神・時間術(樺沢紫苑)
『神・時間術』(樺沢紫苑)(◯)<2回目>
今週末の勉強会テーマが「タイムマネジメント」なので、再読してみました。やはり、エッセンスが詰まっていて、良書だと思います。この手の実践をテーマとした書籍は、やはり自分が実践している方が、その体験をもとに書いてくださるのが一番響きます。本書はさらに医学的な裏付けや実証実験の結果などが紹介されているので、納得感も高く、大変ありがたい一冊です。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯「集中力」を中心に時間を考える
・起きてから2〜3時間は、脳が疲れておらず脳のパフォーマンスが最も高い「脳のゴールデンタイム」。
・朝の1時間は、夜の1時間の4倍の価値がある。
・「集中仕事」は集中力の高い時間に行う。「非集中仕事」は集中力の低い時間に行う。
・集中力の高い時間
①起床後2〜3時間(1日で最も集中力が高い時間帯は、朝6〜7時台)
②休憩直後
③終業間際の時間
④締め切りの前日
◯集中力をリセットして時間を生み出す
・100の集中力を120に高めることは難しいが、疲労によって低下している70の集中力を90に回復させることは簡単。その最も簡単な方法が「睡眠」。
・睡眠を削ると、癌のリスクは6倍、脳卒中は4倍、心筋梗塞は3倍、高血圧は2倍、糖尿病は3倍以上へ跳ね上がる。
・1回60〜90分の有酸素運動、それが終わると、頭も体もリセットされる。有酸素運動をすることで、BDNF(脳由来神経栄養因子)という脳を育てる物質が分泌され、意欲を高めるドーパミンという脳内物質も分泌される。
◯超・朝活起床術
①朝シャワー
朝起きて頭がボーッとしているのは、まだ副交感神経が優位。交感神経優位の状態は、体温や心拍数が上がった状態なので、体温や心拍数を上げれば良い。シャワーの温度は少し熱めがいい。
②カーテンを開けて寝る
朝日を浴びるとセロトニンという脳内物質が活性化する。
③リズム運動
朝起きたら、15〜30分ほど少し早足で散歩してみる。リズム運動でセロトニンが活性化する。
④よく噛んで朝食をとる
一口を20回以上噛む。
・絶対にやってはいけない朝の習慣
⇨テレビを見ること。テレビは情報の嵐。テレビを見るという行為は、まっさらな机の上にたくさんの資料をぶちまけるようなもの。
◯昼の時間を最大に活かす午後のリセット術
①外出ランチ・リセット術
ただ食べるだけでなく、日光を浴びるのと少しの距離を歩くということで、セロトニンが活性化される。
②場所ニューロン効果
歩く、移動する、場所を変えるというのは、脳に対して非常に良い効果を発揮する。場所ニューロンというのは、海馬に存在する、場所を司る細胞で。場所ニューロンが活性化することで、海馬全体が活性化し、記憶力が増強する。「歩きながら勉強すると記憶しやすい」というのは、脳科学的に正しい。
◯仮眠
・NASAの研究によると、26分の仮眠によって、仕事効率が34%、注意力が54%アップした。
・仮眠は、30分を超えると徐々に効果が悪くなり、1時間を超える仮眠は、脳のパフォーマンスにも健康的にも悪影響を及ぼす。
・生理学的に「寝だめ」はできないことが証明されている。
◯運動リセット術
・運動後は第二の脳のゴールデンタイム。適切な運動量でやめておく。30分程度の有酸素運動によって、その直後から学習機能、記憶能力、モチベーションがアップする。
・運動が脳にいい科学的根拠
①海馬の神経を増やし、長期記憶を強化する
②脳を育てる
③運動直後から学習効果がアップする
④頭が良くなる
⑤作業記憶が良くなる
⑥ぐっすり眠れる
⑦やる気が高まる
◯自己投資
・自分のメインスキルを磨くことに自己投資することで、圧倒的な仕事の効率化が可能になる。
・自由時間ができたら、さらに自らのスキルアップのために時間を投資する。それによって、メインの仕事の効率がアップし、自己成長して、同じ時間で今まで以上に仕事をこなせるようになる。結果として、さらに自由時間が生まれ、更なる自己投資時間が作れる。
・ドイツの大規模調査によれば、本をより多く読むほど集中力が鍛えられ、テレビをたくさん見るほど集中力が低くなる。読書を習慣にする人は「対象に意識を集中する」トレーニングをしている。テレビは録画してみれば、余計な情報が入ってこない。
「同じ時間を持っているのに、どうしてあの人はあんなにたくさんのことができるんだろう??」って思うことってありますよねー。その人ならではの時間効率策があるはず。少なくとも「時間に対する意識」というものがあり、「時間に無意識」な人との差は圧倒的だと思います。毎日繰り返される「時間の使い方」に少し意識を向け、工夫するだけで、積み重なった時間は相当な差をもたらすからこそ、今からでも「時間に対する意識」を高めていきたいですね。