MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

完訳 7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー)<その3><第2の習慣>

『完訳 7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)(◯)<その3><第2の習慣>

 昨日の続きです・・。
 良書の中でも内容の濃い1冊なので数回に分けてお届けしています。今回は第3回、「第2の習慣」(終わりを思いを描くところから始める)です。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

①「終わりを思い描くところから始める」とは?

・人生における全ての行動を測る尺度、基準として、自分の人生の最後を思い描き、それを念頭に置いて今日という1日を始めること。

・人生が終わる時をありありと思い描き、意識することによって、あなたにとって最も重要な基準に反しない行動をとり、あなたの人生のビジョンを有意義な形で実現できるようになる。終わりを思い描くことから始めてこそ、本当に効果的になりうる。

・自分の葬儀で述べてもらいたい弔辞を真剣に考えてみてほしい。それがあなたの成功の定義になる。

 

②すべてのものは2度作られる

・まず頭の中で創造され、次に実際に形あるものとして創造される。

・ビジネスを成功させたいなら、何を達成したいのかを明確にしなければならない。次は、その目的を達成するために必要な資金、研究開発、生産、マーケティング、人事、設備などのリソースを組織する。最初の段階で終わりをどこまで思い描けるかが、ビジネスの成功と失敗の分かれ道になる。失敗する企業のほとんどは、資金不足、市場の読み違い、事業計画の甘さなど、第一の想像でつまづいている。

・すべてのものは2度作られているという原則を理解し、第二の創造だけでなく、第一の創造にも責任を果たすことによって、私たちは影響の輪の中で行動し、影響の輪を広げていくことができる。この原則に反して、頭の中で思い描く第一の創造を怠ったなら、影響の輪は縮んでいく。

 

③2つの創造(リーダーシップとマネジメント)

・リーダーシップは第一の創造。マネジメントは第二の創造。

・マネジメントは、ボトムライン(最終的な結果)にフォーカスし、目標を達成するための手段を考える。それに対してリーダーシップはトップライン(目標)にフォーカスし、何を達成したいのかを考える。

・マネジメントは正しく行うことであり、リーダーシップは正しいことを行うこと。

・成功の梯子を効率的にうまく登れるようにするのがマネジメントであり、梯子が正しい壁にかかっているかどうかを判断するのがリーダーシップ。

・私生活でも仕事でも、私たちは下草を刈る作業に追われるあまり、間違ったジャングルにいても気づかないことがある。あらゆる物事が目まぐるしく変化する現代においては、個人や人間関係のあらゆる側面においても、これまで以上にリーダーシップの重要性が増している。

・目的地に到達するためには、ロードマップよりもコンパス(方向を示す原則)が要る。

・効率的なマネジメントは揃っているけれども、効果的なリーダーシップがない状態は、「沈みゆくタイタニック号の甲板に椅子をきちんと並べるようなもの」。マネジメントが完璧でもリーダーシップの欠如を補うことはできない。

・あまりに多くの親が、マネジメントのパラダイムにとらわれている。方向性や目的、家族の想いより、能率・効率やルールにとらわれている。個人の生活ではよりリーダーシップが不足している。自分自身の価値観を明確にする前に、能率よく自己管理や目標達成に取り組んでしまうのだ。

 

④脚本を書き直す(あなた自身の第一の創造者となる)

 ・主体性の土台は「自覚」。主体性を広げ、自分を導くリーダーシップを発揮できるようにするのが想像と良心。

・個人のミッション・ステートメントも、正しい原則を土台としていれば、その人にとって揺るぎない基準となる。その人の憲法となり、人生の重要な決断を下す時の基礎となる。変化の渦中にあっても、感情に流されずに日々の生活を営む拠りどころとなる。それは、不変の強さを与えてくれる。

 

⑤内面の中心にあるもの

・個人のミッション・ステートメントを書くときは、まず自分の影響の輪の中心から始めなければならない。影響の輪の中心で自分のビジョンと価値観に働きかける。影響の輪の中心で「自覚」を働かせ、自分の内面にある地図を見つめる。

・正しい原則を大切にしていれば、自分の地図が実際の場所を正確に表しているか、自分の持っているパラダイムが原則と現実に基づいているか、自覚を働かせて確かめることができる。

 ・自分の人生の中心に置くものが何であれ、それは、安定・指針・知恵・力の源になる。

・あなたの人生の中心はなんだろう?人生を変える4つの要素(安定・指針・知恵・力)を見つめれば、自分の中心をはっきりと認識できる。

 

⑥個人のミッション・ステートメントを記し活用する

・「私たちは人生における使命をつくるのではなく、見出すのである」「究極的に、我々が人生の意味を問うのではなくて、我々自身が人生に問われているだと理解すべき。一言でいえば、全てのとは人は人生に問われている。自分の人生に応えることで答えを見出し、人生の責任を引き受けることで責任を果たすことしかできない」(ヴィクトル・フランク)

・個人の責任あるいは主体性は、第一の創造の基礎。主体性を持つことによって、初めて、どんな人間になりたいのか、人生で何をしたいのかを表現できるようになる。

 

⑦役割と目標を特定する

・自分の人生での大切な役割を念頭に置いてミッションを書くと、生活にバランスと調和が生まれる。それぞれの役割をいつでも明確に意識することができる。ミッション・ステートメントを折に触れて目にすれば、一つの役割だけに注意が向いていないか、同じように大切な役割、あるいは、もっと大切な役割をないがしろにしていないか、確かめることができる。

・自分の役割を全部書き出したら、次はそれぞの役割で達成したい長期的な目標を立ててみる。

・効果的な目標は、行為よりも結果に重点を置く。行きたい場所をはっきりと示し、そこにたどり着くまでの間、自分の現在位置を知る基準になる。たどり着くための方法と手段を教えてくれるし、たどり着いたら、そのことを教えてくれる。あなたの努力とエネルギーを一つにまとめる。目標があればこそ、自分のやることに意味と目的ができる。そしてやがて目標に従って日常の生活を送れるようになったら、あなたは主体的な人間であり、自分の人生の責任を引き受け、人生のミッション・ステートメント通りの生き方が日々できるようになるはずだ。

 

 終わりを思い描くというのは、年初めに今年の目標を設定するときに使うようにしています。思い描いたゴールの感情・状態。そこから逆算して、アクションを決める。途中でダメになったら別のアクションに移って、ゴールの感情・状態は達成する。人生も同じで、どうありたいか、何を感じたいか、行動よりもゴールのbeingを思い浮かべて過ごしたいと思える第2の習慣でした。

7つの習慣特装版「ウィークリー・チャレンシ?」付属

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