『科学的に元気になる方法集めました』(堀田秀吾)
タイトルに惹かれました。ハイ。本書は、毎日を元気にしてくれる科学的なノウハウ38項目が紹介されています。①エビデンスのあるノウハウだけを集めた、②誰でもどんな環境でも実践できる簡単なものを集めた、ことが特徴です。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇身体が先で、そのあとに脳は考える
とにかくやり始めることが、やる気スイッチの入れ方。人間は、やり始めれば集中するようになっているというより、やり始めなければ集中が出来ないようになっている。脳にある側坐核という部分がやる気のスイッチだが、一度作業をやり始めると、このやる気スイッチが入り、辞められなくなる。
〇笑顔の力
人が笑顔になるのは、楽しいから、幸せだからではなく、笑うから楽しくなるし、幸せになる。つまり、笑顔=楽しい、幸せだと脳にインプットされているから、笑顔をつくることで幸せな気分を呼び起こすことが出来る。笑顔は、自分のストレスを軽減させる(緊張感が減る)、相手も笑顔にすることができる(場の空気がさらに和む)効果がある。
〇手足の動きは表情よりもさらに優位に感情を動かす
身体の中でもより主導権が強いのが頭部より下→自分の意志で動かしやすい手足。表情よりも身体の動きが心に与える影響はさらに強い。
〇背筋をピン!と伸ばして堂々と歩くと気持ちが積極的になり、さらにストレスホルモンが減少する
テストステロンといういう決断力、積極性、攻撃性、負けず嫌いなどに関係するホルモンが増加する。
〇動作に効果音(掛け声)を足すことで、効果や効率が増す
空手や総合格闘技の選手がパンチやキックを出すときに「シュッ」と声を出しているアレ。
〇胸を張って生活することで「できる人」のオーラが自然と発せられる
顎を上げて胸を張って見下ろすかのような自信に満ちた姿勢は、痛みに対するストレス耐性が最も高くなり、痛みを感じにくくなる。
〇青空を見上げると、空気の色で神経が落ち着き、姿勢が正されることで気分が整う
きれいな空には癒し効果がある。見上げるという動作は、胸をピンと張る形になる。胸を張った姿勢はストレスに対する抵抗力を高める。
〇ぼーっとすると脳は平常時の15倍働き、良いアイデアが湧いてくる
ぼーっとしている場合は、何かをしている時には使われていなかった部位にもエネルギーが行き届く。そのため、それまで浮かんでこなかった考えが浮かんだりする。
〇20~30分のマイクロスリープで能力が睡眠前より34%向上する
人間の脳は昼食をとる・取らないにかかわらず午後2時くらいから眠くなるようになっている。NASAの研究によれば、パイロットたちにコックピットで平均26分間の仮眠を取らせたところ、彼らの能力が睡眠前に比べて34%も上昇した。
〇練習は本番のように、本番は練習のように
本番を練習のように行うため、決まった動作(ルーティン)を行い本番を迎える。脳は繰り返し同じ行為をさせることにより、その行為を行うための神経の繋がり、回路が強化される。その行為を効率的に行うための神経回路を創り上げる。日々の仕事への向き合い方が、そのままパフォーマンスに直結するということ。
〇一息20秒ほどの深呼吸で、脳に「休んでいいんだぞ」という指令を送る
深呼吸が緊張やストレスの軽減に有効だということを示す実験は枚挙にいとまがない。ゆっくり息を吸って、できるだけゆっくり、20秒くらいかけて吐いてみる。空気を全部出し切る感じ。
〇不安を書き出すと、むしろパフォーマンスは高まる
不安を書き出した場合と、そうでなかった場合では、書き出した方が成果がアップしたという結果になった。脳のワーキングメモリが解放されるから。手のひらに「人」の字を3回書いて呑み込むというおまじないもこれと同じことかもしれない。
〇朝起きたときに息が上がるくらいの運動をすることで、脳がベストな状態に覚醒する
脳が活動するには酸素が必要。酸素は血液によって脳に運ばれる。運動をすることで心臓から脳にどんどん血液が送り込まれるために、脳がベストな状態になる。
などなど、さまざまな実験結果などをもとに、きちんとエビデンスがあるものが紹介されています。感覚は分かるけど、論理的な裏付けがないと、人に説明できないということは多いと思いますが、本書のような切り口でまとめてもらえると、呑み込みやすいなぁと思いました。