毎月1冊の異分野開拓。投稿が遅れましたが、5月分はこれ。
「THE有頂天ホテル」まで、あまり意識することもなかったのですが、以降の代表作は映画館やDVDで見ています。
本書は、1998年~2013年までのドラマ・映画一つひとつを振り返ったエピソードがインタビュー形式で収録されています。
(印象に残ったこと)
ビジネスベースでみたとき、100%やりたいことを実現できることはなく、修正・削除せざるを得ないことが多い。周囲から、「これはウケない」「これは無理だよ」と否定されることはしょっちゅう。今の三谷さんでも100%自由に作品を作れることはないとのこと。
でも三谷さんは、周囲からの否定的な意見を聞き入れるときも、その意見をどうやれば面白くなるように取り入れられるのかという発想で考え、形にしていく能力がスゴイ。
例えば、自分の脚本が否定された過去の苦い経験すら作品にしてしまったことがある。
〇『ラヂオの時間』(1997年)
『振り返れば奴がいる』(1993年)で脚本をカットされたり変更されることを知った経験から生まれた作品。
かつて舞台の脚本で、ラジオ番組の収録中にスタッフが殺され、「犯人は誰か?」を推理するミステリー作品だった。それが、”ラジオドラマの脚本が生放送本番の日に何度も書き直されて振り回されるスタッフ”という話に変わった。その舞台をもとにこの作品が生まれた。
たしかに、100%やりたいことをできるというのは、そう無いことかもしれない。むしろ、きちんと周りの意見も聞かないと一人ぼっちになってしまう。
周囲の意見が、「妥協」になるのか「バネ」になるかは、自分次第。
三谷さんは、自分の作品への強い想いが源泉となり、前向きに周囲の意見を取り込んでしまう思考が身についているように感じました。