MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

株価チャート大全(戸松信博)

『株価チャート大全』(戸松信博)(◯)

 統計分析の学びからの流れで、これまで読んでこなかった株式領域の最初の一冊を読んでみました。本書は、見開きで100の分析テーマが紹介されています。チャートの基本要素、ローソク足(上がった下がったを示すグラフの要素)、チャートパターン、移動平均線テクニカル分析など、広く浅く大きく掴みたい方に向いている一冊です。言葉だけでは理解が難しい内容ですが、本書では、見開きの右ページが実際の企業の株価チャート図を掲載し、そこに解説が書き加えられているので、イメージが掴みやすいと思います。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯主なパターン

1)ローソク足の間隔が大きく空く窓開け(前日終値と翌日始値が大きく間隔がある)

2)窓空けの後に反対方向に動く窓埋め

3)上昇トレンドへの転換を示すたくり線

4)転換を示す「毛抜き天井」と「毛抜き底」

5)上昇転換を示す「陰のはらみ寄せ線」

6)上昇トレンドの継続を示す「上伸途上の十字線」

7)相場の天井を示す「三山・三尊」

8)相場の底を示す三川・逆三尊

8)トレンド終了を示す三空

9)トレンド初期に出る三兵

10)トレンド継続を示す三法

11)相場の天井を示すダブルトップ

12)相場の底を示すダブルボトム

13)トレンド展開を示すアイランド・リバーサル

14)反転を示すダイヤモンドフォーメーション

15)上昇トレンドを示すカップウィズハンドル

16)上昇トレンドを示すソーサーウィズハンドル

17)株価の膠着を示すトライアングル

18)上昇トレンドを示す「下降ウェッジ」

19)上昇トレンド継続を示す「上昇フラッグ」

20)トレンド転換を示す「ボックス」

21)ダウ理論

22)「トレンドライン」で上昇トレンドを見る

23)最もシンプルな基準「水平線」

24)反発の目安になる支持線抵抗線

25)「チャネルライン」で株価が反発

26)意識されやすいキリの良い数字「キリ線」

27)相場が変化する「ブレイクアウト」(溜めの短いダマシに注意)

28)「押し目」で上昇トレンドに乗る

29)株価の平均を示す「移動平均線」で売買の傾向を知る

30)移動平均線でトレンドとレンジを判断する

31)移動平均線支持線抵抗線になる

32)グランビルの法則の8つのパターン

33)2本の移動平均線の買いサインが重なるポイントを探す

34)強いトレンドを示す「パーフェクトオーダー」

35)戻しのタイミングを計る「移動平均線乖離率」

36)株価が上下に動く幅を可視化する「ボリンジャーバンド

37)基本となる5つの線を分析する「一目均衡表

38)相場の転換点を分析する「パラボリック

39)乖離率を利用した「エンベロープ

40)市場参加者の心理を表す「サイコロジカル・ライン」

41)相場の加熱感を見る「RSI(Relative Strength Index)」

42)相場の加熱感を見る「ストキャスティクス

43)相場の過熱感とトレンドを分析する「RCI(Rank Correlation Index)」

44)トレンドを可視化する「DMI(DIrectional Movement Index)」

45)移動平均線をアレンジした「MACD(Moving Average Convergence/Divergence Trading Method)」

46)時間の概念を排除した「ポイント&フィギュア」

47)時間の概念を排除した「新値足

48)特殊な4本値を使う「平均足」

49)フィボナッチ・リトレースメント

50)フィボナッチ・エクスパンション

51)フィボナッチ・ABCDパターン

52)支持帯・抵抗帯になる「価格帯別出来高

53)平均的な売買価格を示す「VWAP(Volume Weighted Average Price)」

 などなど、様々なパターンが紹介されています。

 

 株式市場は、データ分析の歴史が蓄積された世界ですが、毎日市場が動いて変化し続けている現実もあって、理論と現実の照らし合わせが日々行われていると言っても良いと思います。これはとても奥深い世界へ踏み出したなと思います。

 チャート分析の数も多数あり、どの指標を重視するのか、そしてゆっくり分析している間にも市場はどんどん動いていくので、判断や割り切りもあると思います。株価が高くなると思って買う人と株価が安くなると思って売る人、この両者がいないと売買が成り立たないわけで、市場の読み方もその人次第。自己責任の世界ではありますが、経済、経営、心理など世の中を知るのにはとても役立つ領域だと思います。