『転職の思考法』(北野唯我)
2人に1人が転職する時代。100年人生を迎えてこれからますますその比率は高まっていくのではないでしょうか。自分なりの転職の持論を持ち、自分で仕事を選びまたは作り出していくこれからの時代に向けて、押さえておきたいポイントが整理された一冊です。著者は『凡人は天才を殺す』を出版されベストセラーになっていますが、その前に出版されたのが本書です。こちらも14万部のベストセラー。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯マーケットバリュー
・給与の期待値は、3つの要素で決まる。
技術生産×人的資産×業界の生産性
・技術資産は、他の会社でも通用する技術的蓄積
・人的資産は、一言で言えば「人脈」。あなただから動いてくれる人がどれだけいるか。
・業界の生産性は、一人当たりの粗利。これが給料の原資。
◯仕事のライフサイクル
・代替可能性(高・低)×椅子の数(多・少)
代替可能性(高)×椅子の数(多)⇨ルーティンワーク
代替可能性(高)×椅子の数(少)⇨消滅
代替可能性(低)×椅子の数(多)⇨スター
代替可能性(低)×椅子の数(少)⇨ニッチ
・伸びている業界に身を置くことは、それだけで価値がある。
◯ピボット型キャリア
・ピボットとは、方向転換や路線を変えるという意味。
・自分の強みに軸足を残しながら、もう片足を今後強くなる部分に少しずつ、ずらしていくという考え方。例えるなら、サーフィンのようなもの。次から次へと波が来る。その波をとらえ、波が消えそうになる前に、次の波に移っていく。これが一生食べていくための最強の方法論。
◯これから伸びるマーケットを見つける2つの方法
①複数のベンチャーが参入し、各社が伸びているサービスに注目する
②既存業界の非効率を突くロジックに着目する
・100万人が参加しているゲームで一番を目指すのではなく、いずれ100万人が参加するゲームに一番乗りをすること
◯会社選びの3つの基準
①マーケットバリューは上がるか
②働きやすいか
③活躍の可能性は十分か
・「働きやすさ」は「マーケットバリュー」と相反しない。むしろ、長期的には一致する。
・活躍の可能性を確かめる3つの質問
①「どんな人物を求めていて、どんな活躍を期待しているのか?」
②「今一番社内で活躍し、評価されている人はどんな人物か?なぜか?」
③「自分と同じように中途で入った人物で、今活躍されている人はどんな社内パスを経て、どんな業務を担当しているのか?」
◯いいベンチャーを見極める3つのポイント
①競合はどこか?その競合「も」伸びているか?
②現場のメンバーは優秀か?(できるだけ現場のメンバー「だけ」と直接会う場を設けてもらう)
③同業他社からの評判は悪くないか?
◯いいエージェントの5カ条
①面接時、どこが良かったかだけでなく、入社する上での「懸念点」はどこかまでフィードバックしてくれる
②案件ベースでの「いい、悪い」ではなく、自分のキャリアにとってどういう価値があるかという視点でアドバイスをくれる
③企業に、回答期限の延長や年収の交渉をしてくれる
④「他にいい求人案件は、ないですか?」というう質問に粘り強く付き合ってくれる
⑤社長や役員、人事責任者との面接を自由にセットできる
◯仕事における「楽しみ」
・人間には、「何をするか」に重きをおく、to do型の人間と、「どんな人でありたいか、どんな状態でありたいか」を重視する、being型の人間がいる。
・99%の人間はbeing型である。だから「心からやりたいこと」がなくても悲観する必要は全くない。
◯being型人間にとって重要な2つの状態
①自分の状態
主人公は適切な強さか。主人公は信頼できるか。
②環境の状態
緊張と緩和のバランスは心地よい状態か。
転職ということに対し随分社会的な評価は高まってきているように思います。実際のところその会社で働いてみないとわからないところが、雇用者側も従業者側もあるわけで、お互いに合わなければ、早めに別々の道を探したほうが、お互いのため。一つの企業に縛られないように自分の経験値を高めて成長していきたいものです。
このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法
- 作者: 北野唯我
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/06/21
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