ビジョナリーカンパニー2(ジェームズ・C・コリンズ)
『ビジョナリーカンパニー2』(ジェームズ・C・コリンズ)(◯)
ビジョナリーカンパニーシリーズは、良書揃いです。飛躍した企業とそうでない企業。一体何が違うのか?この疑問を解決するために調査・研究したのが本書。ビジネススクールでも勧められる内容は、どの章を取り上げても示唆があり、学びになります。
その中で、まず最初に取り上げられているのが、「第五水準のリーダーシップ」。
飛躍した企業の経営者は、さぞかし、パワフルで、バイタリティがあり、ギラギラした感じでやる気と自信に満ち溢れている・・・。そんなイメージを抱いてしまいますが、調査は驚きの結果に・・・。
それが、第1の水準〜第5の水準に分類して示されています。
①第1水準:有能な人
才能、知識、スキル、勤勉さによって、生産的な仕事をする。
②第2水準:組織に寄与する個人
目標達成のために能力を発揮し、他の人たちとうまく協力する。
③第3水準:有能な管理者
人と資源を組織化し、決められた目標を効率的に追求する。
④第4水準:有能な経営者
明確で説得力のあるビジョンの実現に向けて努力し、より高い水準の業績を達成する。
→私たちがイメージしがちな飛躍する企業の経営者は、この第4水準のこと。
⑤第5水準:第五水準の経営者
個人としての謙虚さと職業人としての意思の強さという矛盾を組み合わせる。
◯第5水準の経営者像から感じること
「矛盾の先には飛躍がある」
これは、真理の法則ではないかと考えているポイントです。
例えば、ビジネスで言えば、品質を高めるには、コストが高くなる。「高品質・高価格」。これを、品質を高めながらコストを維持する(または下げる)という矛盾したことができるのだろうか?と考えながら取り組み、解決した先には、飛躍がある。
人の内面も同じく。謙虚さはあるが、周りを巻き込み成果を出し続けるリーダーシップがある。一見両極端と思えるものが交わるところに、高い価値があり、両面をバランスよく使い分けることができる人は飛躍する。
◯私が心がけていること。
それは、「対極を考える」こと。
人は、思考・行動・言動、いずれにおいても、自分なりのやり方があり、自分では意識せずとも偏っているものだという前提を置いています。だからこそ、「自分はこうだ!」「絶対◯◯だ」と確信を持って思った時こそ、「本当か?」「真逆から見るとどう見える」「(たとえ少数だとしても)反対の考えの人はどういうふうに考えるのだろうか?」と、逆から見るクセをつけることが自分のバランスを保つ上で大切なステップなんだと感じています。
これは、誰かと議論するとき、アイデアを考え出す時にも有効です。「一旦、真逆の立場から問いを立ててみる」。この1ステップを踏むだけで、盲点に気づき、対策を打ち、備えながら前進することができると思います。