完訳 7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー)<その4><第3の習慣>
『完訳 7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)(◯)<その4><第3の習慣>
深い良書なので、分割してまとめています。さて、今日は第3の習慣「最優先事項を優先する」です。「重要」×「緊急」のあの有名なマトリックスの話です。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯第3の習慣に取り組むにあたっての質問
①現在はしていないが、もし日頃から行っていれば、あなたの私生活に大きくポジティブな結果をもたらすと思うことを1つ挙げるとしたら、それはなんだろうか?
②同様に、あなたの仕事や専門分野で、ポジティブな結果をもたらすと思うことを一つ挙げるとしたら、それはなんだろうか?
◯第3の習慣
・第3の習慣は、第1の習慣と第2の習慣で身につけたことを実践し、個人的な成果を得る習慣。
①第1の習慣(あなたがプログラマーである)
人間だけに与えられた4つの能力(想像、良心、意志、自覚)に従って、「あなたは自分の人生の創造主である。あなたには責任がある」ということ。
②第2の習慣(あなたがプログラムを書く)
第1の創造、すなわち知的創造を行う習慣。
③第3の習慣(あなたがプログラムを実行する。プログラムどおりに生きる)
第二の創造、すなわち知的創造で思い描いたビジョンを形あるものにする物的創造の習慣。
・マネジメントとは、左脳にある効果的な自己管理の側面を使い、作業を細かい部分に分け、分析し、順序立て、具体的に応用し、時系列で物事を取り扱っていく。右脳でリーダーシップ、左脳でマネジメント。
◯意志の力
・セルフ・マネジメントに真の効果をもたらすには、人間だけに授けられた4つの能力の4番目、意志を活用すること。
・効果的なマネジメントとは、最優先事項を優先すること。リーダーシップの仕事は「優先すべきこと」は何かを決めておくことであり、マネジメントとは、その大切にすべきことを日々の生活の中で優先して行えるようにすること。
◯時間管理時代の4つの世代
①メモやチェックリスト
②予定表やカレンダー
③「優先順位づけ」と「価値観の明確化」
④モノや時間には重点を置かない。人間関係を維持し、強くしながら結果を出すこと
・時間管理の本質を一言で言うなら「優先順位をつけ、それを実行する」に尽きる。
◯第II領域
①緊急×重要(第I領域)
・危機への対応、差し迫った問題、期限のある仕事
②緊急でない×重要(第II領域)
・予防、PC(成果を生み出す能力)を高める活動、人間関係づくり、新しい機会を見つけること、準備や計画、心身をリラックスさせること
③緊急×重要でない(第III領域)
・飛び込みの用事、多くの電話、多くのメールや報告書、多くの会議、無意味な接待や付き合い、期限のある催し物
④緊急でない×重要でない(第IV領域)
・取るに足らない仕事、雑用、多くのメール、多くの電話、暇つぶし、快楽だけを追求する遊び
◯重要×緊急のマトリックス
・活動を決める要因は、緊急度と重要度。
・緊急の用事は、たいていは目に見える。緊急の用事はほとんどは重要な用事ではない。重要度は結果に関係する。
・緊急の用事には受動的に反応する。だが、緊急ではないが重要なことをするには、率先力と主体性が要る。第2の習慣が身についておらず、何が重要なのか、人生において追求する結果をはっきりと思い描けていない人は、緊急の用事ばかりに簡単に反応し、人生の目的からそれていってしまう。
・第I領域ばかりを意識して要ると、第I領域だけがどんどん大きくなり、やがてあなたを支配してしまう。唯一逃げ込める場所は、緊急でも重要でもない第IV領域。時間の90%が第I領域に費やされ、残りの10%は第IV領域に入ってしまう。第II領域と第III領域はほとんど見向きもされない。
・第III領域を緊急だから重要なのだと思い込む。それらの用事は自分にとって緊急なのではなく、ほとんどは他者の仕事の優先順位からきている。
◯「ノー」と言うためには
・第II領域に使える時間を作るには、第III領域と第IV領域の時間を削るしかない。第II領域の重要な最優先事項に「イエス」と言うためには、他の用事がいくら緊急に見えても「ノー」ということを学ばなければならない。
・自分の時間と人生を効果的にマネジメントする方法は、バランスよく優先順位をつけ、それを実行すること。
・「次の3つのうち、あなたの一番の弱点はどれだろう?①優先順位を決められない、②優先順位に従って計画を立てられない、または計画しようという意欲がない、③計画に従って行動するように自分を律することができない」。ほとんどの人は、③だと答える。よく考えてみれば、そうではない。根本的な問題は、彼らの言っている「優先順位」が頭と心に深く根付いていないことだ。要するに、第2の習慣がしっかり身についていないのである。
◯第II領域ツール
・第II領域の時間管理は、人生を効果的に生きることを目的としている。正しい原則の中心に従い個人的なミッションを認識し、緊急の用事をだけでなく、自分にとって重要なことにも目を向けて生活し、P(成果)とPC(成果を生み出す能力)のバランスをとりながら、PとPCの両方を高めていくこと。
・第II領域活動のための時間管理ツールは、次の6つの基準を満たしていなければならない。
①一貫性(自分のミッション・ステートメントとの一貫性)
②バランス(様々な役割、健康、家族、仕事、自己啓発など)
③第II領域へのフォーカス(1週間単位での計画。スケジュールに優先順位をつけるのではなく、優先すべきことをスケジュールにする)
④人間関係重視(原則中心の生き方をしている人は、人間関係を効果の観点から捉える)
⑤柔軟性(あなたがツールを使うのであって、ツールに使われてはいけない)
⑥携帯性(ツールは持ち運びできるものにする)
・第II領域は、効果的なセルフ・マネジメントの鍵を握っている。
◯第II領域をセルフ・マネジメントする
①役割を明確にする(あなたの重要な役割を紙に書いてみる)
②目標設定(それぞれの役割について、これからの1週間で達成したい重要な成果を1つか2つ考え、それを目標として書き込む)
③スケジューリング(必要な時間を1週間のスケジュールに組み込んで行く)
④1日単位の調整
◯デリケーション:PとPCを考える
・自分の時間を使うときには効率性を考え、人に任せる時は効果性を考える。
・全面的なデリケーションを行うには、次の5つを明確にし、何が期待されているのかをお互いに理解し、納得しなければならない。
①望む結果
②ガイドライン(守るべき基準やルール)
③リソース
④アカウンタビリティ(成果を評価する基準)
⑤評価の結果
◯第II領域のパラダイム
・マネジメントの能力はあなたの中に育つもの。第II領域のパラダイムを理解し、自分の内面に根付かせれば、緊急度ではなく、重要度のレンズを通して物事を見られるようになる。それがマネジメントの鍵。興味ふかいことに「7つの習慣」はどれも第II領域に入る。
いつもどうすれば上手く対処できるのかと迷う、第II領域と呼ばれる「緊急でない×需要」領域。第I領域に、第I領域ではなく第III領域が含まれていることに気づくところから始まり、それを「ノー」と言えることによって、第II領域にフォーカスしていくということ。そして、その第II領域を1週間〜1日単位でコントロールしていくこと。ここは、セルフ・マネジメントの重要ポイントですね。