『エッセンシャル思考』(グレッグ・マキューン)<2回目>(◯)
エッセンシャル思考とは、自分にとって本当に大切な物事に時間も労力もフォーカスし、他のものは割り切って切り捨ててしまうタスクの断捨離法。発売当初(2014年)、本書を読んだときは、「やりたいことだけをやって、頼まれごとを取捨選択していて、組織でやっていけるのだろうか?」という疑問が溢れる内容で、正直あまり響きませんでした。
今回、7年ぶりに読んでみて、「読み手の想定をまちがえていたこと」に気づきました。そう。本書は、ビジネスのケースが取り上げられていますが、いわゆる組織人を念頭に置いて読むと、とても違和感が溢れますが、経営者、自営業者、またはビジネスではなく、人生の取捨選択というように、一個人としての場面を想定しけてば、やりたいことにフォーカスする人生、すなわち、自分の人生を歩むことができるという考え方に共感できます。
本書の活かし方としては、自分の人生の価値観を見出し、それに沿った人生を歩むことを前提に、タスクの優先順位を整理することに役立てる、ひいては、タイムマネジメント(限られた時間の中で何を行うか)にも役立つ一冊だと思います。
◯エッセンシャル思考の基礎
①選択
・時間とエネルギーの使い方は選べる
②ノイズ
・世の中の大半のものはノイズ
・「どうやって全て終わらせるか」ではなく、「どの問題が一番重要か」
◯見極める技術
①何をやるか?
・すべてやる⇨正しいことをやる
・何を諦めようか→何を全力でやろうか
②なぜやるか?
・他人の期待⇨正しい理由
・絶対にイエスだと言えない限り、それはノー。
③いつやるか?
・今すぐやる⇨正しい時期
◯捨てる技術
・できる人は「ノー」と言う
→何が自分のやるべきことがはっきり分かっている。
迷うと言うことは、自分のやるべきことがわかっていない。
◯仕組み化の技術
・正しく「減らす」技術は、①見極める、②捨てる、③仕組み化するのサイクルを回すこと。
◯本質目標
・「一般的か具体的か」×「刺激的×平凡」
①一般的×刺激的=ビジョン・ミッション
②一般的×平凡=価値観
③具体的×刺激的=本質目標
④具体的×平凡=四半期目標
私が属しているコミュニティに「DoMaNNaKaスクール」という、自分の天命・使命を探究し行動し続けるグループがあります。まさに、何をなぜやるのかが明確になると、時間とエネルギーの使い方が変わり、自分の内面と行動の一致感が高まっていくことを実感しています。
そして、自分の天命・使命(自利)と利他が重なっていくと、周りに自然と人や機会が集まり、好循環が生まれてくる。ここまでくると、かなり高いレベルで人生を楽しめる感覚を自信を持って体現できるのではないかと思います。
エッセンシャル思考は、決して自分勝手にやることを厳選していくというものではなく、自分の内面との一致感を高める生き方で世の中に貢献していく生き方を考えるための一冊だと思います。