今年から、毎月、1冊は読んだことが無い分野の本を読もうと取り組み始めました。3月はこの本です。
タイトルは知っていたが中身は知らない‥。そんな本だったので、前から一度読んでみようと思っていました。
背景を調べてから読んでみると、ソクラテスの周囲に流されない芯の強い思いを理路整然とした主張の中に感じました。
(時代背景)
ペロポネソス戦争(紀元前431年~紀元前404年)でアテナイがスパルタに敗戦した責任追及としてソフィスト・哲学者などが糾弾排除されていた。ソクラテスも教育の師として糾弾排除の対象として公訴された。場面は、紀元前399年のアテナイの民衆裁判所。
そして、有名な「無知の知」も初めて読みました。
(以下、本書より)
~しかし、私自身はそこを立ち去りながら独りこう考えた。とにかく俺のほうがあの男よりは賢明である。なぜといえば、私達は二人とも善意ついても美についても何も知っていまいと思われるが、しかし、彼は何も知らないのに、何かを知っていると信じており、これに反して私は、何も知りもしないが、知っているとも思っていないからである。されば私は、少なくとも自ら知らぬことを知っているとは思っていない限りにおいて、あの男よりも智慧の上では少しばかり優っているらしく思われる~
教養は、そこから何かすぐに導き出せるというものではないと思いますが、積み重ねていった先に何か見えてくるかもしれません。歴史は、とても深く壮大。だから面白い。