MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

もう、不満は言わない(ウィル・ボウエン)

『もう、不満は言わない』(ウィル・ボウエン)(◯)

 『こうして思考は現実化する2』(パム・グラウト)の中で引用されていた本書。ちょっと面白そうなワークについての本だったので読んで見ました。ワークの内容は、21日間連続で、「不平不満を言わない、悪口を言わない、ゴシップを言わない」。一回口にすると、リセットされて1日目からやり直し。心の中で思っただけならOK(本ワークをするうちに心の中で思うことも減少するとのこと)。言葉にしたことを引き寄せることから、発する言葉からネガティブなものをなくしていこうという発想に基づいていて、自分が発する言葉への関心や注意力が高まる面白そうな内容です。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯ワークの内容

・ブレスレッド(別の物で代替可)を手にはめて、21日間、不平不満、人を責める言葉、ゴシップなどを口にしない。

・口にしてしまったら、ブレスレッドをもう一方の腕にはめ直して、また1日目からスタートする。この「動かす」行動が大事で、脳に自分の行動を意識させる。ブレスレッド出なくても何かを動かすようにする。

⇨そのうち、自分が口にする言葉を意識するようになる。やがて、自分の考え方の特徴に気づくようになる。

⇨そうするうちにあなたには新しい習慣が生まれる。自分が口にする言葉を、意識するようになる。言葉を変えようとする努力によって考え方にも変化が生じ、やがて生き方そのものを考え直すようになる。

 

◯不平不満を口にすると・・

・人生を作り出すものは考えであり、考えは言葉によって表現される。

・明確に言葉で表現したものは、実際に行うことになる。

 

◯ワークによる4つの段階

①自分が不平を口にしているのに気づかない段階

②自分が不平を口にしているのに気づく段階

③意識すれば不平を口にしないで済む段階

④無意識に不平を口にしない段階

 

◯不平不満をやめれば健康になる

・不平不満の多くは、他者からの、人間関係における特定の反応、例えば同情や是認などを引き出そうとする思惑を含んでいる。例えば人は、体の不調について愚痴をこぼす。本当に具合が悪いからではなく、むしろ病人の役割が他者からの同情や、嫌なことを回避するという二次的な利益を生じるから。

 

◯不平不満は伝染する

・不平不満ばかり言う人は、周りの人のエネルギーを同情に変えて、それを吸い取ってしまう。

・似た者同士、つまり不平不満ばかり言う人間同士、感謝の気持ちを持つもの同士が引き合う。わたしたちは皆、エネルギーを発散していて、それが同じ波長でないと同調しない。

・考えもまたエネルギー。自分の思考パターンと同調するものは引きつけ、しないものは遠ざける。あなたの発する言葉はあなたの考え方を表現し、強調し、保存する。だから、不平不満を言うと、実際に自分が望むことは離れていってしまう。自分が欲しいと思っていることを、あなたの愚痴が追いやってしまう。

 

◯相手の気になる欠点は自分の欠点

・あなたが気になって仕方ない性癖というのは、往々にしてあなた自身が持っているもの。ただ、自分のその性癖について「していることがわかっていない」だけに過ぎない。他の人の欠点を指摘したいと思ったときは、それはもしかして自分の欠点でもあるのではと考えてみましょう。

・あなたが他者に対して賞賛の気持ちを持つ事柄は、あなたが持っているもの。自分が持っているからこそ、人が持っているその特質に気づくわけ。何に気づくかは、あなたがどういう人かによります。自分の良い部分は、今のところ表面に現れていないかもしれません。でもあなたが他社の中の良い部分に注目すれば、自分の中のそういう部分を発見することにもなる。それに注目して、育て、表面に引き出してやれば良い。

 

◯あなたは人を変えられない

・不平不満をやめさせることができるでしょうか?それはできません。人が変わるのは、その人が変わりたいと思うから。人を変えようとすると、ますますその人を今の行動にしがみつかせることになる。

 

◯あってほしいことに注目する

・現状に対して不平を言うより何がほしいのかをはっきり言う方が、ほしいものがより確実に手に入る。

・トラブルに注目するのではなく、その向こうを見る。解決した状態に着目する。その方が早く望みが叶うし、その間幸せでいられる。

 

◯21日間ワーク達成者の声

・人生がより豊かに幸せになった。

・ビジネスの見通しが今までになく良くなった。

・人間関係が前向きになり、人と衝突することが少なくなった。

・良いことに目がいくようになり、与えられた恵みに感謝することができるようになった。

・心に取り付いて離れなかった不安からも解放された。家にいる時間がリラックスした楽しいものになった。

・今まで気づかなかった自分の良い面も見えてきた。自分の中の「光」の部分を見いだすことができるようになり、周りの人や状況の不完全なところも大目に見られるようになった。

 

 私も本書を読んで取り組み始めました。まずは、自分の発する言葉に嫌が応にも意識が向きます。「あ〜、ネガティブなこと言いそうになっているな」という自分に気づくことがたくさん。心の中で放ったネガティブな言葉を、どのような言葉に変えて発すればいいかということを考えています。本ワークに取り組んでいると、一時的に、話すこと自体をためらう時期もあるようですが、そこを超えると、いい思考の習慣化ができそうです。

(文庫)もう、不満は言わない (サンマーク文庫)

(文庫)もう、不満は言わない (サンマーク文庫)

 

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