MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

ゴールドビジョン(久野和禎)

『ゴールドビジョン』(久野和禎)

 「思考のクセ」、「セルフトーク」というテーマが取り上げられていたので、関連することをまとめておきたいと思います。

 

◯思考のクセ

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・本書では、人は、①お金、②時間、③他人という「3つのものさし」で物事を考えてしまうという説明がありました。

→私は、「お金」は結局、他人と比べるというところに含まれると考えているので、①他人と比べる、②過去の自分と比べるという「2つのものさし」がしっくりきています。

→よく、「過去と他人は変えられない」というのもこの「2つのものさし」のことだと思います。その上で、この2つないし3つの「ものさし」はダメなのか?という点が考えるべきポイントです。

→比べないとどうなるか。今の自分に必要なゴールを描き続け、それをクリアし続ける。これは、「有り」だと思いますが、この過程で「過去や他人との比較を持ち出さない」となると、相当ストイックな感じがします(つまり、レベルが高いので、一気にこのレベルに達しようと思うと挫折する)。または、「過去や他人と比較しない」ために自分なりの自然体で過ごし、成長が緩やかになる(これでOKとも言えるし、物足りないとも言えるし、その人の価値観次第)。

・考えるべきは、「過去や他人との比較」を自分の成長にどのように結びつけるのか?

・「事象→捉える→感情→行動」という流れの「感情」がポイントなので、「捉える→感情」を「捉える→感情→捉え直す→感情」のサイクルを何度か回して、「で、どうする?」という問いを自分に立てて、未来に向けて行動する。というのは、私なりの思考・行動パターンです。

 

◯セルフトーク

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・本書では、「セルフトークを制する者は、人生をも制する」として、「潜在意識から湧き出してくる「湧き出し型セルフトーク」と、潜在意識に刷り込む「刷り込み型セルフトーク」というのが紹介されています。

⇨セルフトークに関して私が考えていることは、セルフトークには、「ネガティブ型」と「ポジティブ型」があり、それぞれ循環を生み出し、その違いは、「行動するか、しないか」にあるということです。

・「ネガティブ型セルフトーク」:ネガティブ感情(自分はダメだ、あの人はいいなぁ等)→正当化する(私が◯◯なのは、◯◯だから)→ネガティブ感情の強化→「そうは言っても」と逆の感情で奮い立たせても→行動しない(行動しないことも正当化される)

・「ポジティブ型セルフトーク」:ポジティブ感情(自分はできる、あの人に近づく等)→正当化する(◯◯すれば(だから)できるはず)→ポジティブ感情の強化→「そうは言っても」と逆の感情でネガティブが出ても→その対処を考える(リスクに備える)

・「ネガティブ型セルフトーク」も「ポジティブ型セルフトーク」も、結果「言行一致」してしまう。「自分が望んだようになる」「自分の言葉の通りになる」「言霊」「人は自分が見たいものだけを見る」・・いろんな形で表現されますが、「感情」を「正当化」で強化するというプロセスがポイントです。

・ここで大切なのが、「ネガティブ型セルフトーク」が湧き出てきたときに、それに気づく→「それって本当?」とセルフトークして捉え直すプロセス。そう!前半で出てきた「思考のクセ」に気づくということです。あとは同じ。「捉える→感情→捉え直す→感情」のサイクルを何度か回して、「で、どうする?」という問いを自分に立てて、未来に向けて行動する。

・著者は、プロコーチの方ですが、私も延500人ほどコーチングに関わらせていただき、感じるのですが、「思考のクセ」って、まず気付くのが難しい。そして、修正するのも難しい。なぜなら「クセ」だから。コーチはそこをフォローできる立場。当事者の立場からすれば、第三者を通じて気づく方が、早くて楽。こんなところにコーチの存在意義を見出せるのではないかと思います。

 

(後記)

・8月からコーチング活動を本格的に再開しようと計画中です。

・本業の他に、Wスクール(コーチング)とオンラインサロン活動の3本柱で2021年後半に臨もうと思います。