『民進党(笑)』(赤尾由美)
著者は叔父に元衆議院議員、大日本愛国党初代総裁赤尾敏氏を持つ企業経営者。本書は、サブタイトルに「さようなら、日本を守る気がない反日政党」とあるように、民進党を愛ある叱咤激励で皮肉りながら、野党第一党のあり方を考える内容です。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇基本的にはどなたも仰っていることですが、単に「反対、反対、とにかく反対!」以外に、「自分たちはどうしたいのかという当事者意識が物の見ごとに欠如している。ほかの党も自分たちの目指すべき方向というのが明確なのに、民進党だけはとても分かりにくい。
〇民進党の場合、大目標が「2/3を取らせない」だから、会社で言えば、「今年度の目標は、ライバル会社の売上を前年比に届かせないようにしよう」といっているようなもの。
〇残念なことに民進党には軸がない。日本というのはどういう国なのか、どういう国柄なのか、そしてどういう国にしていきたいのかという国家観、党としての軸がない。そのため、民進党が政権を取った場合、どういう国になるのかというのが全く見えない。「2/3とらせない」なんてどうでもいいことを主張するのではなく、正々堂々と自分たちの国家観を語ればいいはず。それができないということは、それが「ない」ということの証拠と言える。
〇「反対、反対!」ということで存在感をアピールしたいのでしょうが、逆に共産党とダブって存在感が薄くなっている。いや、共産党のほうが党の歴史が長いだけに、言っていることもしっかり理屈を組み立てているから、民進党は完全に埋没している感じが漂っている。
〇日本人は世界に類を見ないほど道徳が高いと思う。ただ、唯一の弱点を言えば、やはり政治的なことに対して無関心すぎること。やはり、平和だったからこそ政治に興味がないというのはある。
〇「今の日本の最大の問題点は、愛国か反日かという対立軸の中で、政治家が言葉遊びを繰り返していること。私の望みとして、まずは民進党を始め反日政党にはご退場を頂いて、愛国というベースの上に対立軸を築いて、さまざまな考え方の政治家に意義ある議論を交わしてほしい。あるべき姿に持って行かないと、日本の国力は弱まるばかりだと思う」
厳しい言葉が続きますが、単なる批判本ではなく、野党第一党はどういう姿であるべきなのかということを考えさせられる内容です。新たな党首を迎え、今後どのように民進党が変化していくのか、注目したいところです。
民進党(笑)。 - さようなら、日本を守る気がない反日政党 - (ワニブックスPLUS新書)
- 作者: 赤尾由美
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2016/08/24
- メディア: 新書
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