『成長マインドセット』(吉田行宏)
成長とは何か?成長を阻害する要因は?成長を促進する要因は?
本書は、著者が20年以上開催されてきたワークショップを書籍にしたもので、「成長」について考えるきっかけになる一冊です。物語形式×ワークでまとめられているので、読みやすい内容になっています。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯成果は氷山の一角(アイスバーグ(氷山)モデル)
・成果は目に見る部分(氷山の一角)。
・その下には、成果を支える「能力・スキル」が存在する。
・その下には、「能力・スキル」を支える「ふるまい・習慣・行動」が存在する。
・さらにその下には、「ふるまい・習慣・行動」を支える「意識・想い・人生哲学」が存在する。
⇨想いがあって行動し続けなければ、能力が身につき、結果が出る。結果が欲しいゆえに簡単なスキルだけを身につけようとしたところで、振る舞いや意識が弱い状態では望む成果は得られない。
・成長は、アイスバーグを大きくすることと言える。成果の下にある3つの層のバランスも大切。
◯悩みを減らす5つの方法
①ブレーキの存在を知る
必要な時に踏むとかではなくて、踏む必要がない時にもブレーキを踏んでいるということに対して、なぜ踏んでしまうかがテーマ。
②ブレーキを踏まない覚悟
「よしこのブレーキは踏まない方が私の人生にとってプラスなんだから、私はブレーキを踏まないように努めてみよう」って決断する。
③他責にしないは100%
100%他責にしない。当事者意識100%の考え方が腹落ちすると大きなメリットがある。成長の機会が圧倒的に増えるし、悩みもすごく減る可能性が高い。
④結果は選択できないが、行動は選択できる
選択できない結果にはとらわれず、どんな結果でも受け入れるという覚悟を持って臨むこと。
⑤関心の輪と影響の輪
『7つの習慣」より。同じ悩みでも、どちらの輪の中の問題かで、全く次元が変わる。
◯大きな子供ブレーキ
①自己中心的
②他者を理解しない
③好ましくないプライド、執着
④トラウマに影響されすぎている
⑤ 正しい軸がない
・関心の輪と影響の輪で言うと自分の大きな子供ブレーキも育てるのは簡単ではないが、他者に比べれば育てられる可能性は高いので、影響の輪で、最も外側の取引先や他人の子供ブレーキはほぼ変えられないので関心の輪、その間の部下や上司、家族はその中間のボーダー(境界)となる。
・自分⇨夫・妻・子供⇨親・友人⇨知人・他人
・自分⇨部下⇨上司・同僚⇨取引先・顧客
◯バリューの方向性
・個人の場合
1年程度の目標⇨3年程度の目標⇨実現したいこと⇨目指すこと
ベースとなるのは、自分を支えてくれる言葉や考え方。
・会社の場合
短期目標⇨中期目標⇨ビジョン⇨ミッション
ベースとなるのは、バリュー
・個人と会社の目指すものの方向が近いか、真逆か?
◯期待する見返りに着目する
・目に見える・目に見えない×自分・他者の4象限
・この4象限の動機の大きさに着目する。
・目に見える× 自分⇨物質的成長重視型
・目に見えない×自分⇨自己実現重視型
・目に見える×他者⇨親分型
・目に見えない×他者⇨社会貢献型
・すべてのモチベーションがバランス⇨ステークホルダー共生型
本書を読んでいて一番の気づきとしては、車の運転に例えるなら、アクセルを踏みながらブレーキを踏んでいないか?ということ。車の運転なら、いつでもブレーキを踏める心構えと体勢はとっているけど、実際にアクセルを踏んでいる時はブレーキは踏んでいない。人生においても同様に、ブレーキを踏むこととブレーキを踏める体勢(備え)を取っておくことは区別して考える必要があるなぁと思いました。