MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

思考は現実化する(上・下)(ナポレオン・ヒル)

『思考は現実化する(上・下)』(ナポレオン・ヒル

 1937年刊行の元祖自己啓発本アンドリュー・カーネギーが基礎をつくり、ナポレオン・ヒルが体系化した本書は、500名を超える成功者の行動を分析・検証した成功哲学です。

※本書の成功の定義:他人の権利を尊重し社会正義に反することなく、自ら価値ありと認めた目標(願望)を黄金律に従って一つひとつ実現していく過程。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇成功を引きつけるのは心の力。目標や願望を持つことがすべての達成の第一歩。

①実現させたい願望をはっきりさせる。

②望むものを得る代わりに何を差し出すのかを決める。

③最終期限を決める。

④願望実現の詳細計画を立てる。

⑤①~④を詳しく紙に書く。

⑥⑤を起床直後と就寝直前になるべく大きな声で読む。

 

〇信念により、思考は紛れもなく現実化する

・自分で認めない限り、「限界」などというものはない。

・人は信念によって豊かにもなるし、貧しくもなる。

 

〇深層自己説得(五感を通して心の深層に与えるメッセージ)の活用

・潜在意識に閃いたことは、直ちに実行せよ。機を逸すると命取りになる。

・逆境は常にそれ以上の利益の種子を秘めている。

 

〇知識

・教育は、経験と人々との交流から得られる。ヘンリー・フォードは、「無学」であったからこそ、富を築くことができた。

・知識は豊かさへと続く道であるが、その道を進む決心がなければ豊かにはなれない。

 

〇想像力

・想像力は、心のエネルギーを富に変える工場。

・想像力は成功の触媒。失敗の中には見られない。アサ・キャンドラーは、コカ・コーラの製造法を発明したのではなく、その味を富に変える方法をイメージした。

 

〇成功の黄金律

 自分がしてほしいと思うことは、なによりもまず他人にそうしてあげること。

 

〇決断力

・失敗の最大の原因は、決断力の欠如。決断は素早くし、変更が必要になるときまで、一度下した決定は変えないこと。優柔不断は、誰もが克服しなければならない大敵。成功者は例外なく素早い決断力の持ち主である。

 

〇忍耐力

・忍耐力は前進するための原動力。忍耐力の基礎となるのが、意志の力。意志の力と願望が結びついたとき、恐るべき力を持った何かが生まれる。

 

マスターマインド

・計画づくりとその実践に必要な人材を集めたグループにより、驚くほど短期間にリーダーになることもできるし、巨富を築くこともできる。組織化された方向付けられた知識は、あなたの生涯の力となる優れたノウハウ。

 

〇いついかなる時も報酬以上のことをせよ

 報酬以上のことをする習慣を身につければ、どこの誰よりもその利益とモチベーションを得ることができる。

・自分が好きでやった仕事は決して無駄にはならない。報酬以上の仕事をした人には、遅かれ早かれ、仕事をした以上の報いがある。自分の仕事の監督者は自分自身。

 

〇潜在意識

・潜在意識は、願望実現あるいは目標達成を後押しする眠れる巨人。

・潜在意識に受け入れられやすいのは、理路整然たる理性ではなく、感情的な思考。

 

〇第六感

・勘や第六感は、インスピレーションと同じように、限りある意識と無限の知性とを直接つなぐもの。

 

〇失敗

・失敗と無縁な人はいない。人間は誰でも失敗に対して思いのままに反応する特権と術を持っている。どんな失敗にも、それに見合った利益の種子が含まれている。

・失敗を恐れてはいけない。失敗は形を変えた恩恵であることが多いもの。

・失敗が恵みとなるか禍となるかは、その人次第。失敗にどう反応するかが問題。

 

 などなど。他にもチェックリストやシートなど、すぐに活用できるものが多数掲載されています。成功=富という色合いがやや強いように思えますが、日常生活を送うえでも十分役立つ内容だと思います。刊行から約80年。本質的なことはほとんど変わらないことが実感できます。

  

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