『知性を磨く』(田坂広志)
田坂さんは、一旦、読み納め。
これまでの5冊と重複しないポイントを簡単にご紹介します。
本書は、答えのない問題を解決し続けるために、いかに「知性」を磨くのか、そして、これからの時代に求められる、スーパージェネラリストとは?という視点で書かれています。
(本書のポイント‥抜粋)
〇知能と知性
・知能:答えの有る問いに対して、早く正しい答えを見出す能力
・知性:答えの無い問いに対して、その問いを問い続ける能力
→知性の本質は、知識ではなく知恵
〇知識と知恵
・知識:言葉で表せるものであり、書物から学べるもの
→知識の学習には上手い秘訣がある
・知恵:言葉で表せないものであり、経験からしか学べないもの
→知恵には、いかに早く大量に、いかに効率よく学べるかという秘訣はない
→知識と知恵を錯覚するとプロフェッショナルになることはできない。
→「プロフェショナルに王道はない」、「敵は我にあり」という言葉の意味を考えること
〇スーパージェネラリスト
専門家は十分いる。様々な分野を垣根を越えて統合する人材が求められている。以下の観点から20世紀から抱える問題を考えること
・知と知の結び付け:専門主義(細かい専門領域の分断)の病からの脱却
・知と行の合一:分業主義(理論と実践する人の分離)の病からの脱却
・知と情を一つに:客観主義(理論先行、現場の感情劣後)の病からの脱却。
スーパージェネラリストが求められる背景3点は、分かる気がします。
では、どういう姿が求められるのか。スペシャリスト+ジェネラリストというように、都合よくはいかないので、自分なりにどういう姿を描くかが課題だということに変わりはないですね。
それにしても、脱スペシャリスト主義は、最近、何人もの著名経営者、教授から聞いているテーマなので、それだけ現場のマネジメント(特に経営陣)に問題が生じているのでしょうか。