MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

なぜ働くのか(田坂広志)

 『なぜ働くのか』(田坂広志)

 『仕事の報酬とは何か』、『仕事の思想』につづき、田坂さんシリーズ3冊目。

 本書は、仕事に対する「覚悟」と「思想」を身に付けるための考え方を、①死生観、②世界観、③歴史観を切り口として語られています。

 

(本書で印象に残ったところ)

〇死生観

 (時間が刻々と過ぎていく様を「砂時計」の砂に例えながら‥)

 かけがえのない1日1日が過ぎていく。”ではどうのように生きるか” そのことを考えることから「思想」というものの原点が生まれてくる。

 

〇「なぜ働くのか」

 これは、生涯の問い。その問いから深い「思想」が生まれてくる。その思想が現実に流されない「錨」になる。

 

〇知性とは

 「答えを見つける力」ではなく、「問い続ける力」。

 答えのない問いを問い続ける力。

 経営において、そして、人生において直面する問題は、そのほとんどが答えなどないもの。

 したがって、答えのない問いを問い続ける「知性」を身に付けなければならない。

 田坂さんシリーズとして読んだ3冊目は、死生観が絡む、正直、最も重いテーマでした。

 しかし、年齢を重ねるにつれ、考えさせられるテーマでもあり、仕事と絡めて考える良い機会になりました。いろいろな観点から考え続けること。その考え方の切り口をまた1つ得ることができたと思います。

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