『2025年を制覇する破壊的企業』(山本泰正)(◯)
著者は、東京大学で博士号を取得し、ニューヨークの金融機関に就職。ハーバード大学大学院で理学修士号を取得。その後、Googleに入社しフィンテックやAI他で日本のデジタル活用を推進。自身がベンチャーキャピタリストでありがなら、シリコンバレーのベンチャーキャピタルのアドバイスを行うなどの超エリートです。本書は、①5年後の世界を牽引する11社の紹介、②11社が作る3つのメガトレンド、③5年後に破壊される企業・台頭する企業、④5年後の仕事の変化に分けて、5年後の世界が描かれています。「たった5年後に?」。いえいえ、社会が変化するスピードはますます早くなってきています。過去の5年も大きな変化ですが、それ以上の変化がやってくるはず。未来を予測しながら、自分の生き方、働き方を考える上でも役立つ良書でした。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯5年後の世界を牽引する11社の紹介
検索前に欲しいものを提示し、検索自体を不要にする。
②Amazon
Alexaを屋外と交信させ、都市との通信に進出してデータを取り、ビジネスを広げていく。ドローン配達、自動配達など。
③Facebook
買収により若いユーザーを囲い込む(Instagram、WhatsApp(欧州最大メッセージアプリ)買収など)
④Apple
人間の五感全てを占拠。中国人ユーザーのiPhoneからOPPOやHUAWEIへの乗り換えに対し、アップルカードで繋ぎ止める。
⑤Netflix
トップ画面、説明文の内容、サウンドを利用者ごとにチョイス。各国のテレビ局や映像会社と組み、それぞれの国で受ける映像を把握しオリジナル番組を制作。
⑥Microsoft
都市のOS獲得を狙い、スマートシティの覇者になる。
⑦テスラ
現在最高時速500㎞のリニアを1,000㎞へ。電車の2倍速く、40%安いロボタクシー。
⑧インポッシブル・フーズ
代替肉の展開。大豆原材料で牛肉のような食感が味わえるなど。
⑨ロビンフッド
証券業開発の売買手数料無料化。ゲームをやっているような感覚や操作でトレードできる。
⑩クラウドストライク
1億総テレワーク社会のトリガー。クラウドに繋がっている間は常に端末並びに利用者のアカウントをクラウドストライクがチェック。サブスク型で初期投資不要。PC一台あたり月額九百円ほど。1分でウィルスを検知し、10分で調査。60分で封じ込め。
⑪ショッピファイ
ルイ・ヴィトン、ディズニー、ナイキ、ワークマンなど、Amazonや楽天から移転するECサイトを開発運営する時価総額10兆円企業。
◯11社が作る3つのメガトレンド
①業種の壁崩壊とコングロマリット化の再来
昔の財閥のように1つの企業が業種を超えた多種類の事業を営み巨大化していく。1つの事業で得たデータや知見を別の新しい事業にも活かし、シナジーを生んでいく。
②ハードでもソフトでもなく「体験」が軸になる
③データを制するものが未来を制する
◯5年後に破壊される企業・台頭する企業
・サブスクリプションを導入していない企業は囲い込み方法の一つを失う。
・レコメンデーションが凄いのは、一般的にメジャーな作品以外のニッチでロングテール的な作品やコンテンツの紹介もできること。
・リースとサブスクリクションは異なる。リースはただ貸しているだけ。サブスクリプションは顧客に最良の価値を提供し続けることがサービスの本質だから、データ取得に重きが置かれる。
・サブスクリプションが合わない業界は、時間の経過とともにハードが摩耗する業界。不動産、自動車、家具など。
・5年後特に危険な8業界
①小売、②エネルギー、③金融、④ゲーム、⑤システム(Sler)⑥家電、⑦モビリティ、⑧対面だけの教育
◯5年後の仕事の変化
・5年後必須の5つのスキル
①英語
英語版ビジネスニュースが理解できる。『ウォール・ストリートジャーナル』『ファイナンシャル・タイムス』など。日本語版に訳される記事はごく一部のため。
②ファイナンス
証券アナリスト資格はお手軽にまとまっている。会計、経済学、マクロ経済学、ポートフォリオ理論、分散投資の手法、株式の動向、時価総額の理論、利益とはなど。
③データサイエンス
ディープラーニングの意味、ディープラーニングで何ができるのか、何ができないのか。
④プログラミング
データサイエンスに関するプログラミング言語「Python(パイソン)」。プログラムの仕組みや価値が判断できる、そういう観点でのプログラミングスキルを身につけておくこと。
⑤ビジネスモデルが読める
例えば、QRコードの裏側では、どのようなビジネスが回っているのか。
5年後どんな世界になっているのだろう?今から考えてもピンとこない世界かもしれませんが、いきなり5年後がやってくるわけでもなく、できることはなんだろう?と思うと、情報を追いかけつつ、過去の経験(当たり前の感覚)にとらわれないこと。実際に世の中の変化に対して、自分はどんな知識・スキルを身につけ 、どんな人間関係を築いておく必要があるか。考え行動することでしか思いつきませんが、取り組み4年目に入る「10年で10種類の仕事を作るミルフィーユ作戦プロジェクト」や「将来は◯◯業という名前がつかない仕事」をしている人になるという今の路線はその方向性はそのまま行こうとも思える内容でもありました。
【2025年を制覇する企業①】GAFAだけじゃない…世界最先端11社(The Companies Set to Dominate in 2025)