぐ。
⑨権威
購買決定をする際、顧客は誰もが権威に頼りたがる。その分野の専門家とされる人や企業から商品を買うことができれば、顧客にとって大きな価値になる。
⑩お買い得感
他の商品との嘘のない比較や、どれだけ節約できるのか、あるいは単純に値引きしたことなどを強調する。
⑪感覚
どんな言葉にも感覚的な意味合いがあり、どんな言葉も感覚的なストーリー性を持つ。
⑫理屈による正当化
なぜそれを買うべきかという論理的理由を顧客に与える必要がある。
⑬強欲
人は自分が受け取る資格があると思う以上のものを欲しがる。
⑭信頼性・信憑性
どんな時も本当のことを誇張しすぎず、全面的に信じてもらえるようにする。
⑮満足の確約
そんなにしてもらったら損をするのではと、逆にあなたが心配するくらいのことをして差し上げますという意味をメッセージなどで伝える。
⑯リンキング
顧客がすでに知っていることや理解していることと、あなたの商品とを結びつけるテクニック。商品とそれに付加価値を与えるものとをダブらせたり、流行に便乗したりする時に使う。
⑰帰属欲求
人が特定の商品やブランドを買うのには、ブランドをすでに所有している人たちの仲間入りをしたいという強い心理的理由がある。
⑱収集欲求
人間の心理には、収集したいという強い衝動がある。どんな商品も収集心になりうる。
⑲切迫感
先送りさせないこと。もう少し考えたいと言われたら、その顧客を逃した可能性が高い。
⑳限定
収集品や限定盤、短期生産、超高級品などは少数の人しか所有できたいため、どれも顧客に買いたいと思わせる強い動機づけとなる。
㉑単純明快さ
提案が持つ複雑さの分だけ販売効率は下がる。提案をシンプルにするということは、一言で言えば、顧客に代わって選択してあげること。
㉒罪悪感
「人に中を与えれば、自動的にギブ・アンド・テイクの関係性が生まれる」。これは罪悪感に基づくもので、相手はもらった以上のお返しをしてくれる。
㉓具体性
具体性のあるコピーは非常に信憑性が高い。具体性を用いることによって、より魅力的で信頼性のある提案が可能となる。
㉔親近感
顧客があなたの商品ブランドや会社に馴染みがあればあるほど、あなたのいうことを受け入れて買おうという気になる。
㉕パターンニング
単純に真似るのではなく、自分なりの新しい方法で開拓する。
㉖期待感
顧客がやりたい、なりたい、持ちたいと思うあらゆることは、すべて期待という力によって生じている。
㉗好奇心
セールスの冒頭で読み手や視聴者を広告メッセージに釘付けにし、顧客が最後まで興味を持ち続け、参加し続けるようにする。
㉘市場とのマッチング
あなたの正確で信憑性のある言葉に顧客を同意させ、首を縦に振ってしまう。
㉙考えさせる力
セールストークをわかりやすくしすぎず、顧客に頭を使わせることにより、結果的にあなたのメッセージに対する好印象を残すことができる。
㉚正直さ
いつでも本当のことを話すこと。無防備なまでに正直であることで、顧客を味方にすることができる。
本書では、30のトリガーに対して、アクションステップがまとめられています。誰かに価値を提供する際、トリガーを知っているだけで、伝え方が工夫できる。まさにマーケティング分野のノウハウです。
シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは
- 作者:ジョセフ・シュガーマン,佐藤 昌弘
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2006/03/08
- メディア: 単行本