動画2.0(明石ガクト)
『動画2.0』(明石ガクト)
本書は、ミレニアル世代をターゲットにした新しい動画表現を追求する、ONE MEDIAを創業した著者が、これからの動画コンテンツの世界について語った一冊。動画やInstagramに代表される「なんだか、最近メディアコンテンツの形が変わったぞ」という違和感の根本にある「ヴィジュアルストーリーテリング」。ヴィジュアル化する世界で新しいコンテンツやメディアを作っていこうというチャレンジャーたちに与える「武器」が書かれています。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯3つのウェーヴ
①ファースト・ウェーブ(2005〜2014)
・YouTube誕生〜ブーム
・確固たる目的があって動画を観に行く
②セカンド・ウェーブ(2015〜2017)
・Facebook動画対応〜早回し料理動画ブーム
・検索を介さないコンテンツとの偶然の出会いに動画が組み合わさった
③サード・ウェーブ(2018〜)
・Facebookアルゴリズム変更宣言〜IGTV、TikTokなど新しい動画プラットフォームブーム
・再生回数を稼ぐような動画ではなく「本物を残す」
◯スマートフォンがもたらしたもの
・スマホによって、映像の進化が画面が小さくなる方向に反転した。これによって何が変化したのかが鍵になる。本質は画面が小さくなったことではない。画面が小さくなったことによって「人と映像の間に何が起きたのか?」を考える必要がある。
・スマホはただ画面を小さくしただけじゃない。人間が映像コンテンツに触れる時いかんのセグメントを細かくしたことが、スマホがもたらした最も大きなインパクトだ。
・ランチが出てくるまでの5分、トイレに腰掛けている間の3分、電車を乗り換える間の1分。そんな細かい隙間時間の中で、コンテンツに触れる。テレビ番組のような大きい画面で時間をかけて観ることが前提のコンテンツは、隙間時間に楽しめない。
◯IPT(Infomation Per Time)
・YouTubeのファン、特に小さい頃から夢中になっている小学生や中学生は、テレビ番組を観ていると「かったるい」「CMまたぎで同じことを繰り返すのが嫌だ」「なんで最初から再生されないの?」というようなことを言うそうだ。これは時間に対する情報量が濃いものを若年層が求めていると言うことを示唆している。
・映像から動画への変革において、最も重要なポイントは「情報の凝縮」にある。YouTuberが生み出したジャンプカット。Tastemadeが生み出した早回し料理動画。いずれも、従来映像が持っていた時間軸を圧縮して、短い時間の中に多くの情報を詰め込むことで新しい視聴体験を生み出している。これがいわば、動画の本質を捉える鍵だ。
・動画=情報の凝縮がある映像コンテンツ
・映画なら2時間、テレビ番組なら30分以上、そういう心構えをして観ているものだ。一方、動画はあらゆる隙間時間に偶然出会うものだ。30分の中の1分ではない。1分半の中の1分だ。
◯世界観をヴィジュアライズする
・ポストYouTube以降、成功している映像や動画コンテンツには、共通点がある。それは、描きたいゴールに向けて演出やアイデアが、レーザービームを束ねるように収斂することにある。
◯プラットフォーム×スタイル×エンゲージメント=マネタイズ
・どこのプラットフォームで勝負するかを決める
・そのプラットフォームで輝くスタイルを考える
・スタイルを踏まえたエンゲージメントの高い動画を作り続ける
◯complete video making manuual
①エンゲージメントは「4つのE」からできている
1)Enpowering
あなたを心から励ます、味方になるストーリーを選ぶこと
2)Entertaining
あなたの1日が、幸せになるような動画を届けること
3)Enlightening
あなたの知りたい情報を正しく、適切に選んで伝えること
4)Emotional
あなたの心が揺さぶられる、感動が止まらないヴィジュアルを作ること
②Impactを生み出すInsightを感じさせるためのInformationがコンテンツ
1)Information
・正しい情報を得る
・没入感を持って吸収する
2)Insight
・自分の中で考えが深まる
・共感する
3)Impact
・価値観が変わる
・何か今までとは違う行動をとる
③動画の構成順序と重要な要素
1)HOOK
2)INTRO
3)BODY
4)MESSAGE
・4E、時間軸のコントロール、ヴィジュアル
④時間軸のコントロール
視聴者の気持ちを想定して、テキストの速さだけでなく、、、
1)感情の整理にかかる時間を作ってあげること
2)観ていてストレスのない最適なテンポを作ること
が非常に重要。映像演出の9割は時間軸のコントロール。
⑤全体の流れ
1)4つのEを盛り込み、Information⇨Insight⇨Impactの流れと時間軸のコントロールを意識して編集する
2)特徴的なヴィジュアルでスタイルを作りプラットフォーム上で目立つ動画にする
3)動画が生み出すエンゲージメントでクライアントの課題を解決し対価を得る
私は疎い分野ですが、時間の分割が細かくなってきて、それに合わせたコンテンツは時間当たりの内容がテレビなどに比べてはるかに濃いということは実感としてもよくわかりました。餅は餅屋へということでしょうが、最近の流れを知る上でも参考になりました。
動画2.0 VISUAL STORYTELLING (NewsPicks Book)
- 作者: 明石ガクト
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/11/05
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