『こころのレシピ』(クリストフ・アンドレ)
著者は、精神科医の現場畑の方です。一般読者向けの心理学シリーズはとても分かりやすく(平易な記載と図表での整理など)、良書が多いので、こちらの本も読んでみました。
本書は、幸せと不幸を分ける点はどこにあるのか、幸せを作っていくためのレシピ等が整理された一冊で、さすが医療現場の先生が書かれた著書というほど、たくさんの事例が紹介されていて、イメージが湧きやすい内容でした。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯幸せとは似ているけど違うもの
・欲望の満足:物質的な欲望は、幸せに役立つことはあっても幸せそのものにはならない。
・快楽:そこで感じた喜びは、あくまでも部分的なものに過ぎない。
・喜び:喜びは多くは外で起きたことへの反応、幸せは心のずっと奥で感じるもの。
◯悲しい気分に対するレシピ
・自分の気分について考える
・悲しい気分が習慣にならないようにする
・行動する
◯心配や不安に対するレシピ
・心配せずによく考える
・疑いを確信に変えない
・最悪のシナリオを作らないようにする
・信じることを学ぶ
・自分にできることとできないことの区別をつける
◯悲観的な物の見方に対するレシピ
・悲観的な見方を疑ってみる
・ネガティブな言葉を繰り返さない
・悪い予感の当たる確率を調べてみる
・最初から否定せず、やり方を考えてみる
・幸せになりたいかどうか考える
◯対人関係に関するレシピ
・他人に完璧を求めない
・ストレスを溜め込まないようにする
・感情をぶつける前にもう一度考える
・感情的にならずに相手を理解する
◯過去の幸せとのギャップに対するレシピ
・現在の幸せに集中する
・昔の思い出を財産と捉える
◯他人の幸せとのギャップに対するレシピ
・羨望を前向きに捉える
・自分の羨望についてよく考える
◯理想の幸せとのギャップに対するレシピ
・理想の幸せが実現するとは考えない
・理想は脇において、まずは現実を生きてみる
・不完全な幸せを受け入れる
◯幸せになるための基本的なレシピ
・幸せになろうと決意する
・幸せになろうと努力する
◯努力を空回りさせず根気良く続けていくためのレシピ
・幸せを強迫観念にしない
・すぐに結果を欲しがらない
・たとえ失敗しても挫けない
◯幸せに気づくためのレシピ
・今の自分の幸せを知る
・幸せの儚さを理解する
・今の幸せに集中する
◯小さな幸せを見つけるレシピ
・「〜である」幸せを見つける
・「〜を持っている」幸せを見つける
・「〜をする」幸せを見つける
・「〜に属する」幸せを見つける
◯気分を換えるためのレシピ
・気分を換えることの大切さに気づく
・自分にご褒美をあげる
・罪悪感を抱かない
◯楽観的になって行動するためのレシピ
・考えたことは行動に移す
・現実の範囲の中で楽観的になる
・自分や他の人を信じる
◯幸福知能を伸ばすためのレシピ
・幸せな人たちを観察して、その生き方を学ぶ
・なんでもないことに幸せを発見する
・人生と折り合いをつける
・感謝の気持ちを持つ
・幸せになれる時に幸せになる
◯人に幸せを与え、自分の幸せを長続きさせるためのレシピ
・寛大になる
・慎み深く生きる
・自分の価値観を押し付けない
・すべての人の幸せを願う
本書では、上記のような各レシピについて、具体的にどのように行動すれば良いのかがまとめられています。考え方を変え、行動を変えた先に、今よりもさらに自分らしい生き方が待っているのだと思います。