MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

難しい性格の人との上手なつきあい方(フランソワ・ルロール&クリストフ・アンドレ)

『難しい性格の人との上手なつきあい方』(フランソワ・ルロール&クリストフ・アンドレ)(◯)

 良書シリーズ、着々と読み進めております。本書は目次を見た感じ、治療が必要な領域だから、「あんまり関係ないかなー」、いくつかつまみ読みでいいかって思っていたのですが、読み進めるや、「あれ?」結構当てはまることが多い!!ってなり、結局おもしろくて全部読んじゃいました。よくよく読むと病気の話ではなく、そのもう少し軽い性格の癖、特徴みたいなもののようです(だから「〜症」ではなく「〜性」)。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯本性で扱う性格(目次より)

①心配性
②妄想性
③演技性
④脅迫性
⑤自己愛性
分裂病
⑦タイプA行動パターン
抑うつ
⑨依存性
⑩受動攻撃性
⑪回避性

 

◯心配性

・心配の先取り、危険に対する過大評価

・基本的な思い込みは、①世界は危険に満ちていて、いつ恐ろしいことが起こるかわからない。②注意さえしていれば、ほとんどの事故は防げる。

・(本書では各章ごとに、した方がいいこと、しない方がいいことが紹介されています)


◯妄想性

・極端に警戒心が強い。悪意に解釈する。頑なで柔軟に欠けた態度。

・そういった態度の裏には冷たい合理性があって、自分が正しいと論理的に確信したら、絶対に譲ることはない。

・進化論的立場から言えば、生存に適している。


◯演技性

・人から助けてもらうには、私はいつでもその相手に魅力的だと思ってもらわなければならないという基本的な思い込みがある。

・相手にこちらをむてもらうためには、ありとあらゆることをする。


◯脅迫性

・完璧であることを求めて頑固にはなるが、基本的には真面目で誠実。

・基本的な思い込みは、①規則に従っていれば、すべてうまくいく。②100%うまくいかなかったら、それは完全な失敗だ。


◯自己愛性

・自分が素晴らしい人間だと思っていて、そのことを他の人にも知ってもらいたいと思っている。

・基本的な思い込みは、自分は他の人よりも価値のある特別な人間だ。したがって、誰もが自分を尊敬しなければならない。


分裂病

・自分の心の内を明かさない。一人ですることを好む傾向にある。感情表すことが苦手。相手の反応に無関心なように見えることもある。外の世界よりは、自分の内面に目が向いている。

・思い込みは、人との関係は何があるか予測できないし、疲れる。また、誤解も生じる。それならば、いっそのこと付き合わない方がいい。


◯タイプA行動パターン

・タイプAは、時間と戦い、競争を好む。多くの仕事を抱えてそのすべてを懸命にこなそうとする。

・タイプBは、じっくりと考えてから行動する。相手の話をゆっくりと聞く。急いでやらなければならないという気持ちになることが少ない。

・1日の間には次から次へと色々な問題が起こり、そのひとつひとつを全力で片付けていかなければならない。


抑うつ

・物事を暗くみがち。自分対しても自信が持てない。将来に対しても明るい見通しを持つことができない。すなわち、「自分」「世界」「将来」の3つに対して否定的な見方をしている。

・基本的な思い込みは、①自分には十分な能力がない、②人生は辛く不公平なものだ、③自分や自分の大切な人にはきっと悪いことが起こる。


◯依存性

・人に受けれられたい、グループの一員として認められたい。誰かと親しくなりたいという気持ちから来たのではなく、ひとりぼっちにされたくないという気持ちから来ている。

・基本的な思い込みは、①自分は一人では何もできない、②他の人は自分よりも強く、能力があるので、相手に気にってもらうことができれば、きっと助けてもらえるだろう。

 

◯受動攻撃性

・人から何か言われてその通りにしなければならなくなると、受動攻撃性の性格の人々は欲求不満を感じ、相手に反抗したくなる。

・基本的な思い込みは、①人の言うことを聞くのは敗北だ。②自分の意見をはっきり言ったら、危険を冒すことになる。


◯回避性

・人から受け入れられなかったりする状況を極端に恐れる。

・自己評価が低い。人間関係に対する神経過敏な態度。

・回避性の正確には2つのタイプがある。

①全体に人と付き合うのを恐れる傾向にあるが、それでも何人かの人とは親しく付き合おうとするタイプ。

②疑い深くて人を信用することができず、そのため人と親しい関係を築くことができないタイプ。

 

 各章の最後に10個のチェック項目があるのですが、これが思い当たるものがそれなりにあり、なるほど、自分とまったく縁遠いというものではなく、むしろ身近にあり、程度の高低こそあれ、その傾向とどう付き合っていくかを考えることが大切なんだと感じました。この本もコンテンツのネタ本確定です。

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