MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

完訳 7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー)<その2><第1の習慣>

『完訳 7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)<その2>(◯)<第1の習慣>

 良書の中でも内容の濃い1冊なので数回に分けてお届けします。今回は第2回。ようやく1つ目の習慣に入ります。第1〜第3の習慣は「私的成功」と呼ばれ、依存から自立への移行を目指します。まずは、ここからです。

①第1の習慣:主体的である

②第2の習慣:終わりを思い描くことから始める

③第3の習慣:最優先事項を優先する

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯第1の習慣「主体的である」

①人間だけが持つ能力「自覚」。

 自覚があれば、人は自分の経験だけでなく他者の経験からも学ぶことができる。そして、習慣を身につけるのも、断ち切るのも、自覚という能力のなせる技。「自覚」によって、人間は自分自身を見つめることができる。自分をどうみているか、自分に対する見方、いわば「セルフ・パラダイム」は、人が効果的に生きるための基礎となるパラダイム。セルフ・パラダイムは、人の基本的な性質を表す地図となる。

②「刺激と反応の間には選択の自由がある」

 選択の自由の中にこそ人間だけが授かり、人間を人間たらしめる4つの能力(自覚・想像・良心・意志)がある。

・自覚:自分自身を客観的に見つめる能力

・想像:現実を超えた状況を頭の中に生み出す能力

・良心:心の奥底で善悪を区別し、自分の行動を導く原則を意識し、自分の考えと行動がその原則と一致しているかどうかを判断する能力

・意志:他の様々な影響に縛られずに、自覚に基づいて行動する能力

③主体性の定義

・主体性とは、自発的に率先して行動すること。人間として、自分の人生の責任を引き受けることも意味する。

・主体的な人は自分の中に自分の天気を持っている。雨が降ろうが日が照ろうが関係ない。自分の価値観に基づいて行動している。

・深く正直に「今日の私があるのは、過去の選択の結果だ」と言えなければ、「私は他の道を選択する」ということはできない。

・ヴィクトール・フランクの「人生の3つの中心となる価値観」

1)経験:自分の身に起こること

2)創造:自分で創り出すものの価値

3)姿勢:過酷な現実に直面した時の反応の仕方

パラダイムの再構築において一番大切なのは、「姿勢」。人生で体験することにどう反応するかが最も大切。

④自分から動くのか、動かされるのか

・主体性という筋肉が他の6つの習慣の土台となることがわかるはず。どの習慣でも、行動を起こすのはあなたの責任。周りが動くのを待っていたら、あなたは周りから動かされるだけの人間になってしまう。自ら責任を引き受けて行動するか、それとも周りから動かされるのか、どちらの道を選ぶかによって、成長や成功の機会も大きく変わる。責任とは、反応をを選べる能力。

⑤言葉に耳を傾ける

・反応的な人の言葉は自分の責任を否定している。彼らの言葉の裏にあるのは、責任転嫁である。反応的な言葉の厄介なところは、それが自己達成予言になってしまうこと。自分はこういう人間だという思い込みを強くし、その思い込みを裏付ける証拠を自分で作り上げてしまう。

⑥関心の輪/影響の輪

・自分の時間とエネルギーを何にかけているかに目を向けてみる。

・主体的な人は、影響の輪の領域に労力をかけている。影響の輪を押し広げていくポジティブな作用がある。一方、反応的な人が老欲をかけるのは影響の輪の外である。

・関心の輪の中にとどまっている限り、私たちはその中にある物事に支配される。

・主体的な人の影響の輪は、どんなに広がっても関心の輪より大きくなることはない。

⑦私たちが直面する問題

1)直接的にコントロールできる問題(自分の行動に関わる問題)

2)間接的にコントロールできる問題(他者の行動に関わる問題)

3)コントロールできない問題(過去の出来事や動かせない現実)

⑧「持つ」と「ある」

・自分の意識が関心の輪に向いているのか、影響の輪に向いているのかを判断するには、自分の考え方が「持つ」と「ある」のどちらなのかを考えてみればいい。関心の輪は、持つという所有の概念で溢れている。

・影響の輪にフォーカスすることは、人格を磨くことに他ならない。問題は自分の外になると考えるならば、その考えこそが問題である。変化のパラダイムは「アウトサイドイン(外から内へ)」になる。

・主体的な人の変化のパラダイムは、「インサイドアウト(内から外へ)」。

・状況を改善する最も効果的な手段は、自分が「ある」ことに働きかけること。

⑨決意を守る

・影響の輪の最も中心にあるのは、決意し、約束をしてそれを守る能力。自分自身や他者に約束をし、その約束に対して誠実な態度をとることが、主体性の本質であり、成長の本質。

・自覚と良心という能力を使えば、自分の弱点、改善すべき点、伸ばすことのできる才能、変えるべき行動、やめなければならないことを意識することができる。

・自分の人生の主導権を握る2つの方法

1)何かを約束して、それを守ること

2)目標を立て、それを達成するために努力すること

 

 やはり、第1の習慣だけで2,000文字くらいきました。主体性がなければ何事も始まらない。まずは、自分ごとで考え、行動すること。全ての土台になる主体性についてまとめられている第1章でした。

7つの習慣特装版「ウィークリー・チャレンシ?」付属

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