『自己評価メソッド』(クリストフ・アンドレ)(◯)
一連のシリーズ6冊ようやく最後の一冊にたどり着きました!どれも良い本でした。『感情力』『他人がこわい』『自信を持てない人のための心理学』『難しい性格の人との上手なつきあい方』『自己評価の心理学』、そして本書。自己評価とは、まず「自分についてどう思うか」、次に「他の人からどう見られていると思うか」。本書は、自分とうまく付き合うための心理学。内容は、①自分との関係を改善する、②他人との関係を改善する、③行動の仕方を改善するの3本立て。この3つが揃うと自己評価が良くなるそうです。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯自分を受け入れるための実践法
①意識的になる
②現実に対して「その通りだ」と言う
③状況をありのままに受け止める
④最悪のシナリオを考える
⑤過去を受け入れる
◯自分を批判することの問題点
・自分を見る目が実は自分の目ではなく、自分に対する判断が実は自分の判断ではない。「他の人はこう見るだろう」という目で見て、「他の人はこう判断するだろう」というやり方で判断する。
・たいていの場合は、厳しく判断してしまう。自分は他の人から見て完璧でなければならないという思い込みがある。この思い込みは、自己評価の歪みつながる。
◯自分を批判しないための実践法
①自分に好意的になって公平な見方をする
②自分の中の不安を見つめる
③事実と解釈を区別する
④すぐに結論を出さない
⑤別の言葉で言い直してみる
⑥自分のことは自分が一番よく知っていると思わない
⑦他の人に対する時のように言う
⑧すぐに効果が表れることを期待しない
◯自分と話をするための実践法
①人に話す
②日記を書く
③時間を決めて、自分について考える
④何押しないで考える時間をつくる
⑤否定的な言葉より肯定的な言葉を話す
◯コンプレックスと戦う(したほうがいいこと)
①コンプレックスを持つに至った原因を理解する
②他の人を観察する
③誰かと話してみる
④人の意見に耳を傾ける
⑤すべてをコンプレックスのせいにしない
⑥コンプレックスに挑戦する行動をしてみる
⑦もっと大きな目で自分を見る
◯自己評価と自己主張の円環構造
・良い自己評価⇨良い自己主張⇨さらに良い自己評価⇨さらに良い自己主張
・悪い自己評価⇨自己主張ができない/悪い自己主張しかできない⇨さらに悪い自己評価⇨ますます自己主張ができない/さらに悪い自己主張しかできない
◯人から受け入れられなかった時の実践法
①鏡を見る
②日常の小さなことをする
③攻撃的にならない
④人と交流する
⑤すでにある関係を傷つけない
⑥自分を傷つける行為をしない
◯人から受け入れられない恐怖と戦う実践法
①「人から受け入れられていない」と言うのは思い込みに過ぎないことを知る
②思い込みが顔を出しそうになった時に気づく
③とりあえず行動し、その結果を受け入れる
◯人から存在を認められたいという気持ちに関する実践法
①存在を認められていることに気づく
②合図を過小評価しない
③存在を認められたいという気持ちと愛されたいという気持ちを混同しない
◯人はどんな時に比較をするか
①自分にこだわっているとき
②失敗したとき
③困難な状況にあって不安なとき
◯比較や競争をし過ぎないための実践法
①良い比較をする
②悪い比較や競争をしない
③人は競争に動機づけられやすいと知る
④人ではなく自分と比較をする
◯羨望や嫉妬と付き合うための実践法
①良い羨望を持つ
②羨望を無関心に変える
③自分が今持っているものを自分のものだとは思わない
④人や自分との関わり方を見直してみる
◯人を受け入れるための実践法
①批判するのではなく理解して共感する
1)相手に対する判断を細かく分ける
2)人格ではなく行動を批判する
3)一般化するのではなく個別化する
4)理解して共感する
②密かに敵を燃やすのではなく話してみる
③小説を読んだり映画を観たりする
◯相手を許すための実践法
①非暴力は勇気ある行為である
②行為を問題にして人を責めない
③対立の後に来る平和を考える
◯人に優しくするための実践法
・できるところで、できるだけ優しくする
◯人に寛大になるための実践法
①寛大さとは相手が期待しているより多く与えることだと知る
②ともかく漢代になって結果を見てみる
③寛大さは人類が獲得してきた資質だということを知る
本書は多数のメソッドが一気に紹介されており、自己評価を高めるヒントが多掴みで学べます。それぞれ自分でも試してみながら良さそうなものを取り込んでいきたいと思います。