MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

整える習慣(小林弘幸)

『整える習慣』(小林弘幸)(◯)<2回目>

 著者は順天堂大学医学部教授、日本体育協会スポーツドクター。本書は、多くのアスリートが実践していてビジネスパーソンに欠けている「コンディショニングの意識」に焦点を当て、自分を整える術をさまざまな角度から紹介した一冊。勉強会での書籍紹介のために再読してみました。第1章の「モノを片付ける」、第2章の「体の変化を意識する」と言う前半から学びが多数。また、すぐに実践可能な手軽さ、わかりやすさが素晴らしいと思います。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯整える対象

①身の回り:モノを片付ける

②時間を整える

③人間関係を整える

④体を整える

⑤食べ物を整える

⑥行動パターンを整える

⑦メンタルを整える

 

◯身の回りを整える

・探し物が見つからない。そんなちょっとした瞬間に、交感神経は跳ね上がり、血流は悪くなり、集中力は低下し、結果として仕事のパフォーマンスが著しく低下する。

・鞄の中を整理する

・欲しい情報は一目でわかるようにする

・片付ける場所を決める

・モノを捨てる

電子マネーは早めにチャージする

・財布の中を整理する

・会社の退社時にデスク周りを片付ける

 

◯時間を整える

・午前中の勝負時間を無駄にしない

・昼食後の2時間は非効率になる。打ち合わせやミーティングが有効。

・終了間際の集中力を活用する

・内容で区切る仕事と時間で区切る仕事を分ける

・金曜日の夜に来週必要なモノを揃えておく

・休日にも緩やかな計画性

 

◯人間関係を整える

・人の評価を口にしない

SNSとの距離感を考え直す

・目的が言えない飲み会には参加しない

・「参加/不参加」の回答は一晩寝かせる

・相手のバックグラウンドを考える

・ゆっくり話す

 

◯行動パターンを整える

・最大のポイントは朝でなく、前夜にある

・1日を振り返り、失敗を成功に書き換える

・1日1日を区切るために日記をつける

・日記を通して、きちんと今を生きる

・感謝ほど自律神経が整うものはない

・ミスはその場でメモする

・帰宅後にやることを1個決める

・忙しい時ほど、ゆっくり丁寧にやる

・仕事の重要度に差をつけない

 

 本書を読みながら他の書籍ともつながるところがありました。モノを整えるところでは、『集中できないのは、部屋のせい』(米田まりな)、不満を言わないと言うところでは、『もう、不満は言わない』(W・ボウエン)など、これまで読んできた本と繋がり、自分を整えることへの説得力が増した気がします。

 また、1日の中で「朝」の重要性が説かれることが多いですが、朝活生活が長い私としては、朝起きることよりも前夜をいかに整えるかに意識があります。本書ではその点にも触れていて共感できる内容でした。

 整えることで、パフォーマンスがフルに発揮できる。確かにこれは、スポーツや音楽などの領域だけではなく、日頃のお仕事など、あらゆる場面で当てはまるのだろうと思います。