『一流の習慣術』(奥村幸治)
副題に「イチローとマー君が実践する「自分力」の育て方」とありますが、著者はかつてイチロー選手の専属打撃投手として、寮も食事もグランドも共にし、「イチローの恋人」とまで呼ばれた方です。中学硬式野球の指導者となってからは田中将大投手を育て上げた実績を持っていらっしゃいます。確実に結果を出す原点は「一流になるための習慣づけ」がある。自分に足りない能力や体格の差を埋めるための考え方と行動から、一流になるための本質を知ることができる一冊です。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯心をブラさない
・「打てなくなったらバッティングフォームを変える選手が多いですよね。でもまた打てるようになると元のフォームに戻りますよ」。ある時イチロー選手はそう言っていました。
・バッターは調子が悪くなるとフォームやスイングを変えたくなります。しかし、一流の選手は、普段からバットの出し方、角度、ミートポイント、タイミングをミリ単位で感じながら練習をしていて、良い時のイメージが身体にインプットされいます。ですから、フォームやスイングを大胆に変えなくても、ごく微妙な修正で済んでしまうのです。
◯高い目標を掲げない
・イチロー選手は「目標は高く持ったらダメんだんですよ」と教えてくれました。
・「目標を高く持ち続けると、頑張ってもできないことがありますよね。手に届かなければ、そこで諦めてしまう。それは目標の設定ミスです。目標は頑張ったら手が届くところに設定すべきです。そうすればいつまで経っても努力を諦めることがないし、自分を成長させられるのです」
◯自分のルーティンを作る
・同じルーティンを繰り返すことで、「これをやっているから大丈夫」という平常心が生まれる。
・イチロー選手のルーティングを真似したからといって、彼のように心技体を保てて、いいプレーができるわけではありません。それではルーティンではなくて、最大公約数的に誰にでも通用するマニュアルです。ルーティンを自分のために自分で作ってこそ初めて生きてくるのです。
・イチロー選手はルーティンを規則正しく守り続ける一方で、そのルーティンが予期せぬ事態で乱れた時の対処法も考えていました。オリックス時代、オールスター戦のメンバーに選ばれたイチロー選手は、わざと試合ギリギリに球場入りして、フリーバッティングもせずに試合に臨んだことがあります。その意味を尋ねられると、「何らかの事情で十分なウォーミングアップができなくなり、いきなり試合に出ることになった場合、自分がどういう状況になるのかを試しておきたかった」と答えました。
◯「やらされる」を「やっている」に変える
・はじめは監督やコーチに「やらされる」だったことが、どこかで主体的に自ら「やっている」ことに変わっていく。
・続けているうちに、「自分の中に目標を作る」という意識付けができるようになったのではないか。「やらされる」を「やっている」に変えると、目的意識ができて練習に張りが出てきます。
◯プラス思考で平常心を保つ
・イチロー選手は徹底したプラス思考。中でも彼が気をつけていたのは、「またやりたい」という気持ちを維持すること。どんなに調子が悪くなっても、「またやりたい」という気持ちさえあれば、心技体をプラスに持っていけるという考え方。
◯継続力を力に変える
・イチロー選手に「今まででこれだけは誰にも負けていないと胸を張って言える練習が何かある?」と質問したところ、「高校のときい3年間寮に入っていて、寝る前に1日10分だけ素振りをしていました。その10分の素振りを1年365日、3年間続けました。これが誰にも負けていないと思える僕の練習です」「たった10分です。でもその10分を続けることが大切です。それも1年ではなく3年間続けられたことが、今の自分の力になっていると思います」と答えてくれた。
・毎日サボらずに継続できたことが自信につながり、調子を落とした時に振り返って、「あれだけやってきたのだから大丈夫」と思える目に見えない財産のようなものが築き上げられたのでしょう。これが世間で言われる「継続は力なり」という言葉の本当の意味だと思います。
毎日何を積み重ねるか。スポーツや音楽だけでなく、ビジネスであっても同じことだと思います。私にとっての習慣化は、「心技体の揺るぎない基礎を作り⇨パフォーマンスを高め⇨自信をつける」という一連の流れを作ること。自分なりのルーティンを作る作業というのがとても大切だと思います。現在、2週間後の習慣化セミナーのコンテンツ作成に取り組んでいるところです。
一流の習慣術 イチローとマー君が実践する「自分力」の育て方 (SB新書)
- 作者: 奥村幸治
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2010/07/16
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