『人生を思うように変える呼吸法』(パム・グラウト)(◯)
これはおもしろくて、日常生活に活かせる一冊でした。本書は、コーチング界のカリスマである、アンソニー・ロビンズの呼吸法をきっかけに呼吸法について学び研究した成果がまとめられた一冊。呼吸は普段意識されていませんが、体の老廃物の70%は呼吸を通じて排出されている。人間の体は実に毎日7000億近い不要な細胞を燃やしている。きちんと呼吸をして、たっぷり酸素を取り込んでいけば、体は十分なエネルギーに恵まれ、老廃物は無理なく排出される。運動することで脂肪が燃えるのは細胞にもたらされる量が増えるからですが、この呼吸を1日数回意識して行うことによって、酸素を十分に取り込み、ダイエットも可能になってしまうという優れもの。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯私たちは酸欠状態
・酸素も食べ物。酸素は脂肪を燃やすガソリンで、すべてのエネルギーの素。
・肺が本来取り込める酸素量の1/5〜1/4程度しか取り込んでいない。
・90%の人間が何らかの形で酸欠状態。
◯腹式呼吸
・胸式呼吸は効果が薄く、腹式呼吸に比べて一分間により多くの回数、呼吸することが求められる。それが心臓に負担をかけ、血圧が上がる原因になり、神経系等も赤信号の状態におかれる。
◯基本エクササイズ(三角呼吸法)
①鼻から息を吸いながら4つ数える。
②息を止めて4つ数える。
③4つ数えながら鼻から息を吐く
◯基本エクササイズ(四角呼吸法)
①〜③同上
④息を止めて4つ数える
→肺の酸素量がさらに増え、血流も良くなる
◯「呼吸が短い者は、短い人生を歩む」(東欧の古いことわざ)
・きになる相手を誘惑したり、上司を感心させたりしたいときは、相手の呼吸パターンに耳をすませ、細心の注意をはらってなぞればいい。
・人間は誰でも「指紋」ならぬ「呼気指紋」を持っている。
・肺を奥まで使わずにいると自分の精神的、肉体的な能力を十分に発揮できず、もっと言えば人生をフルに生きないことになってしまう。
◯感情の抑制
・多くの人々が深い呼吸をやめてしまうのは、感情に向き合いたくないから。息を止めたり浅く呼吸をしたりすれば感情を抑えられるが、その感情をなくすことはできない。
・人は強い衝撃を受けると内臓が少しだけ押さえつけられるので、浅い呼吸をした方が楽だと感じられることがある。
◯痩せている人間は内側が違う
・カロリーを控えることにはこれだけ注意が払われているのに、カロリーを消費する方法については、ほとんど語られていない。ダイエットにこれだけ時間を費やしていながら、食べたものをどうやって消化するかを考えいないなんて皮肉でしかない。
・横隔膜を使った深い呼吸。しっかり腹式呼吸をすれば、体から毒素が排出されるスピードは15倍にもなる。
・永久に体重を落としたいのなら、体の化学反応を変えよう。酸素で満たしてやること。深い呼吸こそが答え。この本で紹介する「エネルギー・カクテル」を行うことで3週間で変わる。まるで細胞の構成をすっかり変えることができる。代謝に勢いがつき、もう脂肪を溜め込もうとすることもない。
◯背骨ストレッチ
①仰向けになる
②鼻で息を吸う
③息を吐きながら背筋を伸ばし、尾てい骨を軽く持ち上げる。尾てい骨を宙に浮かすことでお腹が平たくなり、古い空気が押し出される。
④できる限り空気を押し出したら、リラックスして自然に息を吸う。最初は空気が入ってこないように感じるだろうけれど、慌てないように、さっき深く息を吐いたことの効果ですでにたくさんの空気が入っている。
⑤②〜④を12回繰り返す。
◯エネルギー・カクテル
①「早口言葉呼吸法」:10回×3セット(1日の始まり、寝る前)
・体に酸素を満たし、エネルギーレベルを上げ、体重を減らすのに絶大な効果がある。
1)立ち上がってこういうこと。「私は最高!」ただ声に出すのではなく、体でも表現しよう。体は心の声をよく反映する。
2)ゆっくりと腹式呼吸をし、鼻から息を吸い込む。
3)空気を体の中に閉じ込めて、吸ったときの4倍をのままにしている。例えば4カウントかけて吸ったら16カウント息を止める。
4)吸った時の2倍の時間をかけて口から吐く。4カウントかけて吸った場合、8カウントかけて吐く。
・割合はいつも「1:4:2」
・カウントを早口言葉「ナマムギ・ナマゴメ・ナマタマゴ」の回数に変えてもいい。どうせなら楽しく。
②食事の前に10回素早く「カンフー呼吸法」
・腹筋が緩み筋肉が柔らかくなり消化も楽になる。
・丹田に空気が送り込まれる。
1)立ち上がる。
2)鼻を通して深く息を吸い込み、電球に埃がついているか見上げるように、頭を後ろにそらす
3)ほんの一瞬、間を空けて・・
4)口から力強く息を吐く。頭を元の位置に戻しながら大声で力強く「はっ!」と言う
③1日2回、口いっぱいに水を含んだまま1ブロック歩く(あるいは最低5分そのままでいる)
・水を口に含んだのが嫌だったら、せめて口をきちんと閉じて行う。
・歩いている間はずっと、鼻からだけ呼吸すること。
◯引き伸ばし呼吸法
・呼吸の通り道をほぐすのに最善
1)足を45〜50センチ開いて立つ
2)両手を背中で組み、腕をかかとに向けて伸ばす
3)鼻から息を吸いながら、胸を持ち上げて開き、あごを胸にのせる
4)肺の正面と胸が膨らむのを感じる
5)鼻から息を吐き、あごを緩める
6)自然な姿勢に戻る
7)2〜6を3回繰り返す。
8)右手で左手首をつかみ、両腕を前に伸ばす
9)鼻から息を吸いながら、背中を丸め、膝を曲げる。全身がカーブを描くはず。
10)背中側の肺が膨らむのを感じる
11)鼻から息を吐き、力を抜いて自然な姿勢に戻る
12)8〜11を3回繰り返す。
◯交互鼻孔呼吸法
・「5分間の奇跡」と呼ばれており、神経システムを整えるのに最適。
1)椅子に座るか、床に敷いた快適なマットレスに腰を下ろして、背筋を伸ばす。
2)人差し指を使って、右の鼻孔に蓋をし、6カウントかけて左の鼻孔で息を吸う。3カウント息を止める。
3)今度は左の鼻孔に蓋をし、右の鼻孔に充てていた指を離して、6カウントかけて右から息を吐く。
4)左の鼻孔を閉じたまま、右から6カウントかけて吸う。3カウント止める。
5)右の鼻孔を閉じ、左を離し、6カウントかけて息を吐く。
6)2〜5を6回繰り返す。
◯女神の呼吸
・必ず外に出て行うこと。できるなら靴も脱ぐ。肝心なのは、母なる地球とあなた自身の中にある偉大な光とつながること。
1)肩幅に足を開いてたつ。
2)鼻から深い腹式呼吸をし、地球のエネルギーを思い切り吸い上げる
3)地球と一体になるのを感じる。生命の力に取り巻かれたと思う。
4)口からゆっくりとリラックスできる息を吐く。今まで運んでいた余計な感情の袋を捨てよう。さっさと忘れてしまうのがいい。
5)気が向いたら息を吸うとき両手を高く上げ、息を吐きながらバレリーナのようにすばらく下ろそう。大きな目的に集中すること。あなたは偉大なるものの一部。
他にも多くの呼吸法が記載されています。毎日のことだから、意識する時間を持ち、体にいい影響を与えられるように習慣化したいものです。とりあえず、「1:4:2」の呼吸法を実践するようにしました。どう変化するのか楽しみです。