『<インターネット>の次にくるもの』(ケヴィン・リー)(〇)
昨年ヒットした本書。ずっと積読だったのですが、ようやく読み終えました。これはおもしろかった!今年の私のベスト5有力候補です。ネット社会が定着し、進化していく中で、未来を決める12の法則について、「モノ・サービス」ではなく、「コト・行動」を切り口にまとめられている点がとても入りやすかったです。ネット社会が当たり前になった今、人間が新たにどんな行動を取っていくのか、そこにどんなサービスが生まれてくるのか、未来を想像するうえで、とても役立つ一冊だと思います。
(印象に残ったところ‥本書より)
①Becoming(なっていく)
・自動アップグレードによりマシンは陰に隠れて自らをアップデートし、時間とともに静かに自ら姿を変えていく。我々はそれらが何かになっていくことに気付かない。
・誰もが新しいものに追いつこうとする永遠の初心者になる。永遠の初心者こそが、誰にとっても新たなデフォルトとなる。
・我々は変化を知覚することが苦手。新しいものを古い枠組みでとらえようとしがち。現在の見方を将来にそのままに当てはめることで、実際には新しいことをすでに知っているものにあてはめようとして歪めることになる。
②Cognifying(認知化していく)
・現在の速度でAIのテクノロジーが進化していけば、今生まれたばかりの子供が大人になることには、病気の診断のために医者にかかるということはほとんどなくなる。
・今世紀が終わるまでにいま存在する職業の70%がオートメーションに置き換えられるだろう。
・2050年までにほとんどのトラック運転手は人間でなくなる。
③Flowing(流れていく)
・フォルダー、ファイル(第一段階)→ネットワーク化されたページ(第二段階)→流れとストリーミング(第三段階)
・無料より良い8つの生成的なもの
①即時性、②パーソナライズ、③解釈(ガイド)、④信頼性、⑤アクセス可能性、⑥実体化、⑦支援者、⑧発見可能性
・流れていく4つの段階
①固定的/希少、②無料/どこにでもある、③流動的/共有される、④オープン/なっていく
④Screening(画面で見ていく)
・スクリーンは常にオン。人々が文字を読む時間は80年代の約3倍。
・スクリーンは、自分を探すために見つめる鏡のような存在。常時自分をトラッキングする結果、それは生活に関する完璧な記憶となり、どんな本でも提供できないほどの、想像もつかなかった客観的で量的な自己像となる。スクリーンは我々のアイデンティティの一部となる。
⑤Accessing(接続していく)
・所有権の購入からアクセス権の定額利用への転換は、これまでのやり方をひっくり返す。長く加入すればするほど、そのサービスがあなたのことをよく知るようになり、そうするとまた最初からやり直すのが億劫になり、ますます離れがたくなる。
⑥Sharing(共有していく)
・シェアや協調、コラボレーション、集産主義といったものが台頭することで生じる政治的な動きに、一般市民はまだ慣れていない。こうしたコラボレーションから恩恵を得れば得るほど、我々は政府の社会主義かした組織にさらされるようになる。
⑦Filtering(選別していく)
・次の30年の間にクラウドの中のすべてのものはフィルタリングされて、パーソナライズの度合いが高まる。
・パーソナライズが進めば進むほど、フィルターはその個性を認識しやすくなり、より働きやすくなる。
⑧Remixing(リミックスしていく)
・我々の法体系のほとんどはまだ農耕時代の原理原則で動いており、所有物には実体があることが前提となっている。つまりデジタル時代に追いついていない。所有することが以前ほど重要でなくなった時代に、所有がどう機能するかを明確にできていないせい。
⑨Interacting(相互作用していく)
・これから10年で、イタラクションできるものはますます増え続ける。その動きは次の3つに牽引されていく。①より多くの感覚(今後つくるモノに新しいセンサーや感覚を加え続けていくだろう)、②親密さを増す(テクノロジーは腕時計やポケットのスマートフォンよりもさらに近くにやってくる)、③投入感を増す(コンピュータの能力はあまりにも身近でその中にいる)
⑩Tracking(追跡していく)
・自己測定。今では誰もが自分の1000種類もの側面を測定できるようになった。こうした実験のお蔭で、医療、健康、人間の行動に対する考えがすでに変わりつつある。
・食事、運動、睡眠パターン、気分、血液成分、遺伝子、居場所などを、定量化可能な単位として測定している。
・ウェアラブルとなった小さなデジタルの目や耳が、誰に会って何を言ったかといった一日のすべての瞬間を記録し、我々の記憶を助けてくれる。
⑪Questioning(質問していく)
・Wikipedia。2015年の数値では、3500万件以上の記事が288の言語で書かれていた。その内容は米最高裁判所でも引用されて、正解中の学生たちが頼りにしていて、ジャーナリストや学習意欲のある人々が何か新しいことを知りたいときに使っている。
⑫Beginning(始まっていく)
・これから何千年もしたら歴史家は過去を振り返って、我々がいる3000年紀の始まる時期を見て、驚くべき時代だったと思うだろう。この惑星の住人が互いにリンクし、初めて一つのとても大きなものになった時代。
・このままのペースでテクノロジーの普及が進めば、2025年までには、この惑星に住む住人の100%がこのプラットフォームにほとんど無料になった何らかのデバイスを使ってアクセスするようになるだろう。
インターネットの次に来るもの。それは、映画や想像の世界で描かれていた世界。想像以上に早くやってきそうで、変化への不安感から受け入れることを避けがちになりそうですが、例えば2000年代に入ってからの加速する変化を考えれば、これからの10年を考えるだけで、相当な変化が訪れるはず。その世界を垣間見るためにとても参考になった一冊でした。