富を「引き寄せる」科学的法則（ウォレス・ワトルズ）

『富を「引き寄せる」科学的法則』（ウォレス・ワトルズ）

　著者は1860年生まれ。本書は1919年に発行され、引き寄せ本のベストセラー「ザ・シークレット」の著者であるロンダ・バーンも影響を受けたという100年以上読み継がれている引き寄せ本の源流本です。理論の説明ではなく、実用的な「手引書」に徹し、お金持ちになりたい、理論は後から学べばいいという方向けの一冊。

（印象に残ったところ・・本書より）

◯お金持ちになるための科学

・お金や資産を所有するということは、ある「確実な方法」に従って行動する結果として得られる。この「確実な方法」に従って、行動していない人は、どんなに一生懸命に働こうと、どんなに有能であろうと、お金に恵まれることはない。同じ原因は常に同じ結果を生む、というのは、自然の法則。

・場所にはいくらかの意味がある。お金持ちになるためには人と付き合っていく必要があるが、付き合う人がいる場所にいなければならない。しかし、環境が意味を持つのはそのくらいのところ。

・「あなたが一番好きなことを仕事にすると一番うまくいく」ということは本当。あなたに特別な才能があるときは、その才能を生かせる仕事に就けば一番うまくいく。

◯お金持ちになるための基本原則

・形のない物質から目に見える富を作り出すことの唯一の力が思考。万物の源は思考する無形の物質。

・「思考する物質」の中で思い描かれた形は、ほとんど必ず、定められた成長と活動の法則に従って、現実の形へと創造される。

・人間という存在は思考の中心であり、人は物を考え出すことができる。人間の手で作り出される形はみな、最初は必ず人間の頭の中で考えられている。その形や物を思いつかなければ、私たちはそれを形作ることはできない。

◯まとめ

①この世に存在する全てのものを作っている「思考する物質」がある。この「思考する物質」は、その原始の状態において、宇宙空間のすみずみにまで広がり、浸透し、宇宙全体に充満している。

②この「思考する物質」（宇宙）の中に生まれる思考は、思い描いた通りのものを作り出す。

③人はさまざまなものを考え、それを宇宙へと発信することによってそれを形あるものとして生み出すことができる。

④そうするためには、競争をやめて、創造的な思考を用いるようにしなければならない。そうしなければ、競争心とは無縁の、常に創意に満ちた宇宙と力をあわせることはできない。

⑤宇宙と完全に一体となるためには、その恩恵に常に深い感謝の気持ちを持つことが必要。感謝は人の心と「思考する物質」の心を一つにし、それによって個人の思考を宇宙は受け取る。常に深い感謝の気持ちを持ち続けて宇宙の叡智と一体化することによって、人は創造性の領域にとどまることができる。

⑥私たちは、自分が手に入れたいもの、したいこと、なりたいものの正確で明確なイメージを描かなければならない。そのイメージをずっと持ち続けるとともに、神がその希望を叶えてくれることに対して、深い感謝の気持ちを持ち続けることが必要。豊かになりたいと望む人は、この希望がすでに叶えられつつあることに心から感謝しましょう。揺るぎない確信と心の底からの感謝の気持ちを持ちながら、常に心の中のイメージについて深く考えることが何よりも重要。それによって、イメージが宇宙に発信され、想像力が働き始める。

⑦創造的なエネルギーはすでに存在している自然の成長の経路や、産業や社会秩序などの経路を通って働く。あなたがイメージしたことは全て、本書に書かれている「確実な方法」に従えば、あなたの元にやって来る。望んだものは既存の流通経路を通って、あなたにもたらされる。

⑧自分の望むものがやってきたときに、それを受け取るためには行動が必要。

・第一に今の仕事に全力を尽くして、今の仕事に収まりきらなくなる必要がある。

・第二に、思い描いたイメージを実現して豊かになるという決意を持ち続けなければならない。

・第三に、毎日その日のうちにできることは全て行いましょう。

・第四に、一つひとつの行動を完全に成功させるようにする。

・第五に、自分が受け取れる代金よりも大きな使用価値を全ての人に与えるようにし、あなたと取引をする人の人生が豊かになるようにしましょう。

・第六に、常に前向きん姿勢を持ち、それがあなたと接する人々にも必ず伝わるようにしましょう。

⑨ここまでに示した教えを実行すれば、誰でも豊かになる。そしてあなたの受け取る豊かさは、イメージの正確さ、決意の硬さ、信仰の強さ、感謝の深さに正確に比例するでしょう。

　「まとめ」のところでは、大くくりに書いてあるので、わかりずらいかもしれませんが、各章の中で詳しく記載されています。スピリチュアルな面が強い印象はあり、私の苦手な分野ではありますが、方法論は具体的に書かれているので、読んでいて「怪しい」感じではなく、むしろ現実的な感じがしました。読み直して、体系化するとおもしろそうです。