『ブレイン・プログラミング』(アラン・ピーズ&バーバーラ・ピーズ、市中芳江訳)(◯)
これは興味深い内容でした。哺乳類の脳幹にある「網様体」という神経の集まりで、体の生命活動維持する働きをするRAS(網様体賦活系)。脳に毎日送られる情報のうち、99.9999%は知らないうちに処理され消えていく。RASはこの仕分け場。RASは私たちが信じること、考えることだけに注意を集中し、信じると決めた道へ向かうための情報だけを集めて、それ以外の情報は排除する。本書は、このRASの働きを知って脳をうまく育て、思い通りの人生を作っていこうという内容です。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯どこへ行っても自分と同じ車を見かけるのは、RASがそう仕向けるから
・RASはあなたが喜ぶか打ちひしがれるかは気にしない。ただあなたの頭の中を占めている考え方や信念に沿って、それに合う情報だけを外部から見つけ出してくる。
・何か望まないもののことばかりを考え続けていると、その望まないものにあなたの意識が向くように、RASをプログラミングしてしまうことになる。
・RASという天然のフィルターは、あなたが考えることや関心を向けていることを、だんだんと潜在意識に染み込ませていく。そして、潜在意識に染み込んだことを、そのうち再び目の前に出現させる。
◯自分の望みをはっきりさせる
・どうすれば達成できるのかを考え出すと、人は萎縮してしまう。
・考えなければいけないのは、何をしたいかである。どうすれば達成できるのかは、RASに任せておけば、そのうち自然にわかる。
・目標をイメージできる絵や写真、文章、イラストを集めよう。それを1冊のノートに貼り付けたり、書き写したりして、毎日それを眺めるようにしよう。
・何をしたいのか、何が欲しいのか、何になりたいのかがはっきりわかると、RASはそのための方法を探し始める。目標を心に決めると、それに関係する情報が次々に目や耳に入り、詳しいことを知ることができるようになる。実に単純な方法だ。
◯明確な目標を定める
・やる気に火をつけるには、目標をはっきりと具体的な言葉で書く必要がある。具体的というのは、いつまでに(年月日、時刻)、どれくらいの規模で(量・金額)達成するか、どんな形・色・寸法のものを手に入れるかなど、達成した結果得られるものが書かれていることを意味する。
・目標を細かいところまでくっきりと書き出せば、今の自分がどんな状況にいるのか、これからどの方向を目指したいと思っているのかがわかる。するとRASにスイッチが入り、やる気が湧き起こる。
・RASは目に見えるものしかイメージできない。何かがそこにある状況しか思い描けない。「◯◯」しないと宣言するのは、視覚化できないものをイメージしろとRASに頼むようなもの。RASにはそれができない。目標を肯定的に書くと、脳にイメージが湧いてやる気が起こるが、否定する言い方で書くと、イメージが全く湧かないので、やる気も起こらない。
・脳は、その人が物理的・精神的に達成できることしかイメージできない。これは、スポーツ界では数十年前からの常識である。ある目標に達成する場面をイメージできるなら、体はその目標を達成できる。
◯期限を決めて計画を立てる
・期限に間に合わせようと突き進む力を人に発揮させるのはRAS。期限を決めると、人は前進しない訳にはいかない。期限までに目標を達成できるように、一生懸命に働くようになる。期限が近づくと、結果を出すために集中して取り組むようになる。期限があれば、人はゴールに到達するまでコツコツ前進し続ける。
◯自分の人生に責任を取る
・不満を言うと、その不満に思っているものに意識が集中する。するとRASは、あなたが今、不満を感じながら手にしているものと同じようなものを、もっと探そうとする。不満を言うと、脳の働きがどんどんネガティブになるので、RASが呼び寄せる状況も、これまでと同じように不満だらけの状況になる。
◯目標を視覚化する
・RASはあなたがいつもなら気づかなかったようなもの、「周囲の雑音」として聞き落としていたような情報を探し出してくれる仕組みである。RASはあなたが語りかけた通りに働いてくれる。だから、目標を「視覚化」するのはとても大切。
・脳は「言葉」ではなく、「絵」を描いて考えている。目標を紙に書き、輪郭をはっきりさせる必要があるのはそのため。
◯アファメーションの威力
・アファメーションとは、自分が達成しようとしていること、これからやろうとしていることを常に繰り返し自分に言い聞かせること。
・アファメーションが素晴らしいのは、自分の心に浸透させる内容を100%自分で選べる点。全て自分の意思で選べる。ネガティブな考え方をする人がろくでもない結果ばかり手にするのは、ネガティブな言葉を自分に言い聞かせているから。彼らはアファメーションとまったく同じプロセスを踏んで、ネガティブな現実を実現させている。
◯新しい習慣を身につける
・考え方の習慣を改めるには、新しく身につけたい考え方を紙に書き、視覚化とアファメーションを使ってそれをRASに吹き込めば、一生消えない習慣になる。
◯数のゲームを楽しむ
・80:20は大切なことを教えてくれる。大事な20%に集中しよう。1日の仕事を振り返る時は、常に「80:20の法則」を頭に置いて、その日に成し遂げた仕事のうち本当に大事なのは、わずか20%だということを考えると良い。
・もし、自分の時間の80%を好きでもないことに使っているなら、そんなことはやめよう。
もう一回読み直して、コーチング&コンサルのプログラムに落とし込みたい!って思える要素が満載です。これは、年末年始の課題本になりそうな予感。やっぱり脳科学の分野は掘り下げて勉強する価値がありそう。コーチング10年計画の柱になりそうです。