脳と心の洗い方(苫米地英人)
『脳と心の洗い方』(苫米地英人)(◯)
実践的かつ科学的な使える一冊。著者は、脳機能学者、計算言語学者、分析哲学者、実業家。コーチングの祖ルー・タイスとコーチングメソッドを開発されるなど、人生を好転させる手法をたくさんお持ちであり、これが論理的裏付けに基づいた魅力的な内容です。本書は、2006年に発行され、「脳ブーム」の火付け役となった一冊で、特に、第3章の「なりたい自分になるために知っておくべき4つのこと」、第4章「なりたい自分を現実化する方法」は、なるほどなぁとすぐに取り入れたい考え方でした。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯なりたい自分になるには
・どんなに「やります」と言っても、無意識レベルまではいかないのが「決心」。無意識レベルまで決心ができないと、人生を変えることはできない。
・本書で紹介されているのは、「あなたは◯◯になれると勘違いできる」技術。
◯「なりたい自分」になる方法
・自分自身をもだます「大いなる勘違い」状態を作る。そのためには4つの概念が大切。
①変性意識
②内部表現
④プライミング
・自分自身をトランス状態に置く
→トランス状態:物理的現実的世界と同じくらいか、それ以上の仮想世界の臨場感が高い状態
・自分の内部表現を操作することで「臨場感のある目標」を作る
・「臨場感のある目標」にプライミングを働かせることで「大いなる勘違い」状態が作られる。
→そうすると、ホメオスタシス(甲状腺維持機能)が働いて、身体が安定的な状態へ変更していく。
・内科の薬の効果の多くは「プラシーボ効果」。統計的にいうと、内科の誤診率は良くて7割。3割くらいしか当たっていない。
・プライミングとは、自分にとってより望ましい状態、死滅しない状態に持っていこうとするモチベーションのこと。「金持ちになりたいから今日どうしよう」というような行動。
◯「アンカー」と「トリガー」でいつでも再現できる状態を作る
・アンカー:記憶しておくこと。
・トリガー:心理状態や体感状態を引き起こす引き金が「トリガー」。アンカーを引き起こすために使われるのがトリガー。
・「大いなる勘違い」状態を先にイメージしてから、その世界と自分の何らかの日々の行動、日々見ている世界をトリガーに結びつけることが成功の方法。
◯リアリティを増していく
・10年後は先すぎる。5年後くらいが良い。1年後、3年後、5年後くらいのゴールをリアルにする。それをリアルな姿ではっきりと思い描く。視覚情報、聴覚情報、味覚情報など全部。
・リアリティをアンカーとしてトリガーを作る。トリガーは基本的に自分の周りにあるもの(普段着ている服など)。トリガーにするものは、5年くらい使えるものがベスト。
→例えば、今着ている服を5年間使う心構えがあれば、この服を見ると「俺はこの服を着てマザーズの壇上に立つんだ」というふうに考える。
苫米地さんの書籍は、脳機能学者として科学的な裏付けに基づいて、目に見えない世界を目に見えるかのように分かりやすく解説されているので、とても興味深く読めると思います。