MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

サラとソロモン(エスター&ジェリー・ヒックス)

『サラとソロモン』(エスター&ジェリー・ヒックス)(◯)

 引き寄せ本の物語編という感じの一冊。主人公のサラという少女とふくろうのソロモンの対話を中心に物語が進み、人それぞの幸せとは何かについて考えさせられます。引き寄せ本は「あやしいなー」となかなか手に取れない方でも、本書であれば、童話を読む感じで手軽に読めます。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯帯より

・ある日言葉を話す不思議なふくろうのソロモンが現れ、サラは幸せな人生を送る法則を学んでいきます。

・「つまりね、さら、君の幸せが他の誰かがやったりやらなかったりすることにかかっている時、君は罠にはまっているんだ。なぜなら、他の人々が考えることや行うことを、君がコントロールすることはできないからさ。でもね、自分の喜びは他人にかかっているのではないということがわかったら、その時には本当に自由になれるんだ」

 

◯あのね、サラ、物事を区別するのに名前が必要なのは人間だけなんだ。人間以外はみんな、自分が誰なのか、自然にわかっているんだ。僕たちにとって、名前は重要ではないんだ。

 

◯実はね、サラ、僕はただ、君が話すことについて話しているだけなんだ。君が何か質問をした時にだけ、僕の答えは君にとって価値のあるものとなるんだ。誰も質問していない時に与えられる答えは、誰にとっても本当に時間の無駄なのさ。そんなことをしても、生徒にも先生にもちっとも面白くない。

 

◯君が質問したいことを考えるだけでいいんだ。たくさんの人々や生物が、想念によって気持ちを伝えている。その方がずっと多いんだ。言葉を使うのは人間だけだ。でも人間でさえ、言葉を使わずに気持ちを伝えることの方が多いんだよ。

 

◯望むこと、望まないこと

・「あら、答えたわよ、ソロモン。私が言ったのは、空を飛びたい理由は・・」

 面白くない地面の上を歩き回るのが好きじゃないから、だろう?あのね、サラ、君は「なぜ君が空を飛びたいのか」を話したのではないんだ。君が僕に話してくれたのは、「空を飛べないことを君が嫌だと思う理由は何なのか」ということだ。

・空を飛ぶことだけじゃないんだ、サラ。君が望んでいることは何かについて考えること。そして、なぜそれを望んでいるのかと考えることを練習してほしいってことさ。君が望んでいることを本当に感じられるようになるまで練習するんだ。

 

◯苦しみの連鎖

・僕の経験では、そんなことをすると、この世の中にもっと意地悪が増えるだけなんだ。まるで「苦しみの鎖」に繋がれてしまうようなものだ。彼らがまず傷ついて、その次に君も傷ついて、次に他の誰かが傷つくきっかけを君が作って、というふうにどんどん鎖が続いていく。それがどこで始まったかは、どうでもいいことなんだ。でもね、それが君のところにやってきたときに君がどう対処するかということは、すごく重要だ。

・「苦しみの鎖」を終わらせる3ステップ

①自分が欲しくないものは何かを意識的に認める。

②自分が欲しいものは何かを突き止める。

③それがどんな感じがするかを本当に感じられるようになる。

⇨欲しいものについて話したり、それが手に入ったらどうなるかを思い浮かべたり、手に入ったつもりになったり、あるいは、以前それを持っていたときのことを思い出したりすることが重要。とにかく、欲しいものについて考え続けて、「それがどういう感じがするかという実感」を見つけなければならない。いい気持ちがしてくるまで、自分が欲しいものは何か、自分に話し続ける。

⇨人々はいい人間でいたいと望むからこそ、何が良いことなのかを決めるために、周りを見渡して、ほかの人々の生き方を観察している。自分たちの周囲の状況を眺めて、その状況の中に良いことだと思えることと、悪いことだと思えることの両方を見ている。

⇨人がいろいろな状況を眺めているとき、それが良い状況でも悪い状況でも、ほとんどの人は自分がどう感じているかについて意識していないということ。そしてそれが、ほとんどの人にとって問題を起こすことになる。人はいつも悪いことを探し出しては、それを遠ざけようとばかりしている。それがどうして問題かというと、人々が「悪いこと」だと思ってしまっているから。人々は自分がどんなふうに感じているかを意識していることよりも、いろいろな状況を観察したり分析したり比較したりすることの方にずっと関心がある。そしてたいていの場合、その状況が彼らを「苦しみの鎖」の中に引きずり込んでしまう。

⇨物事や人々について考えながら、最高の気分を感じさせてくれるような考え方を見つける。物事や人々をいつもできる限り味わい愛でる。それが「喜びの流れ」につながる最高の方法。「味わい愛でる気持ちを感じさせてくれるようなことを考える」こと。

 

◯この宇宙の全ての物事の中には、「君が望んでいること」と「君が望んでいないこと」という要素の両方が内在している。どの人の中にも、どんな状況の中にも、どの場所の中にも、どの瞬間の中にも、その両方の要素のどちらかを選べるという選択肢が常に存在している。君がやるべきことは、君が望んでいるものだけが存在する完璧な場所を探すことではない。君がやるべきことは、君の望んでいるものを全ての場所の中に見つけ出すこと。

 

 続きは物語の中で・・。というような感じで、たくさんのセリフの中に、感じ取りたい重要なことが散りばめられています。自然体で臨めば、ネガティブなことに目が行き、それを改善したいというふうな思考になる。嫌な思いもする。ではなく、いろいろな選択肢がある中で、自分が気持ちのいいものを選び取って行く。いいものに目を向ける感じ。これは毎日の習慣化かなと思います。私も2年近く、10年日記をつけながら、いいところ探し(①昨日のプチハッピー、②自分のいいところ、③◯◯さんのいいところ)をやっていますが、これが結構効きます。

 自分で選びとっていると、時間の流れが「過去⇨未来」だけでなく、「近未来⇨現在」に向かっている感覚になります。まさに、未来を自分で決めている感じ。

サラとソロモン ― 少女サラが賢いふくろうソロモンから学んだ幸せの秘訣

サラとソロモン ― 少女サラが賢いふくろうソロモンから学んだ幸せの秘訣

 

f:id:mbabooks:20180418182230j:plain