『時間術大全』(ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー)(◯)
これはおもしろい良書でした。googleとYouTube出身の著者が実践を重ねた結果をまとめた時間を主体的にコントロールする方法。お二方の経歴がゆえに、デフォルト(初期設定)としてのSNSを否定していいの?と思ってしまいますが、SNSは通知機能によって見に行きたくなってしまい、いつの間にか時間を取られてしまう存在。アプリからSNSを削除するところまでやっちゃったお二人の時間術とは?
【3つの学びポイント】
①デフォルトの悪循環を断ち切るメイクタイム
②ハイライト⇨レーザー⇨チャージ⇨チューニングのサイクルを回す
③「選ぶ⇨試す⇨繰り返す」〜毎日が実験のチャンス〜
(印象に残ったところ・・本書より)
◯メイクタイムの仕組み(以下のサイクル)
①ハイライト(最重要事項を選ぶ)
毎日、その日の優先事項としてスケジュールを確保する活動を1つ決める
②レーザー(気を散らすものを撃退する)
反応のサイクルを断ち切るために、テクノロジーの使い方をデザインし直す
③チャージ(体を使って「脳を充電」する)
運動や食事、睡眠、静寂、親密な時間などでバッテリーを充電する
④チューニング(システムを調整、改善する)
寝る前にメモを取る
◯成功のコツは「選ぶ、試す、繰り返す」
全部の戦術を一気に試す必要はない。料理本のレシピを一度に全部試す人がいないのと同じ。毎日が実験のチャンス。
◯ハイライト(最重要事項)
・今日のハイライトを決める。その日を振り返る時にしみじみ噛み締めたいのはどんな活動や成果、瞬間だろう?
・ハイライトを決めると、毎日に焦点ができる。
・人が1日をどう感じるかは、自分の身に起きる「できごと」によって決まるのではない。人は「何に注意を向けるか」によって、自らの現実を作り上げている。
・ハイライトの3つの選び方
①緊急性(今日やらなくてはいけない最も急を要すること)
②満足感(何をハイライトに選べば、1日の終わりに最大の満足感が得られるだろう)
③喜び(今日を振り返ったとき一番喜びを感じられるのは何をした時だろう)
・60〜90分が最高の成果が得られるスイートスポット
◯ハイライトの戦術
・計画に書き出す(付箋に書く)
・デジャブ(昨日と同じハイライトをもう一度する)
・優先順位づけ(リストアップ→1〜5番目に大事なものを選ぶ→1番の項目を丸で囲む)
・雑事をまとめて1つの大きなタスクにする
・「やるかもしれないリスト」を作って、そこからハイライトを選ぶ
・ハイライトを予定表に入れる
・「予約済み」を予定に入れて他の予定をブロックする
・時間の余裕が生まれたら「もう1つだけやろう」はやらない
◯レーザー(気を散らすものを撃退する)
・ある調査ではモバイルユーザーが1日にスマホを触る平均回数は2617回。「注意散漫」がデフォルトになっている。
・気が散らない「iPhone」づくり。
とりあえず24時間試してみよう。
①ソーシャル系アプリを削除する
②「その他の無限の泉アプリ」を削除する(ゲーム、ニュース、YouTubeのようなストリーミング動画アプリなど、面白いコンテンツを無限に供給してくるアプリ)
③メールアカウントを削除する
④ウェブブラウザを無効にする
⑤それ以外の全てを残す
・毎回ログアウトする。「このパスワードを保存しますか?」と聞いてきたら「いいえ」を選ぶ。
・アプリの「通知」をオフにする
・スマホのホーム画面を空っぽにする(美しい壁紙だけが目に入るようにする)
◯チャージ(体を使って「脳を充電」する)
・毎日運動する。20分ほどでOK。できなくても小さく、毎日。
・デフォルトを「なるべく乗り物に乗る」から「なるべく歩く」に変える。 ウォーキングは「奇跡の薬」。
・めんどくさいことをすると体を動かす機会になる。階段を使う、キャスターなしのケースを使う・・。
・加工されていないリアルフードを食べる
・カフェインの使い方
①朝はコルチゾールの分泌量が自然に増える。血中のコルチゾール濃度が高い時カフェインはまり効かないので、その時間帯を避けて、9時半ごろに1杯目のコーヒーを飲む。
②疲れる30分前にコーヒーを飲む。
③カフェインの飲料が招く変動を避け、1日中安定したエネルギーレベルを保つには、コーヒー1杯を緑茶2〜3杯に変える
④カフェインの門限を決める。体内での半減期が5〜6時間。睡眠を考えるとカフェイン摂取は16時ごろまで。
◯チューニング(システムを調整、改善する)
・毎日をチューニングする
①何が起こっているのかを「観察」する
②なぜそれが起こっているのかを「推測」する
③仮設テストをするための「実験」を行う
④結果を「測定」して仮説が正しいかどうかを判定する
・メモを取る
①今日のハイライト
②ハイライト時間を作れたか?(Yes No)
③レーザー/チャージは10点満点で何点?
④今日試した戦術/どうだったか?
⑤明日試したい(繰り返したい)戦術
⑥今日の感謝の瞬間
私も本書にある戦術のうち、次の3つを実行してみました。自分で主体的にアプリを使っている感覚が出てきて、ついつい見てしまう時間が減っています。
①スマホのホーム画面のアプリを次ページ以降に移しホーム画面は壁紙のみに。
③アプリの通知機能をオフ