MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

集中できないのは部屋のせい。(米田まりな)

『集中できないのは部屋のせい。』(米田まりな)(◯)

「片付けといえば、こんまりさん」というイメージで定着していますが、新たな視点を得た一冊でした。本書は、収納コンサルタントとして活躍されている著者による37の科学的片付けメソッド。ロジカルで図解も多いので、読んでいても納得感があります。こんまりさんの「ときめくか、ときめかないか」という判断基準は実際に断捨離する際に取り組みやすい感覚でした。対して、本書では、「自分の部屋をどんなふうに作り直そうか?」と考えたときに、プランニングしやすく、実際にやってみてその効果も実感できています。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯片付けの基本フロー

①全部出す

②頻度別に分ける

③定位置を決める

④使ったら戻す

 

◯頻度別に分ける

・日次、週次、月次、年次という4つに分類。1年以上使っていないものは「迷い中」として別立てにする。

・分類基準は、「直近でいつ、そのモノを使ったか?」

 

◯収納

・毎日使うモノは、使う場所のすぐ近くに収納する。カテゴリー別ではなく、頻度・シーン別に収納。手の届く場所、半径1m以内。出し入れしやすいケースなどに立てて収納。使うシーン別にグループ分けする。

・毎週使うモノもカテゴリー別ではなく、頻度・シーン別に収納。使う場所の近くに収納(毎日使うモノの次に近い場所)。

・収納スペースに余白を作る。毎日使うものは3割の余白。毎週使うものは2割の余白を作る。

・毎月使うモノは、使う場所は意識しなくてOK。手元に置いておく必要はないので、空きスペースを活用する。クローゼット・押し入れ収納の際には、箱・ボックスを使って効率的に収納する。

・毎年使うモノは、「いつ使うのか?」という視点で3分類する。基本は、月次よりも取り出しにくい場所に、箱に詰めて収納。

①使う時期が決まっているモノ

②突発的に使うモノ

③愛着があり、「手に取りたい」モノ

・数年に一度しか使わないものは手放す。迷い中のものであれば、一旦、箱に詰めて視界から消して、半年経っても一度も取り出さなかったら手放す。

 

→様々な収納テクニックについても本書で紹介されていますが、まずは上記の取り組みをするだけでも変化に気づけると思います。その上でテクニックに入っていってもいいかなと感じました。まずは、部屋の変化を実感するところから。使用頻度別収納の効果を実感してみてください。

 

 自分の部屋って、段々とごちゃごちゃしてきませんか?私の場合、引っ越してきた当初は綺麗だったはずが、いつの間にか物が増えているという状態。これを使用頻度別に定位置からの距離で置く場所を決めるという発想が役立ちました。考えてみれば、経営的視点でも動作分析の基本であるムダな動作の排除の視点でも、よく使うものは手近なところにというのは当然なのですが、日常の中で忘れていました。さらに、普段に使わないものが手近にあることで、探すムダ、特に「無意識で探す」脳のムダがあるなぁと感じました。「使用頻度別整理」は、思った以上に効果がありありそうです。

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