『経営革命大全』(ジョセフ・H・ボイエット、ジミー・T・ボイエット)(◯)
本書は、2002年に出版され、2014年に日経ビジネス人文庫から新装版として発行されました。良書として、話題になっていたと記憶していますが、最近別の書籍で、本書から引用していたので、気になって、このタイミングで読んでみました。
読んでみて、なるほど確かに良い本だなと感じました。1990年代を代表するビジネスの思想家の重要な経営理論(7つの領域)を取り上げ一冊にまとめあげた、壮大な一冊です。600ページ弱ありますが、よくこの内容がこのページ数にまとまったものだと思います。特に、確証の図表のまとめは、整理・内容の濃さとも、とても参考になります。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯7つの領域
①リーダーシップ
②変革をマネジメントする
③学習する組織
④チームワークを活用した好業績組織の創造
⑤マーケット・リーダーシップの追求
⑥人材の管理とモチベーション
⑦ビジネス、労働、社会
◯変革をマネジメントする
・抵抗理由
①否定的な結果をイメージする
②仕事が増えるのではないかという不安
③習慣からの脱却
④コミュニケーションの欠如
⑤組織全体にわたる調整の失敗
⑥社員の反乱
・変革のためのヒント
①変革の必要性を明確にする
②状況がいかに改善されるかを示した、明確で人を動かすビジョンを打ち出す
③真の業績を目指し、早い段階で勝利を収める
④徹底的にコミュニケーションを図る
⑤経営陣を含む結束の固い変革支援チームを編成する
⑥とことん複雑であれ
⑦人は自分の考えには反発しない
・次のような場合、変革の成功率は高まる
①組織のリーダーが、なぜ変革が止むに止まれぬほど必要なのかを明確に伝える
②リーダーが組織の未来に関する迫力あるビジョンについて合意し、それを説得力のある形で社員に伝える
③誰がみても一目でわかる具体的な成果、すなわち、収益アップを早期に実現する
④リーダーシップを取る経営陣は、変革のためにどういう努力がなされているかといった情報を大量に流す
⑤変革の必要性と変革で意図的に目指す目標に関する見解が完全に一致した、強力かつ熱心な経営トップの変革主導委員会によって変革への取り組みが指導される
⑥少しずつ変えるのではなく、すべてを一度に変える大規模な変革を行う。変革への取り組みが成功するうえで大きな影響を及ぼす文化的要素にも、もれなく対処する。
⑦組織の全員が、探索会議や同様のイベントを通じて、変革が必要とされる理由、変革すべき点、変革の方法などの決定に深く関与するように仕向ける。
この本は、7つの経営テーマに直面したときに、この本で捉え方、枠組みのような大枠を掴み、その後深掘りしていくことを考える際に役立つ内容でした。出版が2002年のため、その後20年間で他の重要な領域も出てきていたり、新しい本が出版されたりと、いろいろ動きはありますが、本書の7つのテーマは、今も変わらず重要なテーマだと思います。