完訳 7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー)<その7><第6の習慣>
『完訳 7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)(◯)<その7><第6の習慣>
深い良書なので、分割してまとめています。
大きな枠組みとしては、第1〜第3の習慣は「依存⇨自立への変革(私的成功)」、「第4の習慣化から第6の習慣化は、自立⇨相互依存への変革(公的成功)」、そして第7の習慣化「再新再生」です。
さて、第6の習慣は、「シナジーを創り出す」です。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯シナジー
・シナジーは、あらゆる人の人生において最も崇高な活動であり、他の全ての習慣を実践しているかどうかの真価を問うものであり、またその目的である。
・どんな困難な試練に直面しても、人間だけに授けられた4つの能力(自覚・想像・良心・意志)、Win-WInの精神、共感の傾聴スキル、これらを総動員すれば、最高のシナジーを創り出すことができる。
・シナジーとは、簡単に言えば、全体の合計は個々の部分の総和よりも大きくなるということ。
◯シナジーの本質
・本当の意味での一致というのは、補い合って一つにまとまることであって、同一になることではない。同一になるということは、クリエイティブではないし、つまらないものである。自分と他社の違いに価値を置くことがシナジーの本質である。
・シナジーに関して一つの確信を持つに至っている。それは、人間関係からシナジーを創り出すには、まず自分の中でシナジーを創り出さなければならないということ。そして、自分の内面でシナジーを起こすには、第1、第2、第3の習慣が身についていなければならない。
・原則中心の生き方によって得られる現実的な成果の一つは、過不足なく統合された個人になれること。
・直感的、創造的、視覚的な右脳、論理的、言語的な左脳、。この両方を使いこなせれば、脳全体をフルに働かせることができる。つまり、自分の頭の中で心理的なシナジーを作り出せるのだ。そして、左脳と右脳の両方を使うことが、現実の人間に最も適したやり方なのである。人生は論理だけで成り立つものではない。半分は感情によって成り立っているのだ。
◯違いを尊重する
・違いを尊重することがシナジーの本質である。
・本当の意味で効果的な人生を生きられる人は、自分のものの見方には限界があることを認められる謙虚さを持ち、心と知性の交流によって得られる豊かな資質を大切にする。そういう人が個々人の違いを尊重できるのは、自分とは違うものを持つ他者と接することで、自分の知識が深まり、現実をもっと正確に理解できるようになるとわかっているからなのである。
・2人の人間が違う意見を主張し、2人とも正しいということはありうるだろうか。論理的には、あり得ないが、心理的にはありえる。そしてそれは、現実にはよくあることなのである。
・お互いのものの見方の違いを尊重しなければ、また、お互いを尊重し合い、どちらの見方も正しいのかもしれないと思わせなければ、自分の条件付けの中にずっととどまることになる。人生は「あれかこれか」の二者択一で決められるわけではない。必ず第3の案があるはずだと思えない限り、自分だけの解釈の限界を超えることはできない。
◯力の場の分析
・「力の場の分析」モデル(クルト・レヴィン)によると、現在の能力や状態は、上向きの推進力とそれを妨げようとする抑止力とが釣り合ったレベルを表している。
・推進力を高めるだけでは足りない。あなたの努力を抑え込もうとする抑止力があるからだ。
・ここで諦めずにシナジーを創り出す。Win-Winを考える動機(第4の習慣)、まず相手を理解することに徹し、それから自分を理解してもらえるようにするためのスキル(第5の習慣)、他者と力を合わせてシナジーを創り出す相互作用(第6の習慣)、これらを総動員して抑止力に直接ぶつけるのだ。
◯自然界のすべてはシナジーである
・生態系という言葉は、基本的には自然界のシナジーを表している。すべてのものが他の全てのものと関係し合っている。この関係の中で、創造の力は最大化する。
・自分の考えと「間違った考え」の2つしか見えないときは、あなたの内面でシナジーを作り出して、第3の案を探すことができる。
「シナジー」とは実に聞こえのいい言葉ですね。一方、具体的にアウトプットするとなると実に難しい言葉でもあります。
著者が確信している、この言葉。
「人間関係からシナジーを創り出すには、まず自分の中でシナジーを創り出さなければならない。そして、自分の内面でシナジーを起こすには、第1、第2、第3の習慣が身についていなければならない。」
ということ。自分の中でシナジーを起こす、つまり新しい案を導き出すには、やはり基本となる第1〜第3がベースになっている。だから、「7つの習慣」は、第1から順に積み上げていくことが大切と言っているわけですね。第1〜第3まではなんだったっけ?という方も、とりあえず、第7の習慣まで読み切ってから、また戻りましょう。何度も何度も繰り返す。この「7つの習慣」にはそんなアプローチが必要だと思いました。