『ザ・コーチ』(谷口貴彦)
住宅販売会社の営業マンがある老紳士とであり、生涯最高の自分に気づく物語。行動を継続していく習慣を身につけ、目標を活用する達人になることにより、幸せを手にする方法とは?
(印象に残ったところ‥本書より)
〇目標・目的・夢・ゴール・ビジョン
一人ひとりの言葉の定義がずれているとうまくいかない。言葉のすり合わせから始める。
・目標:目的を達成するために設けた目当て。目的の目印。
・目的:成し遂げようと目指す事柄。
・ゴール:一番最後の地点。目的のための最終的な目印。
⇒目標だけだと何となく虚しい。目的だけだといつまでも形にならないただの願望。ゴールだけだと重たく苦しい。目標・目的・ゴールの3つがそろって初めて、目標を立てることの効果が生まれる。
・夢:将来実現させたいと心の中に思い描いている願い。
・ビジョン:将来の理想像や光景。将来あるべき姿を描いたもの。
⇒ビジョンは鮮明でありありとしていて、その光景を頭の中で見るだけで、嬉しいとか、楽しいとか、ドキドキワクワクするとかいった感情が湧くものでなくてはならない。
〇ドリームツリー
①どんな些細なことでもいいので自由に夢や願望をリストアップする。
②本当に実現したい夢をいくつか選んで、どうしてそれを手にしたいのか、いつまでにどんな状態になりたいのかといった、目的やゴールをはっきりさせる。
③そのゴールを手にするために、具体的な目印や通過点といった目標を設定する。
④ゴールに向かう行動を促進するために、ゴールを手にした瞬間のビジョンやうまくいったときのイメージを繰り返し心の中で描く。
⇒夢やビジョンや目的といった抽象度が高くて主観的な事柄で、イメージや感情を支配する右脳を刺激する。⇒現実的な計画や行動基準、進捗基準といった具体的で客観的な目標で、言語や論理的思考を司る左脳を使う。
【Q 夢、目的、ゴール、目標、ビジョンを明確に設定して行動していくことで、自分が得られるベネフィットにはどんなものがあるか?】
【Q 夢やゴールを設定することを妨げているものは何か?】
〇心のブレーキ
①夢やゴールを描くときと、それに向かって歩いて行ったときに味わう負の感情。自分の夢やゴールに対して人から批判や避難や評価を受ける。そのときに感じる苦しさや切なさ、それと自己否定感。
②夢やゴールや目標に対する無知。人は知らないことはなかなかできない。
③2つの恐れ。「変化に対する恐れ」と「選択と決断に対する恐れ」
〇ビリーフを書き換える
目標を立てたら最後までやり遂げなくてはならない、ゴールや目標を立てたら変えてはいけないというようなビリーフは時としてブレーキを働かせる。これらを書き換えてブレーキを軽くするといい。
・目標はあくまでも目的のための通過点なのでいつでも再設定していい
・目的には最後までこだわるほうがいいが、目標はいくつもの選択肢がある
・結果はコントロールできないが、プロセスはコントロールできる。だから、プロセスに全力を尽くして結果は神にゆだねる
〇評価軸を変える
結果に価値を置く考え方を成長の過程に価値を置く考え方に変える。そのために、評価軸を、自分の過去、現在、未来の知識と能力、ツールに設定する。
【Q 組織において部下にゴールを設定するときのポイントは何か?】
〇組織が人に目標を与えるときのポイント
会社の目標と個人の目標の設定を見つけて共有する。物質的なゴールは達成し、これからは心の時代。心が求める目的は人の数だけある。ここの目的や夢や価値観やビジョンと、会社の目的やビジョンとの接点を、どれだけ見つけてあげられるか。それが部下のゴールを設定するときのポイント。
部下にゴールを設定する目的は、結果に対する責任を押し付けるのではなくて、ゴールに向かう過程で部下を成長させること。ゴールに対する結果の責任は、与えたほうにあるということ。
【Q ゴール設定をより効果的にするポイントは、ほかにどんなことがあるか?】
〇プロセス
多くの人たちは、目標を立てようとするとやるべきことを書き出してしまいがち。それだとやったかやらなかったかという二次元的な思考になるので閉鎖的な気持ちになる。目標には「やるべきこと」ではなくて、「通過する状態」を掲げるようにする。そうすれば、アプローチ法は無限にあるし、試してうまくいかなかった事柄は、どんどん修正や変更をすればいいということになる。
〇行動する際のポイント
・ゴールや目標を表す言葉は、自分の価値観に合う言葉で表現する。
・ゴールや目標を表す言葉の動詞を自分が惹かれる言葉で表現する。
・自分の心が喜ぶ言葉を常に口にする。そして自分の言葉で自分を洗脳する。
・ゴールに向かう行動計画は、自分の行動特性に合ったプランにする。
・計画は行動して初めて事実になると知る。
・人の行動特性に合った方法を自分に無理やり合わせない。
・ベストな行動特性は、自分の中のパターンで比較して選ぶ。
・行動を継続するためには、行動計画に定点観測も盛り込む。
・定点観測は最初は短いスパンで設計して、早めに行動計画を修正する。
・定点観測は、見える化するが、決して人と比べず評価としない。
目標・目的・夢・ゴール・ビジョンの5つのワードと達成に向けたプロセスに着目し、「やらなければならない」から「やりたい」へ。やりがい、生き方、そしてサブタイトルどおり、最高の自分に気づくための一冊です。