MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

バカと付き合うな(堀江貴文、西野亮廣)

『バカと付き合うな』(堀江貴文西野亮廣)(◯)

 まず、タイトルと著者で引いてしまう人は、もったいないです。確かに「バカ」という言葉は汚いので、嫌だなという気持ちを持ってしまいますが、どういう人たちを称して本書では「バカ」と言っているのか、そこがわかれば、「あぁ、こういうことが伝えたいのか」ということが見えてきます。いいバカと悪いバカがある。時代が変わる中で人も変わって適応していかないといけないので、いいバカになって人生(自分の時間)を楽しんでいきましょうという内容です。本書は堀江さんが多数執筆されている本の中でも、最も普遍的な内容とのことです。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯目的とアプローチがずれているバカ

・人が作ったレールに乗って成果を出しても、一番評価されるのは「レールを作った人」

・あなたは正しい場所で、正しい方向で努力しているか?もう一度確認しよう。

・レールから降りると決めたら、未練はきっぱり捨てる。

 

◯我慢を美徳にしたがるバカ

・「良薬口に苦し」だが、と言って「口に苦いものは良薬」なわけではない。

・食べたいものを食べよう。野菜が嫌いなら無理に食べるな。心身の最大の敵はストレス。

・我慢は百害あって一利なし。ストレスが溜まれば他人にも牙を剥く。

・我慢を解除すれば、自分の本当にやりたいことが見えてくる。

 

◯未熟なのに勘に頼るバカ

・場数の積み重ねだけが勘を磨く。たくさん挑戦して、たくさん失敗しよう。

・場数が少ないくせに「なんとなく」ブレーキを踏むな。

・前例が少ないから怖い?命まで取られないから大丈夫。

 

◯欲望する力を失っているバカ

・学校教育の座学中心主義に、あなたは去勢されていないか?

・座学というスタイルには、「行動するな」というメッセージが含まれている。

・「知識⇨行動」にあらず、「行動⇨知識」だ。目を覚ませ。

・今あなたにどんな知識が必要かは、行動した後に見えてくる。

 

◯「自分の常識」平気で振りかざすバカ

ロジカルシンキングを繰り返せば「勘」が備わる。瞬時にベストな選択ができるようになる。

・不安だからといって群れるな。群れたところで狭い常識に染まるだけ。

・不安を打ち消してくれるのは突き詰めて考えたロジック。ロジックこそ最大の支援者。

⇨常識をそれがどうして成り立っているかを考えずに受け入れていくことは、怖いことです。それはつまり、知らない誰かに代わりに考えてもらうことだから。その結果、その常識を否定されたときに、知らない誰かを勝手に代行して怒る。理解していないから、代弁はできないから感情的に怒る。

 

◯付き合いを強要するバカ

・「付き合え」といってくるやつに優秀なやつはいない。

・自分の興味がある人とだけ付き合えばいい。あとは好きなことをやる時間に回そう。

・不利なアウェイ戦には参加しなければいいだけのこと。

 

◯にわかを否定するバカ

・にわかを否定することは、そのカルチャーを否定すること

・否定されたカルチャーはやがて消えてしまう。誰も得をしない。

・専業主義者たちはにわかを否定したがる。でも、一人一業時代はとっくに終わっている。

・専業主義者たちに揶揄されるような活動をむしろやっていこう。自由と可能性はそこにある。

 

◯人生の配分ができないバカ

・人生の4分の3を学校と労働に明け渡す。それ長すぎないか?

・他者に時間の主導権を握られている限り、幸せはない。

・まず自分の時間を先に取って、あまりを社会に還元しよう。今はそれが容易な時代なのだ。

 

◯新しさばかり追求するバカ

・プロがアマチュアより優れているとは限らない。

・人の心を掴むのはプロの変化球ではなく、アマチュアのド直球。

・王道を行け。「新しさ」の誘惑に負けず、ひたすら王道を。それが真のプロフェッショナリズムだ。

 

◯無自覚に人の時間を奪うバカ

・時間を奪われることに鈍感な人間は、他人の時間を奪うことにも鈍感。特にサラリーマン。

・すぐに電話するな。電話は人の時間に割り込む、悪のツールだ。

・「三顧の礼」は反面教師にすべき言葉。諸葛孔明はバカ。

・無駄な手間暇をかけるバカと付き合うな。

 

◯善意ならなんでもありのバカ

・善意のバカは止めようがないから厄介

・善意には思考停止が潜みがち。どんな善でも大なり小なり独善的で、自己満足も入っている。

・それがちゃんと人のためになる独善なのかどうか、常に理性を働かせるべし。

 

◯マナーを重んじて消耗するバカ

・世にはびこる「マナー」や「習慣」の大半は無意味。その上みんなを消耗させる。

・仕事ができない人ほどメールが長い。マナーで着膨れしたメールを送りつけるな。

・最近、ツイッターで見かける「FF外から失礼します」って言葉。まさに意味なし。

・今もどこかのバカが不要なマナーを作っている。全部無視しよう。

 

◯自分は老害にならないと思っているバカ

・老いは平等に訪れる。「自分だけは」と意地を張っても無駄。その意地が老害につながる。

老害とは何かにしがみつくこと。だから若いうちに「譲りグセ」をつけておこう。

・僕は1年にひとつ、仕事を手放すことを自分に課している。

・アンチ老害化の振る舞いが結果として、あなたを活性化させる。

 

◯孤独を怖がるバカ

・仕事を嫌々やっているうちは上辺の人間関係しか作れない。もちろんあなたの助けにはならない。

・本当にやりたいことをやっていれば、自然とそれにふさわしい人間関係が広がっていく。

・人間関係なんて常に変わり続けるもの。孤独になろうがなるまいがきにするな。

 

◯バカを笑って自分は棚上げのバカ

・行動せずに他人を笑っているだけの人は、バカ以下。無である。

・行動すれば失敗もある。それでいい。

・行動せよ。そのことによって、存在せよ。

 

 自分の気持ちに素直に行動し続けるお二人だからこそ出来上がった本書。「バカバカ言うなーー」って思ったら、もうそれで刺激を受ける要素があると思います。とにかく行動、それも慣性で周りに流される行動ではなく、自分の時間を自分の意思を持って生きる行動を促す一冊でした。

バカとつき合うな

バカとつき合うな

 

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