『アウトプット大全』(樺沢紫苑)(◯)
インプットとアウトプットは車の両輪。より高速に、より濃密に循環させることで、らせん状に急速に成長していきます。本書は、猛烈なほどのインプットとアウトプットを循環させていらっしゃる著者が、アウトプットを切り口に80の観点からまとめられた一冊です。ベストセラーを連発されていますが、本業は精神科医ということで、脳内物質の働きに触れながら科学的に論拠を説明されているところがいいところです。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯話す
・感想を話すだけで、脳は活性化し、記憶の増強・定着にも大きく貢献する。
・自分の意見、自分の気づきを一つでいいので盛り込む。
・仕事の成功や良好な人間関係を維持するには、ポジティブな言葉はネガティブな言葉の3倍以上必要。
・悪口を言うとストレスホルモンであるコルチゾールが分泌される。
◯目を見る
・アイコンタクトがあると、幸福物質であるドーパミンが分泌され、記憶も増強される。
◯質問する
・「カクテルパーティー効果」:人混みや雑踏の中でも、自分の名前や自分の興味があるキーワードを自然に聞き取ることができる現象。自分に質問し、それを書き留めることで「選択的注意」が働くようになり、脳はその答えを必死に探すようになる。
◯プレゼンする
・罰やストレス、緊張などの不快なものは、一定量あった方がパフォーマンスが上昇する。適度の緊張状態では、ノルアドレナリンが分泌され、集中力や判断力を高め脳のパフォーマンスを飛躍的に高めてくれる。
◯自己紹介する
・30秒(200文字)と60秒(400文字)の2パターン作る。
・差別化ポイントを盛り込む、数字を盛り込む、ビジョンを盛り込む。
◯感謝する
・感謝することで、ドーパミン(幸福物質)、セロトニン(癒しの物質)、オキシトシン(リラックスの物質)、エンドルフィン(脳内麻薬・究極の幸福物質)など、脳と体にいい作用を与える4つの脳内物質が分泌される。たった一つの行動で4つの脳内物質が分泌されることは、他にない。感謝は最高の脳トレーニング。
◯TODOリストを書く
・紙に書く
・常に机の上に置く
・達成したら豪快に斜線で消す
◯気づきをメモする
・「アハ!体験」をして「気づき」を得たとしたら瞬間的にメモをする必要がある。できれば30秒以内、遅くても1分以内にメモをとる(30秒とか1分で元に戻る)。
◯ぼーっとする
・「ぼーっとする」時間は良質なアウトプットのために必須の時間。
・ぼーっとしている状態は、デフォルトモード・ネットワークが活性化している。デフォルトモード・ネットワークが稼働する時間が少ないと、前頭前野の物事を深く考える機能が低下する。
◯ノートを取る
・1冊のノートに全てをまとめる
・自分のこだわりのノートを持つ
・見開き2ページに収める
・レジュメにメモしない
・細かくノートを取り過ぎない
・気づきを3つ書く
・TODOを3つ書く
◯引用する
・Google scalar:学術論文、学術誌、出版物だけを検索結果として表示してくれる。
・Googleブックス:書籍内の全文を対象に検索できる。
◯目標を書く
・難易度をちょい難に設定する。
・期限をつける
・TODOに落とし込む
・客観的に評価できるようにする
・小さな目標に分割する
◯目標を実現する
・毎日目標を見返す
・目標を公言する
・定期的にフィードバックする
◯絵や図を書く
・脳の9割は視覚情報処理
・視覚情報の処理速度は文字情報の6万倍
・記憶の8割は視覚記憶
・視覚情報の活用で、学習効果は4倍になる。
◯教える
・「ラーニング・ピラミッド」(アメリカ国立訓練研究所)
1)講義:平均記憶率5%
2)読む:10%
3)視聴覚教材:20%
4)実験機材:30%
5)グループ討論:50%
6)体験を通じた学習:75%
7)他人に教えた経験:90%
◯完成させる
・「30点の出来で、とりあえず最後までやる」ことが重要。質は別として「最後までやる」ことが重要。
◯笑う
①免疫力が高まる
②ストレスが緩和される
③痛みが緩和される
④各種身体症状に効果がある
⑤記憶力が向上する
⑥幸せになる
⑦考え方がポジティブになる
⑧ 長生きする
アウトプットは、意識してもしなくても毎日の中で行なっているもの。であれば、より意識してアウトプットした方がアウトプットの質が高まると思います。毎日積み重ねるものだからこそ、質を高めたい部分でもあり、本書はどのように工夫するかという点においてヒントが盛りだくさんです。
学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)
- 作者: 樺沢紫苑
- 出版社/メーカー: サンクチュアリ出版
- 発売日: 2018/08/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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