MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

思考は現実化する(上)(ナポレオン・ヒル)

『思考は現実化する(上)』(ナポレオン・ヒル)<2回目>(◯)

 1937年刊行の名著です。友人が読んでいると聞いて、私も再読してみました。自己啓発書としては、この本が起点になっている本が多いと思います。人間は、自分自身の習慣や環境を作り出すことができる。人間は、自分で自分の運命を決定することができる。将来を自分で築き上げる脳力、目標を自分で選ぶ脳力が人間にはある。そう!どのように思考するか、そして行動するかという、物事を実現する上でシンプルで大切なことにフォーカスした一冊です。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯成功の原則

①明確な目標を持つ
②プラスアルファの努力
③調和の精神
④信念の現実化
⑤自己規律
⑥自然の法則

 

◯「成功」の定義

・成功とは、他人の権利を尊重し、社会正義に反することなく、自ら価値ありと認めた目標(願望)を黄金律に従って、一つひとつ実現いていく過程である。

・黄金律とは、「自分がしてほしいと思うことは、何よりもまず他人にそうしてあげることだ」

 

◯成功のための基本的な考え方

・燃えるような目標や願望があれば、自分の人生を切り開くことができる。

・目標や願望に向かって正しく努力すれば、その分だけ成功は近づいてくるのに、あと一歩のところで諦めてしまう人が多い。

・目標や願望を持つことが全ての達成の第一歩である。

・信念を持って執着すれば、不可能を可能にすることができる。

・心で考え、できると信じたことは実現できる。

 

◯(第1ステップ)願望の設定は、あらゆるものの達成の出発点

・願望や目標が完全に心をとらえたらもう迷うことはない。 

・願望実現の6カ条

①実現したいと思う願望を「はっきり」させること
②実現したいと望むものを得るために何を”差し出す”のか決めること
③願望を取得する「最終期限」決めること
④願望実現のための詳細な計画を立てること
⑤具体的願望、そのための代償、最終期限、詳細な計画を詳しく書くこと
⑥紙に書いた宣言を、1日2回、起床直後と就寝直前になるべく大きな声で読むこと

・自分の欲しいものを本当に手に入れることができるのだと自分自身で確信するようにならない限り、莫大な富を手に入れることは、到底できない。

・願望や目標は、一時的敗北を成功のステップに変える。

・自分で認めない限り「限界」などというものはない。

 

◯(第2ステップ)信念は、願望実現のための原動力である

・「感情と結びついた思考は、似たような思考を引き寄せる磁石となる」

・自信を育む公式

①明確な願望・目標を達成できるだけの脳力を持っている。従ってどんなことがあっても忍耐強くそれを追求していく。
②毎日30分、私がこのようになりたいと思う自分の姿を心の中で鮮明にし具体的に想像する。
③毎日10分間、リラックスして自信を養うための深層自己説得を行う。
④願望・目標を紙に書き出した。それを達成するため、どのようなことがあっても決してあきらめないことを誓う。
⑤いかなる富も地位も、それが真実と信義に基づくものでなければ、長続きしない。
⑥人々の協力により成功を勝ち取ることができることを知っている。だから、私は、まず人々に対して奉仕することを私の使命とする。
⑦思いやりと誠実な心で人々に接する。私は、自分を愛するのと同じように他人を愛する。

・信念なくして成功はない。

・得る前に与えよ。

 

◯(第3ステップ)深層自己説得を活用する

・書き出した願望を読むとき、感情を込めて読む。それを繰り返し行うことにより、願望に信念という力が加わる。

・信念を生むための秘訣の一つは、「その通りやってみれば良い」ということ。

・深層自己説得の力を効果的に発揮させる方法

①静かな場所で目を閉じて、あなたが貯めたいと思っている金額と、いつまでに貯めるのかについて書いたものを読み上げる。

②あなたが貯めようとする金額が目に見えてくるまで、毎朝・毎晩繰り返す。

③その宣言文はよく見える場所に貼っておく。夜寝る前に読み、朝起きたらすぐ読む。

・逆境は、常にそれ以上の利益の種子を秘めている。

 

◯(第4ステップ)個人経験と観察力を高める

 ・知識は、明確な願望や目標を達成するために活用してこそ役に立つ。

・教育は、経験と人々との交流から生まれるもの。

・5つの知識源

①自分の体験や自分の受けた教育
マスターマインド、つまり身近にいる協力者の体験など
③大学の公開講座
④図書館(本は文明の最大の利器として活用すべき)
⑤特別講座(夜間講座とか通信講座)

・品物ではなく、サービスやアイデアを高く売ることもできる。

・知識は豊かさへと続く道であるが、その道を進む決心がなければ豊かにはなれない。

 

◯(第5ステップ)脳の中に浮かぶ森羅万象の世界を活用せよ

・人には改良的想像力と独創的想像力がある。

・想像力は成功の触媒であり、失敗の中には見られない。

・明確な目標金額が想像力に裏打ちされれば、お金はいくらでも集まってくるもの。

・新しいアイデアではなく、従来のアイデアの組み合わせだけで何百万ドルも手に入れることさえある。

 

◯(第6ステップ)体系的な行動計画を立てる

 ・一時的な敗北なしで成功する人はいない。失敗とは、あなたの計画が完全なものでなかったということ。そこで次の計画を立てて、もう一度スタートすればいい。「落伍者に勝利はない。勝利者は決して途中で諦めない」。

・実践的な計画作りに必要な4原則

①必要な人材をできるだけ多く集め、グループを形成する(マスターマインド)。

②その人たちにどのような支払いができるのかを決めておく。

③少なくとも週に2回以上は会うように決めておく。

④あなた自身とマスターマインドの一人ひとりと完全な和を保つようにする。

・リーダーになるための11の重要条件

①ゆるぎない勇気を持っている
②セルフコントロールの脳力を持っている
③強い正義感を持っている
④強固な決断力を持っている
⑤計画性を持っている
⑥報酬以上の仕事をする習慣を持っている
⑦明るい性格を持っている
⑧思いやりと理解を持っている
⑨詳細を承知している
⑩責任感を持っている
⑪協調性がある

・リーダーが失敗する10大原因

①精密な思考に欠ける
②つまらない仕事をしたくないという気持ちを持つ
③行動よりも知識を大切にしすぎる
④部下の挑戦を恐れる
⑤想像力が欠如している
⑥利己主義者
⑦過激な性格
⑧不誠実
⑨特権の乱用
⑩地位の誇示

 

◯(第7ステップ)速やかに決断せよ

・多くの人が失敗してしまったのは、善人ではあるが無知な人たちによって自信を喪失させられたから。

・「やりたいことは、まず行動によって示せ」

・決断力の喪失が失敗の最大の要因。

・決断力は強大な力を発揮する。成功者は例外なく素早い決断力の持ち主。

・決断を妨げる17の要因

①感情の喪失
②無関心
③問題解決のために優先順位をつけるということに関してその価値を知らない
④低い自尊心
⑤絶望と憂鬱
⑥現実を極端に離れて肥大化させた「理想的自己像(セルフイメージ)」
⑦自己否定、不適切な「他人への依存」、人に好かれたいと思う強迫観念
⑧尊敬されたいと思い、見栄を張ること
⑨完全主義、理想主義
⑩さらにより良いものが現れるという確信
⑪自分の想像の中で育てられたものに、とらわれること
⑫「もし失敗したら」と考えみじめになることを恐れること
⑬自分に対して過剰な要求をすること
⑭何を選択したら良いかわからないこと
⑮時間がない、という幻想にとらわれること
⑯判断力が低下していること
⑰精神統一ができないこと

 

 下巻に続く・・・。上巻でこれだけ盛りだくさん。線だらけになり、飽きが来ません。大作です。

f:id:mbabooks:20190211210025j:plain