MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

自分のリミッターをはずす!(苫米地英人)

『自分のリミッターをはずす!』(苫米地英人

 著者は、認知科学者(機能脳科学、計算言語学認知心理学分析哲学)、計算科学者(計算機科学、離散数理、人工知能)。カーネギーメロン大学博士、同Cylab兼任フェローなどの肩書きを持つスペシャリスト。本書は、催眠、気功、古武道と一見何の関係もなさそうな技術が実は内部情報の書き換えにあることを明らかにして、その本質が人の変性意識状態にあることを喝破する一冊です。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯「気」とは?

・気は、自分で作り上げるもの。100%存在するが、一度「ない」と思ってしまうとなくなってしまうのが「気」。

・気で最も重要なことは確信。気の実利を最大化するのに必要なことは、「気はあると確信する」こと。

・「すべての人間に備わっている力ではあるが、現代科学では解明できない能力」で良い。「気なんてあるのか、ないのかわからない」ではなく、「多くの人が気で病気を改善させているのだから使えるようになったほうがいいに決まっている」という結論をしっかり持つことが大切。

 

◯逆腹式呼吸

・通常の呼吸法の利点に加えて、モーダルチャンネルを変えて、より呼吸に意識を向けることで変性意識状態生成のための効果を高めた呼吸法。

・息を吸う時間を短くして、息を苦しくさせる。呼吸をコントロールして自分の身体をほんの少し酸素不足の状態にする。この酸素不足の状態こそ、変性意識状態。やや強めの変性意識状態に導くには、酸素不足の状態に追い込むことが最も手早い。

①椅子に座ってリラックスした状態でゆっくり息を吐きながらお腹を膨らませていく。吐く息はできるだけ細く長く。

②吸う時は鼻からお腹を引っ込ませるように行う。

③吸い込む空気、吐き出す空気に意識を向けて、鼻腔や横隔膜を感じる。普段意識することのない鼻腔で空気の出入りを感じたり、横隔膜の動きを意識することがモーダルチャンネルを変えることにつながる。

④呼吸をしながら身体を緩める。ポイントは息を吐く時。人間は息を吸う時は自然に身体を緩めるので、吐く時に緩める意識で行うと、身体の力はスーッと抜けていく。

 

※実際に「気の玉」や気を作り出す方法については、本書をご覧ください。

 

 著者の書籍では、コーチングのシリーズが好きですが、本書では、学んだことがあり日常にも少し取り入れることができている「気功」について気になったので読んでみました。感覚的なところもあり、本を読むだけでは難しいかもしれませんが、レクチャーしてくださる方がいれば、この見えない「気」があたかも見えるようになり、世界観が広がります。「気功」は体験としてもソフトなので、見えるものは信じ、見えないものは疑うという、当たり前のような常識に「?」が立ち、もっと深い世界に気づける機会になると思います。