『自動的に富が増える「お金」と「時間」の法則』(ニック・マジューリ)(◯)
今までに読んだ投資関係の書籍では、最も分かりやすく説得力があった一冊。帯にある「全米屈指のデータサイエンティストによる、お金を貯め、富を築くための証明済の方法」という言葉に惹かれて買いましたが、その通りの内容でした。文章も説得力があり、読みやすいので、約400ページのボリュームにも関わらず、サッと読めた感じでした。前半が貯蓄、後半が投資という構成で、自分に合った方を読むだけでも良いと思います。
ちなみに、自分は貯蓄と投資のどちらに取り組めば良いか?という点については、一年間で「貯蓄できる金額」と「投資からのリターンで得られる金額」の少ない方に取り組むのが良いとされています。
(印象に残った所・・本書より)
◯21の黄金ルール
①お金がない人は「貯金」を、お金がある人は「投資」を重視すべき
②できる範囲で貯金する
③節約よりも収入アップ
④「2倍ルール」で罪悪感を減らす(贅沢品にお金を使ったら、それと同じ額を投資するかチャリティに寄付する)
⑤収入アップ分の50%以上を貯蓄する
⑥借金は使い方次第(自分にとってメリットが得られる場合のみお金を借りる)
⑦家は適切な場合のみ購入する(自分の経済状況と現在のライフスタイルに適している場合にのみ購入すべき)
⑧頭金は、まず現金で貯めることを検討する
⑨リタイアで大切なのはお金だけではない
⑩減り続ける「人的資本」を「金融資本」に置き換えるために投資する(人はいつまでも働き続けられるわけではない)
⑪オーナーのように考え、収益資産を買う
⑫個別株は買わない(個別株投資は、インデックス投資に勝てない)
⑬早く買ってゆっくり売る
⑭できるだけ頻繁に投資する(神でさえドルコスト平均法には勝てない)
⑮投資とは配られたカードではなく、そのカードを使ってプレーすること(長期的にどう振る舞うか)
⑯相場の変動は必然的に発生するが、恐れてはいけない(相場の変動に耐えるという手数料を払わなければならない)
⑰暴落は(通常は)買いのチャンス
⑱過度に贅沢な暮らしをしようとして大きなリスクを背負うのではなく、十分な暮らしができるお金を確実に得ることを重視する
⑲どれだけ資産が増えても、金持ちになったとは感じないが、それは問題ない
⑳時間ほど重要な資産はない
㉑私たちはすでにこのゲームをプレーしている
◯早く買ってゆっくり売る
・ほとんどの市場は、ほとんどの期間、上昇している。こうした経験的証拠は、私たちができるだけ早く投資するべきであることを示唆している。
・買った株がそれ以降一度も下がらず、お買い得の投資ができる日は、20取引日に1回(月に1回)しかない。価格が下がるのを待つのが正しいと感じるのはこのため。だが本当の問題は、購入日以降株価が下がらない場合があり、かつそのような状況が滅多に訪れないこと。
・株式投資では、概して即一括投資は分割投資より優れている。
これから投資を始めようと思っている方も、すでに始めている方も、情報が多すぎて何から始めて良いかわからないという方も多いと思います。そんなあふれる場の中から、大切な観点をさっと捉えるという意味で、本書を読む価値を感じました。100年人生で健康寿命が読めないからこそ、お金の問題を長期的にどう考え、実践していくかは人生の課題でもありますね。