天才!成功する人々の法則(マルコム・グラッドウェル)
『天才!成功する人々の法則』(マルコム・グラッドウェル)(◯)
本書は、並外れた成功を収めた人々を紹介しながら、技術を持つ、才能に恵まれた、何かに打ち込んだなどの非凡な人々の人生に注目し、努力と個人的資質が全てを決めるという、これまでの「成功」に対する理解が誤りであることを明らかにしていく一冊。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯マタイ効果
・生年月日とクラスの区切りかた。12ヶ月の差が体の発達に大きな違いを生む。
・アイスホッケーの場合、代表チームオールスターのメンバーを9〜10歳で選び始める。代表メンバーに選ばれれば、より良い指導が受けられ、より強いチームメイトに恵まれ、1シーズンに50〜75試合も戦う。居残り組が20試合にとどまるのに比べて、2〜3倍の実践を積む。
・偏りの3条件
①「選別」
早い時期に優れているかそうでないかを決める。
②「能力別クラス編成」
”才能のある者”と”才能のない者”に分ける。
③「特別な体験」
”才能のある者”により室の高い体験を与える。すると、年齢を区切る期日のすぐ後に生まれた少数のグループに大きな優位点が与えられることになる。
・私たちは成功を個人の才能と深く結びつけて考えるあまり、成功者をトップに押し上げた好機の存在を見逃している。私たちのつくるルールが成功の邪魔をし、あまりにも早い段階で一部の人を失敗者とみなしてしまう。成功者を崇め、失敗者を見下す。そして何より、私たちは、消極的になっている。成功者とそうでない者を決めるにあたり、私たち、つまり社会が非常に大きな影響を及ぼしているという事実を、みんな見落としているのだ。
◯1万時間の法則
・世界レベルの技術に達するにはどんな分野でも、1万時間の練習が必要。
・10年とは何か?1万時間に及ぶ厳しい練習をこなすために、だいたい必要な年数だ。1万時間とは成功へのマジックナンバーである。
◯「数字に強い」は言語で決まる?
・「四、八、五、三、九、七、六」。大きな声で呼んで、ページを伏せ、順番通りに覚えて20秒後にもう一度声に出して言ってみよう。
・母国語が英語であれば、順番通りに覚えていられる確率は約50%。中国人ならばほぼ100%。なぜだろう?それは、人間が約2秒間に収まる数字を脳内の記憶ループに収納するから。中国語を話す者は、「四、八、五、三、九、七、六」をおそらく何度でも思い出せる。英語と違って、七つの数字を連続して2秒間で言えるからだ。
・この違いによって、アジアの子供はアメリカの子供よりも早く数字を覚える。中国人の4歳の子供は、平均して40まで数えられる。対するアメリカの4歳の子供は、平均して15まで。5歳を待たなければ、たいてい40まで数えられない。
・欧米の子供が小学3〜4年生で数字嫌いになる話はよく聞く。数字の言語的な構造が不出来であり、基本的な規則が不明瞭かつ不規則である。
・アジア人は数字に関して、最初から優位点を与えられている。
◯訳者:勝間和代さんによる解説
・この本を読むと「生まれながらの天才などいない」ということが理解できるが、逆にそうであるからこそ、グラッドウェルがまとめた、”天才になる法則”を活用していけば、私たち自身も天才になれるのではないかという期待と、そして未来が見えてくる本でもある。
・「天才は、本人の才能だけではなく、才能を開花させるに至った経緯が最も重要である」
・作曲にしても、スポーツにしても、小説にしても、結局技術が必要なものについての最低限の練習量は「1万時間」なのである。モーツアルトやザ・ビートルズのように「天才」と思われていた人々も、1万時間のトレーニングや本番での演奏をできるだけの機会が与えられていたことをグラッドウェルは論じている。
・「長時間にわたってトレーニングを積める機会」こそが「並外れた好機」なのであり、いまの日本の問題は、この並外れた好機を受けられるチャンスが、若年層になればなるほど失われていることなのである。
「1万時間の法則」は以前から意識していましたが、私の場合、少し時間を細かくして、例えば自己成長なら「1日2時間の法則」(毎日2時間以上、自己成長に充てましょう)という法則を設け、かれこれ20年以上取り組んでいます。この長期的視点があると、「習慣化」「継続」ということがキーワードにならざるを得ず、「毎日の質を高める」という考え方も関連ワードになっています。真似ができない世界でもあるし、あとで取り戻せない時間でもあるので、その時々の自分の選択が大事⇨「今ココ」感覚という流れがあります。
- 作者: マルコム・グラッドウェル,勝間和代
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/05/13
- メディア: ハードカバー
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