『やり抜く人の9つの習慣』(ハイディ・グラント・ハルバーソン)(〇)
コンパクトかつ分かりやすく要点がまとまっており、習慣本の中では読みやすい良書だと思います(120ページ弱)。確かに本書の9つのステップで習慣化に取り組めば目標達成までの道がぐっと縮まりそう。私も自分の習慣化の中に採りいれたい要素があり、とても参考になりました。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇目標達成できる人の共通点
「才能が成功に導いた」のではなく、「ある種の思考や行動によって自らを成功に導いた」。「当たり前で簡単に実行できること」と「誰もが当たり前に実行している」ことはイコールではない。
【1】目標に具体性を与える
・「やせたい」と思うのならば、目標は「やせる」ではなく「5キロやせる」とすべき。
①目標を紙に書く
1)仕事で結果を出す、2)やせる
②どうなったら「目標を達成した」と言えるかを考える
1)部長昇格の辞令をもらう、2)8号のジーンズをはけるようになる
③目標を書き直す
1)部長に昇進する、2)8号のジーンズをはく
④メンタル・コントラストを活用する
「目標を達成して得られること」「そこに至るまでに考えられる障害」をそれぞれ2つ挙げる
・得られる:給料が高くなる、会社の戦略に関われる。
・障害:ライバルの同僚、上司の考えが掴めない
⑤メンタル・コントラストを深める
・書き出した「得られること」を味わう
・障害を見直す‥それは本当に障害か?なぜ障害になっているのか?
【2】目標達成への行動計画をつくる
・日々の計画が具体的な行動レベルまで明確になっていると、その行動をする可能性は300%高まる。
①目標達成のために、すべきことを明確にする
②「いつ」「どんなときに」行動に移すのかを考える
③「if-thenプランニング」(もし〇〇だったら、△△する)に落とし込む
・if:もし、月曜日の8時になったら
・then:私はジョギングをする
④何が障害になるかを考える
⑤障害への対処を考える
⑥もう一度、「if-thenプランニング」を考える
・if:もし職場で嫌なことを言われて頭に来たら
・then:30秒深呼吸して、冷静な対応をする
【3】目標までの距離を意識する
・ただがむしゃらに努力するのではなく、日々、どれだけ進歩したのかを確認する必要がある。
①どの程度の頻度でフィードバックを得るかを決める
②誰からフィードバックを得るのかを決める
③フィードバックの予定を決める
④「これから思考」で、目標までの距離を考える
【4】現実的楽観主義者になる
・「目標は達成できる」と信じるのは変わらず大切なこと。しかし、「目標は簡単に達成できる」と考えてはいけない。
①モチベーションを維持する
・過去にやり遂げたことを洗い出す
・これまでに達成した目標や克服した困難をビジュアライズする
②地に足のついた「現実的な楽観性」を持つ
・多くの選択肢を考えておく
・より道や抜け道を考えておく
【5】「成長すること」に集中する
・目標を設定するときには、「今何ができるのか」ではなく、「これから何ができるようになりたいのか」を考えるようにする。
①焦らず、完璧主義にならないようにする
②うまくいっている人に助けを求める
③人と自分を比べない
【6】「やり抜く力」を持つ
・能力は経験や努力を重ねることによって高めることができる(拡張的知能観)
①苦手とすることを振り返る
②自分の思い込みを注意深く観察する
③固定的知能観にとらわれていないかを、注意深く振り返る
【7】筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
・意志力を定期的に正しい方法で使えば、少しずつ強くすることができる。大きな挑戦である必要はない。とにかく取り組む価値があると思うことを続けること。
①意志力は有限であることを意識する
②特効薬で意志力の回復を早める
・気分が上がることをする
・自分をほめる
・自分の周りの「鉄の意志」を持つ人を思い浮かべる
③意志力を鍛える
【8】自分を追い込まない
・2つの困難な目標に、同時に取り組むのは避けるべき。意志力には限りがある。
①誘惑と出会いやすい時間や場所を把握する
②大きな目標は一つに絞る
③やめるなら、一度に完全にやめる
【9】「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する
・上手な計画のポイントは、マイナスとなる行動や状況を避けるだけではなく、それらを建設的で効果的な行動に置き換えること
①「~しない」という目標を「~する」に変える
②「~する」という目標を「if-thenプラン」にする
・if:もし次に~をしたいとおもったら、
・then:代わりに~をするようにする。
最近目標達成に関するワークに取り組んでいますが、とにかく、「具体的に書くこと」。これが一番です。頭で考えて、想像することも大事ですが、言語化してみる。一方、「全ての思いは言語化できない」という考え方もあり、具体的に書いてみたところから、また思考してみる。そうすると、どんどん具体化していき、感情もそれについてくるというサイクルを繰り返します。
本書は、そんな思考をする際のロードマップ的存在であり、自分の思考の抜け漏れに気づかせてくれました。