MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

脳がよみがえる断食力(山田豊文)

『脳がよみがえる断食力』(山田豊文)

 著者は、「山田式ファスティング」という、薬を用いずに、ビタミンやミネラル、ファイトケミカル酵素、食物繊維など本来の食事学、解毒や断食といった自然な手段を用いて病気を予防し、健康状態を改善することが正しい予防医学であるという独自の理論を確立した方で、全国の提携ホテルや施設などで指導したファスティング経験者は1万人を超えるとのこと。本書は、記憶力や理解力といった脳力を呼び覚すための断食についてまとめられた一冊です。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯そもそも現代人は食べすぎている

・朝食は食べてはいけない。なぜかといえば、消化は多大なエネルギーを必要とするから。細胞がすぐに利用できる主なエネルギー物質をATP(アデノシン三リン酸)というのだが、これは車でいえばガソリンに当たる。消化はこのガソリンの消費量が半端でなく多い。

・少食を示す英語「breakfast」は「断食を破る」という意味。断食を終えた後の体がエネルギーをたっぷり使う消化が苦手なことは、容易に想像がつくだろう。だから江戸時代には朝食を食べなかったし、中国では極めて消化の良い粥が朝食の定番になっている。

・結論としては、起きてすぐの朝食は控え、1時間程度のウォーキングなど、軽く体を動かしてから食べるのが、理にかなった食べ方。

 

◯知っておきたい油の種類(脂肪)

飽和脂肪酸:なるべく減らす

 動物性脂肪(肉類のほか、バターや乳製品など)

 一部の植物性油(ココナッツ油、ヤシ油など)

不飽和脂肪酸

①オメガ3:積極的に摂る

 アルファリレノン酸、DHAEPAが多い油(フラックスオイル、シソ油、青背の魚など)

②オメガ6:なるべく減らす

 リノール酸が多い油(ベニバナ油、コーン油、大豆油など)

③オメガ9:加熱調理で適量を摂る

 オイレン酸が多い油(オリーブオイル、キャノーラ油など)

・トランス脂肪:食べない

 植物性油を原料とし、油の性質を人工的に変えたもの(マーガリン、ショートニングなど)

 

◯断食によるリセット効果、デトックス効果

・リセット効果

①内臓を休ませる

②味覚や嗅覚が鋭くなる

③肺がきれいになる

④免疫力がアップする

デトックス効果

①有害物質を排出する

②大腸がきれいになる

③肝機能が改善する

④脂肪が燃える

・水だけの断食は間違っている。「断食=絶食」のイメージを持つ人は多いが、水だけでの断食は多くの問題を孕んでいることを知ってほしい。

 

◯ミネラルファスティング

ファスティングは断食の意味だが、すべての食を断つのではなく、体だに必要な栄養素(ミネラル)を摂りながら、健康的に断食するというプログラムである。

・準備期(3日間)

「マゴワヤサシイ」食事を中心に摂取する。

 マ:豆類、納豆、豆腐、味噌などの大豆加工品

 ゴ:ゴマやナッツなどの種実類

 ワ:ワカメや昆布などの海藻類

 ヤ:野菜類

 サ:魚(特に小型の青背魚類)

 シ:椎茸やなめこなどのキノコ類

 イ:じゃがいも、サツマイモなどの芋類

ファスティング期(5〜7日間)

 当日はまず、良質な水を200〜400ml飲む。

 ファスティング期間中は、特製ドリンクを1日4〜5回に分けて飲む。

 ドリンク以外は良質の水を1日2リットル程度飲む。

 どうしても何かを口にしたいときは、スイカやメロンなどの水分の多い果物を、一切れ程度なら食しても構わない。

・復食期(3日間)

 準備期と同様に、肉類や高タンパクな食事は避け、「マゴワヤサシイ」食事を中心に摂取する。

 

 私は、断食やファスティングをやったことはありませんが、その効果は、さまざまなメディアや経験者からお聞きすることがあり、関心が高まっていたところです。なんとなく習慣で3食きちんと食べていますが、本書や他の記事なども参考にしながら、体に良いことに取り組んでみたいと思います。