『時間革命』(堀江貴文)
「時は金なり」という言葉は時間とお金を「同等に価値があるもの」とみなしているが、これは馬鹿げた話で、人間にとって何より尊いのは時間というところからスタートする本書。時間の質を高めれば人生の質も高くなる(=ハッピーになれる)。そのために、著者が普段どんな考え方で時間を捉えているかがまとめられた1冊です。
【本書の学び】
①時間には「自分のための時間」と「他人のための時間」がある。
②隙間時間を活かせるかどうかは人生の充実感に大きな影響を与える。
③常識にとらわれず、今ここを楽しむことが大切。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯時間には2種類しかない
・「自分のための時間」と「他人のための時間」
・自分の時間が多ければ多いほど人生の質は高くなる。
・「自分の時間を増やす+他人の時間を減らす→人生の質が高くなる」。実にシンプル。
・日頃から「これは自分の時間?それとも他人の時間?」と習慣的に自問するといい。
◯「多忙」と「多動」
・時間の価値を高めたい時、注意すべきは「多忙」と「多動」を勘違いしないこと。多忙な状態が続いていると、なんとなく毎日が充実しているような錯覚に陥ってしまう。
・目指すべきは「多動」。余計なことを考える暇がないくらいに、自分の心が踊る予定だけで、時間をしっかりと埋め尽くし、無我夢中で動き回る。
◯世間を意識して悩むのは最悪のムダ
・他人時間の正体は、「他人そのもの」ではない。時間を手に入れることを真剣に考えるとき、何よりもの敵は「自分」。
・人生における最大のムダ、それは「悩み」の時間。
・悩むのは、何か決まった問題に対して前向きに解決策を考えるのとは違う。本当は「こうしたい」という自分なりの答えがあるのに、ロクでもない「プライド」や自意識」が足を引っ張っている。
◯隙間時間は黄金の時間
・隙間時間のいいところは、「締め切り」があること。
・人々の隙間時間を制する者こそがビジネスを制するといってもいい時代。
・人々には「隙間時間を埋めたい」という思いがある。現代において「爆発的に売れるもの」には、多かれ少なかれ、隙間時間が絡んでいる。
◯デスクに長く座っている人間は無能
・スマホが使える時代に「空間」に縛られた働き方をしている人は、必ず「時間」をムダにしている。スマホを使えば簡単に手に入る隙間時間をみすみすドブに捨てている。
◯「無常」こそが体感時間を無限にする
・「これが当たり前だ」「そんなの常識だよ」というのが口癖になっている人は、注意したほうがいい。既存の仕組みや制度を「当たり前のもの」と受け止めた瞬間に、あなたの自分時間はものすごいスピードで手元からこぼれ落ちていく。
◯行動量は情報量に比例する
・「動き続けられる人」になりたければ、情報量を増やしさえすればいい。ごくごく単純な話。
◯自分のリズムを狂わされるな
・どんなに仕事の処理能力が高くても、リズムとか間が悪い人は何をやってもダメ。そういう人は、相手の都合の構わず変な時間に電話をかけてきたり、土壇場のタイミングで過大なリクエストを送ってきたり、用件のわかりづらい長文メールを送ってきたりする。
・そんな人が決まって口にするのが、「バタバタしていまして・・」という言葉。彼らは決まって「優先順位がつけられない」「仕事をまとめて片付けようとする」という点で共通している。
◯楽しい仕事をする
・努力、成果、お金・・・そんなものに「働く意味」を求めている限り、あなたの人生は「他人時間」に食い荒らされて終わっていくだけ。
◯「年齢」とは幻想
・「変わらないものはない」。ずっと続くものなんてないし、「長続きすること」それ自体には何の意味もない。
・「ゆく川の流れはたえずして・・」(方丈記)、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」(平家物語)みたいな無常の世界。熱力学の第二法則、いわゆる「エントロピー増大の法則」なんかもこれに近い。たとえ秩序が作られても、エントロピー(乱雑さ)は絶えず増大し、全ての物事は拡散・崩壊に向かっていく。それが世界の理。
・忘れてはならないのは、僕たちは本質的に、1個1個のくだらない「泡」に幸せを感じてしまう存在。所詮は「泡」なのだから、割れないように大事にしすぎても仕方がないし、たとえ消えてしまっても打ちひしがれる必要もない。ただ、次から次へと現れる「泡」を楽しめばいい。
時間に対する価値観は人それぞれだとは思いますが、冒頭にある「自分の時間」と「他人の時間」を考えた時に、どのくらい自分の時間を生きているか?と自問すれば、かなり他人の時間を生きているように思います。お金を稼ぐため、生活するため、誰かとコミュニケーションを取るため・・・幸せは自分の中にあるものという点からすれば、他人の時間を生きていても幸せを感じる人もいるでしょうが、自分の時間を生きて自分の心の中に幸せを感じる瞬間に気づくことは大切だなと思います。