MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

無駄なことを続けるために(藤原麻里菜)

『無駄なことを続けるために』(藤原麻里菜)

 著者は、チャンネル登録者数10万人超の無駄作りYouTuber。一見すると不要で何これ?って思ってしまう発明品の数々。ところがこれはこれで、着想がおもしろく、企業からもいろいろなお仕事が寄せられるに至っている。世の中、おもしろいところに人は集まるもので、自分とは異なる世界で生きている方の発想を知りたく、読んでみました。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯「人に伝えたいこと」はたくさんある。しかし、それを削っていくことで「本当に伝えたいこと」への視聴者の関心が集まりやすくなる。もちろん「無駄」は大切だが、それによって核となる部分を意図せずに隠してしまうことは避けたい。「無駄づくり」は、「ばかばかしい」。それが伝わればいい。表現の違いで、意図しない伝わり方をしないように、作る段階で丁寧に客観視できるようにならなければならない。

 

◯とにかく量をこなすことで、質は上がってくる。たくさんのものを作ることで無意識の中にあったテーマが浮き彫りになる。思考が鮮明になり、研ぎ澄まされ、道ができてくる。自分の成長の過程がインターネットの海原にぷかぷか浮かんでいるのは恥ずかしいけれど、四苦八苦していきたいのだ。

 

◯どんなに面白いアイデアでも、作りはじめないとただの空想だ。どんなに無駄なものでも世の中に生み出さないと無駄以下だ。作ることはかなりめんどくさいけど、作らなくては何も変わらない。だから、無理にでも自分を奮い立たせて手を動かさなくてはならない。手を動かし始めることで、目に映る景色が全く違ってくる。

 

◯「やってみないと分からない」。この言葉が、ばかばかしいことをするか悩んでいる時に私の背中を押してくれる。工作も映像も未経験だった私が「なんか、できるっしょ」という気持ち一つだけで、「無駄づくり」を始めた。根拠のない自信を胸に何か始めよう。やってみたけど失敗してしまい、それで出来上がったぐちゃぐちゃなものもかなり愛らしい。

 

◯憧れと現実のギャップを受け止めたら、私のできることが現実的に捉えられるようになった。現実は残酷でなるべくみたくないけれど、一度受け入れてしまえば好きなことを続けられるヒントを見つけられる。作ることで自分の得て不得手が明確に分かり、新しい未来がやってくるのだ。

 

◯「お金になるかどうか分からないこと」は、コンテンツを広げていく上で、とても大切なことだと思う。お金になるかどうか分からないことが、新しい稼ぎ方につながるはずなのだ。

 

 どんな無駄づくりをしている、どんな方なのか?百聞は一見に如かず。

 「無駄づくり」チャンネルをご覧ください。ちなみに私が著者を知ったのは、たまたま見た「オンライン飲み会緊急脱出マシーン」でした。「あ〜!確かにあったら便利っ」てやつです。