MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

迷路の外には何がある?(スペンサー・ジョンソン)

『迷路の外には何がある?』(スペンサー・ジョンソン)(◯)

 世界で2000万部以上と爆発的に売れた『チーズはどこへ行った?』の続編です。ネズミ2匹と小人2人で展開される物語。迷宮でチーズを見つけて慢心していた小人2人にチーズがなくなるという事態が発生。ネズミ2匹は他のチーズを探しに出て行き、残った小人2人は呆然とし憤慨し環境変化に文句を言っている。うち1人が行動を起こしチーズ探しに旅立ち、いかに環境のせいにせず、自らリスクや不安はあっても行動することかを問いた前作。今回は、残されたもう一人の小人が主人公。信念の書き換えを説いた一冊です。何と言っても100ページ弱なのでとっても読みやすいです。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯物語の始まり(わかっている事実)

①新しいチーズを見つけなければならない。さもなければ死ぬ。

②迷路は危険なところで、暗がりや袋小路があちこちにある。

③全ては僕次第だ。自分でなんとかしなければならない。

 

◯従来通りの考え方をしていては、新しいチーズは見つからない(信念の書き換え)

・以前の状態に戻れたらいいのにと思ったけど、そう思っても何にもならない。昔通りには戻らない。

・自分の考え方を変えたり、捨てたりしたら自分は自分じゃなくなる?

・以前は、自分の考えを変えるのが嫌だった。何かに脅されているように感じたからだ。自分の信念を変えたくなかったが、それはその信念が気に入っていたからだ。その信念によって今の自分が作られたと思っていた。しかし、今そうではないとわかった。別の考えを選ぶことができたのだ。自分が自分でなくなることはなかった。

・「信念とは、自分が真実だと信じる考えのことである」

・「古い信念はあなたを囚人にしかねない」

・「あなたの足を引っ張る信念がある。あなたを向上させる信念もある」

・「あなたは考えを変えることができる。新しい信念を選び取ることができる」

・「あなたとあなたの信念はイコールではない。あなたは自分の信念を選ぶことができる」

・「もし可能だと確信したらあなたは何をする?」

・「あなたが信じることに限界はない」

 

◯迷路から抜け出す方法(まとめ)

①あなたの信念に気づこう

 信念とは、あなたが真実だと信じる考えのことである。
②あなたが考えたことすべてを信じてはいけない

 「事実」はあなたのものの見方に過ぎないときもある。

③役に立たないことは捨て去ろう

 古い荷物を持って新しい探索に乗り出すことはできない。
④迷路の外に目を向けよう

 ありそうにないことも考慮してみよう〜不可能なことも検討してみよう
⑤新しい信念を得よう

 あなたが考えを変えても、あなたはあなたである。
⑥あなたが信じることに限界はない

 あなたは自分が考えるよりずっと多くのことを行い、経験し、楽しむことができる。

 

  信念の書き換え、認知レベルの書き換えは、人生にとってもとても大切なこと。今の自分が見えている範囲はごく限られたものかもしれないし、同時並行でもっと別の選択肢、別の世界も無限にある。信念が書き換わるようなパラレルシフトが突如訪れることもあるし、時間の経過とともに自然と変化していることもある。自分一人じゃ気づかないけど、誰かと話をしているときに気づくことがあります。コーチング活動をやっていて思いますが、人と話すことは多くのことに気づけるチャンスがたくさん。「対面」の大切さを感じます。

『迷路の外には何がある?』 ――『チーズはどこへ消えた?』その後の物語

『迷路の外には何がある?』 ――『チーズはどこへ消えた?』その後の物語

 

f:id:mbabooks:20190423072817j:plain